千八百二十六(うた) 日本電産の問題点
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
九月五日(月)
日産自動車から関さんを招聘し、代表取締役社長兼COOに就任。CEOも永守さんから関さんに移ったが、今年四月に永守さんがCEOに復帰した。関さんの退社は時間の問題と云はれた。
このとき思ったことは、永守さんは関さんと話をしないのか、だった。関さんのやり方については、取締役会で議論するし、CEO、COO連絡会議なり、会長社長雑談会でも議論する。もし関さんに問題があるなら、それは永守さんのコミュニケーション能力不足が原因だ。
スケートの選手を三つ特進は永守さんに疑問の初め (当時の記事)
九月六日(火)
その後、関さんは退職するのではなくCOO兼社長を続けたため、冷たく見守ってきた。コミュニケーション能力不足の永守さんでは、関さんを使ひこなせないだらうと思ったからだ。
そして四日前に、関さんの退社が発表された。この時点で、永守さんがコミュニケーション能力不足とは思はなくなった。日本電産は、世間の常識が通用しない、無理をすることだけが要求される会社なのだと。
私の二度に亙る仮説は根拠がない。日本電産の内部事情が分からないからだ。しかしこの仮説はかなり当ってゐるのではないか。
今までの経過で仮説二つありかなり自信を持ちて発表
九月七日(水)
別の見方もある。ITmediaのMONOistのホームページに載った記事によると
「日本電産は(中略)サプライヤーであり、自動車メーカーと違ってサプライチェーンの頂点に居るわけではない。車載事業が悪化するのを見ていて、自動車メーカーとサプライヤーの仕事の進め方が違うのを実感した。サプライヤーは客先や工場に通い、バッタのように頭を下げて会社を作っていく。現場でも社員より早く出勤して社員を待ち構えるなど、時間をかけて過ごすべきだが、自動車メーカーではそういった経験がなかったのだろう。以前の会社の習慣が悪いとは言わないが、日本電産のルールに合わせてもらっていれば違った姿になったかもしれない」(永守氏)
新社長の小部氏も関氏の印象を「お客さま対応は苦手なのだろう」と述べた。
新規開発は、担当部署が行ふのではなく、社長自ら出向かなくてはならない。自動車メーカーは、系列の販売店を回ることはあっても、顧客を回ることはない。その違ひかなあと云ふ気はする。
「ある程度同じ価値観を共有できないと、厳しい仕事に向かっていくことはできない。私の経営手法をまねしたり学んだりしてほしいと何度も頼んだが、受け入れてもらえなかった。私は50年間会社を経営してきて、倒産しかかった会社も再建してきた。そこから学ぶべきことは多かったはずだが、プライドが許さなかったのではないか。私の指導を受けて実績が出てから自分の個性を出せばよかったのだが」(永守氏)
これだと永守さんが正しい。しかし学ぶ内容が無理をすることだとすると、評価は再び逆転する。学ぶ内容が無理をすることなのか違ふのか。ここが今回の関が原となる。
無理をするそれを学べば世間との差を埋められぬ分かれの道に(終)
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