百八十四、我が家の節約日誌


平成二十三年
七月十八日(月)「アナログ放送中止」
私の勤めるソフトウエア業界は一昨年のリーマンシヨツク以来、業績が悪い。これは多重請負が原因で、元請けの某外資やF通などは自社の技術者に仕事を回す。その分協力会社の技術者が大量に余る。これは製造業も同じであろう。庶民の生活は大変である。それなのに管直人と与謝野が九官鳥みたいに「消費税、消費税」と叫ぶので、今回は庶民の生活がどれだけ大変かを記そう。

我が家のテレビアンテナはVHFで東京タワーを向いてゐた。ところが地デジが開始される二年ほど前に強風で倒れた。今工事をすると二重投資となる。しかしテレビが映らないのは不便だから工事を頼んだ。今度はUHFでランドマークタワーを向いてゐる。超高層ビルを作ると電波障害が起きる。そのため屋上にアンテナと中継設備を作りUHFを流す。
ところが地デジ化とともに中継設備を停止することになつた。我が家のUHFアンテナを東京タワーに向き直さなくてはいけない。しかし東京タワーの電波がランドマークに反射するので、そのまま受信できることがわかつた。
さつそく二月にやつてみた。NHKと民放の一つは電波が弱く画像がときどきモザイク状に止まる。NHKは受信料を取るのになぜ電波が弱いのか。やむを得ずアナログに戻した。
我が家はテレビ端子が二つある。しかしテレビは一台しかない。だから池袋のNavi総本店で同軸ケーブルを買つてきて屋根の下からテレビまで直通で引き直した。これで電波が二倍になつた。全チャンネルが映るようになつた。

七月十九日(火)「階段上の天井の電灯」
一年ほど前、二階に上がる階段の電灯器具が壊れた。外すときに階段から堕ちたら危険だから椅子の上から怖る怖る外したらソケツトのプラスチツクが少し欠けた。これでは重い器具を吊り下げることができない。日曜大工の店で白熱電灯を着ける工事現場用の器具を百五十円くらいで買つて装着した。傘がなく軽い。階段を上がつたところの真上なので目立たない。大成功であつた。

七月二十一日(木)「居間の電灯」
一ヶ月前の或る日、いつものように帰宅すると居間の蛍光灯器具が天井から垂れ下がり点灯してゐる。ソケツトが天井から外れて器具は電源ケーブルに支へられて宙吊りになつた。このままではケーブルが断線するのですぐに外した。ケーブルだけで支へられる重さの器具、つまり例の工事現場用百五十円をもう一つ買つて付けた。
その結果、我が家の居間は百ワツトの傘なし白熱電灯となつた。居間の写真を撮つて「鹿島建設横浜作業所」と下に解説を付けたら誰もが信じるだろう。
許し難いのは電器屋である。元は重いシヤンデリアが付いてゐた。数年前に壊れたので将来を考へ電器店で天井ソケツトに工事をしてもらつた。これなら器具が壊れても量販店で購入して取り替えることができる。ところが天井ソケツトがもう壊れた。あの電器店はペテン師か。管直人並みである。

七月二十三日(土)「自家用車」
我が家には自家用車がない。これは節約のためではない。石油の浪費を防ぐためである。乗らないので免許証は更新しなかつた。その後十五年前に仕事でアメリカに滞在した。車がないと不便なのでアメリカで免許を取得した。帰国後に日本の免許に書き換へた。ところがやはり更新しなかつた。
免許を二度も更新しない人は日本中を探しても珍しいだろう。

七月二十四日(日)「首都圏のバス利用者は怒ろう。天下りを許すな」
昨年までは浦和の実家まで都バスのみに乗つて行くことがよくあつた。これも節約のためではない。昨年廃止されたバスカードは便利であつた。バスカードに敬意を表して、浦和に行くのに都バスを大和町まで乗りあとは中山道を歩いた。板橋宿から浦和宿までの江戸時代の気分にもなれる。運賃もバスカードの割引だと百七十円分で済んだ。中山道のほかに笹目橋や新荒川大橋を経由する気分転換のバージヨンもあつた。
竪川と緑川を見つけたのは新荒川大橋を歩いたときだつた。
ところが昨年バスカードが廃止された。Pasmoのバス特は一箇月で切り捨てられるから不利だ。バスカードは民間から発達した。バス特は上から作られた。国土交通省と各自治体から天下りがゐるのではないのか。

七月二十五日(月)「官僚文書」
官僚の文書には特徴がある。本当の理由を述べずに副次的理由でごまかす。バスカードの廃止は、バス特の利用者が増加したためと書かれた。これは副次的理由である。本当の理由は公定歩合低迷だ。だつたらそう書けば利用者は納得する。
Pasmo化のどさくさにまぎれて一ケ月切捨てを始めた。通勤以外の利用者には極めて不利だ。通勤利用者も千円未満は切捨てられるから一人平均月に八五円損をする。

管直人の消費税騒ぎも官僚文書だ。本当の狙いは直間比率の変更なのに国家財政や社会保障と副次的理由を挙げた。高級官僚と大手新聞社にとつて直間比率変更ほどおいしい話はないからだ。

七月二十七日(水)「昼食費の変遷」
私の場合、十八年前に今の会社に就職しその直後に結婚した。だから私の昼食代の変遷は結婚後のサラリーマンの実態を表す。
結婚直後の昼食代は八百円前後であつた。十八年前は会社の業績が悪く従業員が四百名から二百名に減りボーナスも十万円くらいだつたが昼食代に変化はなくそれが三年間続いた。
子供が幼稚園に入園すると会社の近くの区役所の地下食堂で四百五十円の昼食を食べるようになつた。たまたま会社の経理部長や人事部長だとかも食べに来たことがあつて席も私の後だつた。私の隣と前にも社内の若い技術者がゐたので、経理部長に「この辺りの写真を撮つて会社案内に載せれば社内食堂があるのかと皆が思ひますよ」と冗談で言つた。
その後、上の子供は小学生、下の子供は幼稚園に入つた。昼食は弁当屋で四百円のものを買ふようになつた。子供が中学校と小学校に入学するとご飯だけ弁当箱に詰めて持つて行き一日当り百七十円前後の予算でおかずだけをスーパーで買ふようになつた。

七月二十八日(木)「子供の教育費」
私の給料は結婚以後上がることはあつても下がつたことはない。リーマンシヨツク以降まともにボーナスが出ないようになつたが、十八年前にも金額が極めて少なかつたから今回が初めてではない。
だから私の昼食費が八百円から百七十円に下がつたのは、年収が原因ではなく子供の成長に連れて教育費がかかるようになつたためである。高校の授業無料化は鳩山政権の快挙である。管直人を追放し鳩山政権を復活させるのは一つの選択肢である。

七月三十日(土)「消費税はいけない」
消費税のいけない理由は教育費のかかる世帯もかからない世帯も同等に税金を取ることにある。更に収入の多い世帯も少ない世帯も同等に取る。外国の労働組合は職種別だから収入格差を是正する役割を果たす。日本では労働組合は格差を悪化させる。
民主党の菅直人、枝野、岡田などはそのような状況で出現した。そして消費税をわめき立てた。こういふ連中の退治こそ現今の急務である。(完)


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