百七十五、笹森清氏亡くなる、今こそ連合は笹森氏の意思を継ぎ改革を


平成二十三年
六月五日(日)「笹森氏の講演」
二年前に単産の定期大会で
笹森氏の講演を聴いた。私は旧同盟系の労組は嫌ひではない。特に全日海の和田春生氏(民社党参議院議員を二期)の主張には完全に賛成である。
私が二十歳になり最初の選挙で投票したのは民社党であつた。当時は浦和に住んでゐたが笹森氏は東電の埼玉支社に勤務してゐたから、きつと笹森氏などが応援してゐたのであろう。
その笹森氏が昨日亡くなつた。七十歳でまだまだ連合の改革のために活躍してほしい年齢であつた。

六月十二日(日)「連合の存在意義」
かつて総評が元気で同盟も健全だつた時代には、総労働対総資本といはれた。ところが連合が結成されるときに「総労働対総資本といふ間違った考へ方」といふ言ひ方でこれを否定した。 しかしもし企業別組合が企業の利益の中で労働条件を求めるなら単産も連合も必要がなくなる。
笹森氏が会長の時に第三者に依頼して連合を評価した。連合はぼろくそに批判されたといふ。そのとおりである。労組の全国組織は総労働対総資本の対決をするために存在する。

六月十四日(火)「労組の存在意義」
労組は社会の不公平を是正する役割を担ふ。ところが連合は社会の不公平を増大させてゐる。その原因はユニオンシヨツプが労組の変化を妨げるからである。プラザ合意までは大企業も現業職が多くユニオンシヨツプも意義があつた。ところがプラザ合意で激変した。本来は組合員を下請けや偽装請負や派遣にシフトすべきだつた。ところがユニオンシヨツプがそれを妨げた。
経団連といふ目先しか見ない組織と、連合といふ守旧組織の合作である。まず連合は笹森氏の意思を受け継ぎ本当の労働組合に戻るべきだ。

六月十九日(日)「労組は議員を出すな」
労組から議員を出すと労組は堕落する。議員になりたい人が組織を堕落させるし競合者の追い出し先になる。二十年前に連合と官公労が合併するときに会長候補が二人ゐた。一人は富士通労組の藁科で、もう一人は全電通の山岸だつた。富士通労組の支部長クラスは低級な連中が多かつた。富士通労組の委員長はそれよりはましだがやはりひどかつた。それに対して藁科は電機労連の委員長でまあまあだつた。
藁科が単組の委員長のときはまだ毎年ストライキをしたためであろう。 ところが社会党の参議院比例区の名簿第一位の候補となり、第一位だから絶対に当選した。あれは山岸が藁科を追い出したといふか、相応のポストを用意したのだろうが、そんなものに乗つて参議院議員を十二年喜んで勤める姿には呆れた。
とは言へ、労組だけが組織内候補を辞退するのは得策ではない。業界団体と宗教団体にも議員をださせないよう相討ちでにしよう。
国会議員は県会議員から昇格させる。県会議員は市町村会議員から昇格させる。これで国民の生活に根ざした議員が生まれる。県議会や市町村議会も活性化する。

六月二十六日(日)「利益分配率を超へる闘いを」
日本の労働組合は組織率が異常に低い。大企業のユニオンシヨツプは組合員意識のない人がほとんどである。その分を差し引くと更に低くなる。 こうなつた原因は利益分配率の範囲で賃金を決めるからである。それは経営側の言ひ分である。同一労働同一賃金が組合の主張であり、労働者は経済整合の役割を果たすと考へるのが組合の本来の主張である。
しかし連合はそう考へてゐない。利益配分の範囲で給料を決めると考へてゐる。雇用に組合の発言力を認めさせることも必要だ。会社が認めない限り会社都合の解雇も絶対に認めない。倒産させても阻止する。連合はそこまで言ふべきだ。そうしないと中小の組織化はできない。(完)


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