千七百十四(和語の歌)(モリカケ桜疑獄二百十五の一) 安倍ヤジで排除された二人が勝訴
壬寅(西洋野蛮歴2022)年
四月一日(金)
Presidentのホームページに
安倍元首相へヤジで警官に排除された男性らが勝訴「表現の自由を侵害」で警察庁に衝撃走る
安倍首相側に忖度しすぎたのか

が載った。AERAdot.編集部今西憲之さんの記事だ。
北海道札幌市で安倍晋三首相(当時)が街頭演説中に「安倍辞めろ」とヤジを飛ばした2人が北海道警の警察官に現場から排除され、損害賠償を求めた裁判で、札幌地裁は3月25日、原告側の「勝訴」判決を言い渡した。

これは当然のことだ。路上で安倍が演説を始めた。聞きたい人と聞きたくない人がゐる。なぜ聞きたくない人が我慢しなくてはならないのか。ヤジを飛ばされたくなければ、室内で演説すべきだ。更に云へば、モリカケ河桜藪黒核アベミクス北方領土のやうなことを起こさないことだ。

四月二日(土)
ここには、もう一つ重大な問題がある。
北海道警の警察官は以下のように主張した。
「大杉さんを排除した際に安倍辞めろという以外に『お前が帰れ』『うるさい』などと声をあげていた。それで肩や腕を掴んだ」
「バッグに手を伸ばしていたので、刃物やナイフなどの凶器を取り出す危険性があった」
しかし、判決文によると、<(裁判所に提出された現場の動画に)「お前が帰れ」「うるさい」などの発言は全く録音されていない。そもそも「怒号」というからには、相当程度の声量があったはずであるのに、全く録音されていないというのは不自然>
<動画によれば、(大杉さんが)「安倍辞めろ」と声をあげてから警察官が動き出すまでに数秒程度。(大杉さんの)肩や腕をつかむまで10秒程度。わずかな間で聴衆との間で騒然となったり、小競り合いが生じる様子はうかがえない>
<警察官は「凶器を取り出す危険性を認めました」と証言しておきながら、(大杉さんの)右手を確認したのかと問われると「確認するいとまがなかった」と否定。動画からも確認していた様子はうかがわれない>
裁判所は警察官の証言を<にわかに採用することができない>と断じた。

警察は、裁判で嘘の発言をした。北海道警は控訴したが、ここまで嘘を裁判所に認められては控訴して時間を引き延ばすしかないだらう。上(首相)が腐れば下(都道府県警)まで腐る典型である。似たことは、財務省、文科省などでも起きた。

四月三日(日)
桃井さんのヤジについても<警察官は証人尋問において(桃井さんに)「どうしたの」「落ち着いて」と声を掛けたところ、それを無視して全身を震わせて聴衆に向かって前進したと証言。念のため、当時の動画を見ても(桃井さんが)声をあげた時点で聴衆の多くは単に演説に耳を傾けていたようにうかがわれ、騒然とした状況ではない。(桃井さんが)前進したとの点についても(動画では)前進していない。危険な事態はうかがえない>
(中略)判決は北海道警による2人に対する制止行為は警察官職務執行法を適用するのは無理があり、<違法と言わざるを得ない>と厳しく指摘した。
そして、原告らが争点にしていなかった憲法で定められている「表現の自由」にも踏み込んだ。
<「安倍辞めろ」「増税反対」などと声を上げ、上品さに欠けるきらいはあるものの、公共的・政治的事項に関する表現行為である。(中略)<原告らはいずれも表現の自由を侵害された>との判断を下し、北海道に賠償を命じた。

そのとほりだ。安倍に発言の自由があるなら、国民にも発言の自由がある。
判決後、大杉さんは会見で「(前略)現場で北海道警の警察官は『大声を出すと聞いているおばあちゃんがびっくりして死ぬかもしれない』など理屈が通らない理由を並べて排除した。安倍政治と似たものではないかと思った」と語った。
(中略)警察庁幹部はこう漏らした。
「当時、安倍首相の周囲がヤジを気にしているとの話があり、排除となったようです。裁判所はそれはやりすぎ、違法とまで断罪している。こちらが安倍首相側に忖度しすぎたのか……」

今からでも遅くはない。安倍が現れたら、全国津々浦々でどんどんヤジを飛ばさう。「モリカケ河桜藪黒」だけでもよい。
国の民言の葉出して戻させる積もり積もれる悪き行なひ


四月四日(月)
野次は下品だ、と考へる人は、掛け声がよい。歌舞伎や浪曲などで掛け声を掛けると盛り上がる。歌舞伎では、成田屋、音羽屋など屋号で呼ぶ。
安倍が出演の時は掛け声で盛り上げよう。これなら北海道警も喜ぶだらう。「政治屋」「お友達えこひいき屋」、これだと露骨過ぎる。
「モリカケ」「河桜」「藪黒」、これがいい。「河桜」なんて風流だ。「藪黒」は怪談話にぴったりだ。

四月五日(火)
東京新聞のホームページに
安倍晋三元首相、敵基地攻撃能力は「基地に限定せず、中枢攻撃も含むべき」 憲法9条への自衛隊明記も主張

と云ふ記事が載った。
自民党の安倍晋三元首相は3日、山口市内で講演し、防衛費に関し2023年度は当初予算で6兆円程度を確保するべきだと訴えた。(中略)政府が保有の是非を検討する敵基地攻撃能力に関し「(対象を)基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」と主張した。
安倍氏は2月27日のテレビ番組でも、日本が持つべき能力に関し「相手の軍事的中枢を狙う反撃力だ」と発言している。

発言内容より問題なのは、自分が首相だったときはやらなかったくせに、病気を理由に政権を放り出した途端、問題発言を繰り返す。仮病だったのかと云ふ問題よりも、国益を損ねるので困ったものだ。
別の見方をすると、首相のときはお友達えこひいきとその対策で忙しく、やってるふりに留まった。
やるふりで長く居座り放り出しあとは云ふだけ目立ちたいだけ


四月六日(水)
この件について、日刊ゲンダイのホームページに
安倍元首相が今度は「中枢攻撃」発言…派内から聞こえる「会長は何を焦っているのか」の声

が載った。
安倍派内では、安倍氏が最近、問題発言を繰り返していることに、「会長は何を焦っているのか」と疑問の声が出ているらしい。
「木曜の派閥会合では毎回延々と持論を展開し、勉強会や講演会になれば勇ましいことばかり口にする。あえてマスコミに取り上げられることを狙っているかのよう。一体、何を焦っているのか、焦り方が尋常じゃない、というわけです」(安倍派関係者)

焦る理由は二つ考へられる。
ひとつは「検察に対する牽制」。日大事件で背任罪で起訴された医療法人前理事長の裁判が進行中。前理事長は安倍氏と懇意だった。他にも安倍氏絡みの怪しい疑惑は山ほどある。そんなことから、「マスコミに出て自分がまだ権力を持っていることを検察にアピールしようとしているのでは」(前出の安倍派関係者)という。

そして
もうひとつは「健康問題」の再燃。(中略)政治評論家の野上忠興氏が言う。
「(前略)ちょっとしたことで不安になる。桜を見る会の問題でも国会で118回も嘘をついた。うしろめたい気持ちは当然あるでしょう。健康問題については、持病がある以上、常に“爆弾”を抱えているようなものです。その恐怖感を隠そうと、勇ましい発言で強い自分を見せている面もあるのではないでしょうか」

記事は結論として
身勝手な理由で近隣諸国を刺激し、国民を危険にさらすのはやめてもらいたい。


四月七日(木)
野次は、短く飛ばさないといけない。今から二十七年前、鶴見区に住んでゐたとき、建設中の地下を走る高速道路の排気塔が、家から400mのところに作られることになった。説明会に私も出席し、ときどき一言二言野次を飛ばした。もちろん平穏に説明会は進行した。
私を真似して野次を飛ばした人がゐて、この人の野次は長かった。すると主催者側から注意された。野次は短くなくてはいけない。
安倍がもし表れたら、北は北千住から南は南千住まで、あ、これだと狭い。北は北海道から南は沖縄まで、全国四方八方で野次を飛ばさう。
野次が下品だと思ふ人は、掛け声を発しよう。この時点で、野次と掛け声は既に同じ意味だ。掛け声で排除されることはない。北海道警のやり方に反対するのは、あのやり方だと、私でさへ排除されるかも知れない。(終)

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