千七百五十一(和語の歌) 鳥の楽園
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
五月二十七日(金)
我が家では、つばめの雛が餌をねだる鳴き声が、頻繁に聞こえる。インターネットで調べると、子育て中の親鳥は餌を一時間に約40回運ぶ。今の時期は活動が十三時間なので、1日に520匹の虫を雛に与へる。 一つの巣で雛は平均5羽なので1羽当り1日に百四匹の虫を食べる。
雄と雌で四十回だから、一羽当たり一飛び3分間。ハエやハチは一匹ずつ、小さな虫は何匹も取って持ち帰る。金沢市の民家で、ツバメが誤って巣の下に落とした虫の調査結果では、四割がハエ、三割がチョウ、二割がハチだ。
つばめの巣雛の啼く声虫を食む田畑を守り家をも守る 蝿や蜂など
五月二十九日(日)
ギーギーと鳴く鳥も来るので、オナガだと思ってゐた。しかしインターネットで調べると、オナガは、ギーチッチッと鳴く。ギーギー鳴くのはムクドリらしい。しかし別のサイトにはヒヨドリだとの情報もある。実物を見ないで、鳴き声だけで種類を決めるのは難しい。
生き物を滅ぼすことのない世にて油燃やさず幸せな星
昔から人は多くの生き物とともに住むのが幸せな里
春は鳥夏は五つの蝉の声秋は虫の音幸せな家
声五つニイニイアブラミンミンのセミにヒグラシツクツクボウシ
五月三十日(月)
朝に空が明るくなっても、雛の鳴き声がしない。夕方はまだ明るいのに、雛の啼く声がしなくなる。鳥目だから少し暗くなると、もう見えなくなるのかと思った。よく考へると、親鳥は自分がまづ食べないと、飛ぶ力が出ないだらう。その分だと気づいた。
しかし一昨日辺りから、朝の開始時間が早く、夕方の終了時間が遅くなった。別の理由があるのだらう。あと、つばめは普通に飛ぶときは50km/hと速い。ハエなど小さな虫を捕まへるには、明るくないと駄目だ。人間より目がよい。鳥目なんて言ったら失礼だ。敵から逃げるときは200km/hを出す。
朝になり明るくなりてしばしのち雛たちの声今日も始まる
五月三十一日(火)
ギーギー鳴く鳥を実際に見た。インターネットで調べるとムクドリだ。食べ物は虫なので、つばめに有害ではない。
我が家の庭側はすずめ、反対側はつばめの鳴き声がする。棲み分けができてゐる。ムクドリは両側から聞こえるが、屋根より上の電線に止まる。
最近ハエが少ないと思ったら、つばめが食べてくれるのだらう。それにしてもカラスは有害だ。つばめの雛も狙はれる。可燃ごみの袋に穴を開けて散らかす。一年間で、道路に散乱したごみを三回ほど見たことがある。我が家からは少し離れた場所だったが。
カラスは垂直に飛べないので、鳥小屋の天井を1m四方に開けて餌を入れておくと、たくさん獲れるさうだ。食べた人のホームページを見ると、胸肉とモモ肉は美味しいらしい。しかし皮が固くゴムみたいなので、皮は取り除かないと駄目らしい。
その前に、カラスを捕獲すると鳥獣保護法違反になる。カラスを鳥獣保護法から除外し、つばめやすずめの楽園にしてほしい。あとキジバトも我が家の周りによく現れる。庭は鳥の楽園である。
ここでカラスを食用にしてよい理由は、人間とともに増えた。純粋な野生ではない。つばめも人家に巣を作り鷲やカラスから逃れる。しかし農薬の無かった時代に益鳥として膨大な歴史がある。渡り鳥として外国への責務(無事に繁殖させて帰国させる)もある。(終)
追記六月三日(金)
朝はつばめの雛が鳴いたのに、お昼に帰宅して以降、一回も鳴かなくなった。インターネットで調べると、二日くらいは巣に戻って親鳥から餌をもらふさうだ。昨日も昼間に鳴かない時間があった。昨日までは仮巣立ち、本日が本当の巣立ちのやうだ。
昼過ぎに買ひ物に行き帰り道 家から少し先の家 よく聞き慣れた雛の声 ここもつばめの巣があると思ひ帰宅しそのあとに 外では雛の鳴き声が途絶え雛たち旅立ちを知る
(反歌)
あの家の前をときどき通りたが今まで雛の声は聞かずに
(反歌)
昼過ぎに雛の鳴き声無くなりて巣立ちを知りて庭は寂しく
(反歌)
よその家近くで鳴いた雛たちは巣立ちた後の鳥懐かしい
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