千六百五十(和語の歌)(モリカケ桜疑獄二百十の三) 幽霊はどこに出るか
辛丑(2021)
十二月十五日(水)
岸田さんが、公邸に転居した。公邸には幽霊が出ると云ふ噂があるが、これは嘘である。地球は自転するし、公転もする。太陽自身も高速で移動してゐる。一秒後は、まったく位置が異なる。二二六事件のときの位置は、光の速さでも膨大な時間が掛かる距離だ。
それより、改ざんを強制された財務省職員の霊は静かに眠るとは云へ、それに同情した膨大な数の霊が、あの男の周りに渦巻いておるぞ。
麻生さんは、あの男との関係を冷却させつつある。膨大な数の霊もそのことが判り、専らあの男に集まる。

十二月十六日(木)
先の戦争に於ける敗戦責任は、一に首相兼陸相の東條、二に商工相の岸である。もし別の意見があるとすれば、同率二位で海相と外相を加へてもよい。岸は、単独か複数かの違ひはあっても、二位であることに変はりがない。
更に、戦争の途中から商工省は軍需省になり、東條が軍需大臣、岸は国務大臣兼軍需次官になった。弾薬不足、燃料不足で苦しみながら亡くなった戦争後半の犠牲者にとり、ここでも岸は二番目だ。
東條も岸も既にこの世にはゐない。幽霊は、それらを引き継いだ者のところに出るだらう。岸を尊敬するなんて発言した男だ。

十二月十七日(金)
「今さら大東亜戦争の犠牲者が幽霊として出るはずがない」と思ふ人は多いことだらう。しかし二二六事件は、大東亜戦争より前だ。二二六事件の幽霊が、噂ではあるが、出てくると云はれるのに、それより現代に近く、膨大な数の犠牲者がゐるのに、出ない筈がない。
霊にも、いろいろな性格がある。そのほとんどは転生したものの、まだその辺をうろつく霊もゐる。出る霊と出ない霊もゐる。膨大な数だから云へることだ。
さて、二二六事件は、場所が問題だから、遥か遠方だと指摘した。それに対し、財務省職員自殺と、敗戦責任は、人が問題だから、太陽や地球の動きは無関係だ。

十二月十八日(土)
日刊ゲンダイのホームページに
安倍元首相「台湾有事」発言どんどんエスカレート…政府は大困惑、自衛隊もジレンマ

が載った。
13日に出演したBS番組で「台湾で何か有事があれば『重要影響事態』になるのは間違いない。米艦に攻撃があれば、集団的自衛権の行使もできる『存立危機事態』となる可能性がある」と発言した一件だ。
「存立危機事態は、少なくとも『我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生』なので、日中共同声明などで『国』とみなされていない台湾は適用にはならず、米国が絡む必要がある。米軍の介入が前提で、そこから先は日本政府の判断になります」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)

そして
「自衛隊にとっても困った話だと思いますよ。(中略)実際に台湾有事となれば、米海兵隊基地が集中する沖縄が真っ先に中国軍の攻撃対象になる。日本を防衛することが任務の自衛隊が、台湾を守るための活動で、逆に日本国民を危険にさらすわけです。不本意で耐えられないでしょう」(半田滋氏)
「過去の人」になるのを恐れた存在感アピールはもう十分だ。それより、アベノマスクの落とし前をつけてくれ。

アベ友の藪本と、その友だち(アベ友々?)の日大理事、理事長が逮捕された。これだけで、安倍は目立たないやうにするのが普通だ。しかも理事長はモリカケ桜のうちカケのときに、日大にも四国に獣医学部を進出してくれと話があり辞退した、と当時マスコミに話した。
それらを誤魔化したいために、さかんに戦争の話をする。
戦にて 多くの人が 亡くなるも 八十(やそ)年を経て 大口叩く
アベ藪は 暗い夜道だ 出ると云ふ まだ浮かばれぬ 多くの御霊(みたま)


十二月十九日(日)
AERAのホームページに
安倍元首相が森友裁判、桜を見る会、アベノマスクなど岸田政権の対応にピリピリ「政局を仕掛けるかも」〈dot.〉

が載った。
学校法人「森友学園」をめぐる(中略)裁判が12月15日に突然、終結した。(中略)国が請求を全面的に受け入れる「認諾」で裁判を終結させると主張したため、裁判は森友問題の真相究明がされることなく、終わることになったのだ。

国民ほとんどが、寝耳に水の思ひだった。
また(中略)「アベノマスク」問題も国会でやり玉に上がった。今年3月末で8200万枚、金額にして115億円が倉庫で「不良在庫」となり、年間の保管代は6億円にも上ることがわかったのだ。

さて
次の衆院選で小選挙区の大きな区割り変更「10増10減」となる方向だ。安倍氏の地元、山口4区は林芳正外相の地盤、山口3区とほぼ一つになる「合区」のような形になる。
すでに2度、首相の座についた安倍氏か、岸田派重鎮で首相候補の林氏か、どちらが小選挙区を取るのか、(中略)「党内では安倍氏が後進に道を譲って比例に回るべきという意見が結構あります。次の首相を目指す、林氏は小選挙区から出馬するべきという声は強まっている。(以下略)」


十二月二十日(月)
また安倍がやらかした。日刊ゲンダイのホームページの
安倍元首相またまた妄言「日銀は国の子会社」…円の信認ガタ落ちで通貨危機に現実味

である。
首相在任中のアベノミクスと放漫財政を正当化するためなのか、赤字国債は国の借金ではなく「背負っているのは日本銀行」などと言い出した。

で始まる。
「日本は決してタイタニック号ではない。日本がタイタニック号だったら、タイタニック号が出す国債を買う人はいない。ちゃんと売れている」
「赤字国債のほとんどは市場を通じて日本銀行に買ってもらった。決して孫の代に(借金を)背負わせているわけではなく、借金を全部背負っているのは日本銀行だ」
「日本銀行は国の子会社。5割は政府が株を持っているから、連結決算上は債務ではないという考え方も成立する」
だから、政府がいくら赤字国債を発行しても問題ないというのである。さすがに日銀や財務省の職員は安倍元首相のノーテンキな発想に呆れている。


十二月二十一日(火)
「建前であっても、中央銀行の独立性を元首相が否定したら円の信認に関わる」(日銀関係者)
「財政法が禁じる直接買い入れを事実上、認めるようなもの。日銀を私物化したアベノミクスの本質が発言に表れている」(財務省関係者)
(中略)子会社に借金をツケ回して逃げるのは、バブル崩壊後に横行した「飛ばし」の手法である。山一証券はそれで倒産した。元首相の立場でこんな妄言を繰り返せば円の信認はガタ落ちで、それこそ通貨危機を招きかねない。

記事は続いて
このところ安倍元首相は「台湾有事は日本有事。すなわち日米同盟の有事」とあおったり、「米艦に攻撃があれば、集団的自衛権を行使できる『存立危機事態』になる」と前のめりになったり、口を開けば問題発言を連発だ。
「権力の中枢から遠ざけられている焦りで、存在感を高めるためにあれこれ物騒な発言をしているのだろうが、百害あって一利なし。国益のためには、少しおとなしくしていた方がいい」(自民党の閣僚経験者)
(中略)首相を辞めて1年半近く経ってもなお、安倍元首相の存在自体が国難になりつつある。
(終)

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