千三百九十七 上座仏教修道会参加記(仏道を信仰したい人にお勧め)
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
十二月十五日(日)
経典学習会が来週に延期された。20年ぶりに参加したいと思ってゐた上座仏教修道会と同じ日で参加できないはずだったが、急遽参加できることになった。その代はり来週は用事があり、経典学習会には参加できなくなった。
予め電話で上座仏教修道会に連絡し、当日は1時間前に初回者用の説明があり、これは参加しなくてもよいと云はれたが参加をした。私以外に二人の初回者があり、これだけ多いのはすごいことだ。
一人は熊本からわざわざ来られ、年末年始の合宿にも参加するさうだ。もう一人は若い女性で、二人の熱心なことに感心した。
先日和光でお会ひしたサンガ誌に翻訳をされる方と、別の男性と、経典学習会に来られる若い男性もゐる。男性が前、女性が後なので、女性陣にも顔見知りがゐたのかも知れない。男は10名程度、女が30名程度で、女性が熱心なのは在日ミャンマー人と同じだ。
代表のYさんともう一人出家姿の女性がゐて、もう一人は僧形の髪型だった。在日ミャンマー人女性でも還俗したあと僧形の髪型の人がゐるから熱心なことだ。
(1)ナモーブッダッサ、ナモーダンマッサ、ナモーサンガッサ
(2)オッカーサ(礼拝)を日本語で全員、比丘の言葉、「さうなりますやうに」と全員
(3)五戒要請をパーリ語
(4)礼拝文(ナモータッサ、バガワト・・・)を比丘サンガ1回、全員(受戒者)3回
(5)三帰依文(ブッダンサラナン・・・)を3回
(6)五戒受戒文をパーリ語
(7)ブッダの九徳、ダンマの六徳、サンガの九徳をパーリ語
(8)慈悲の瞑想を日本語
(9)メッタを送る11の言葉を日本語
(10)回向文を日本語
ここまでで午後三時。ヴィパッサナ瞑想を行ひニャーヌッタラサヤドーの説法と続いた。メモ(青)と配布されたプリント(橙色)によると
阿羅漢は5力がある。阿羅漢は洞察、4大と心、瞋りが無くなることを理解。4つの真理、苦集滅道の苦(苦を理解する)、滅(ターハを滅した)、道(阿羅漢の智慧によって)
阿羅漢はPattana-(祈願)だけではなれない、との解説があった。瞑想のみの人には、瞑想だけでは阿羅漢になれない、と解説するかも知れない。上座仏教修道会は、瞑想もするが五戒を受け説法も聴く。バランスが取れてゐることを物語る。
業(カルマ) Cetana-と云ふ意思。業(カルマ)の縁起 Phassaと云ふ接触。業(カルマ)の差別・区別 地獄・動物・餓鬼・人間・神々・天界
最後の1行で注目すべきは、普通使ふ「畜生」は今では悪い意味のため「動物」を用ゐたことと、神々と天界を分けたことだ。
業(カルマ)の異熟三種 今現在、次の生、さらに未来の生
異熟は結果と説明があった。ここで注目すべきは現在もある。現世利益は密教や僧Xだけではない。
業(カルマ)の滅に向う道 聖なる八正道八正道について、ヴィパサナで接触を滅することができる
Brahmacariya 梵行自分で観察して結果を出せる道を知ること
バナナの木の例。実(智慧)が熟せば木(身)は枯れる。喜びも悲しみもない捨の中立の心で。
私が前回一回行っただけだったのは、上座仏教修道会が真面目過ぎることだった。今回行って驚いたのは更に真面目になった。超真面目と言ってもよい。
しかし上座仏教を信仰したい人には最適の団体だ。儀式、瞑想、指導会が調和してゐる。初回者に配られたパンフレットに、参加できるのは
月2回の説法会で学んだ仏教を自分の生活の中で1番にできる方。
(自分の都合でときどき参加するという方はお断り)
なお、次のような方々は、当会の目的と合わないため、お互いのためにも参加をご遠慮いただいておりますのでご了承ください。各々ご自分に合った道をお進みいただくのがよいと思います。
・「仏教の勉強がしたい」「ヴィパッサナー瞑想がしたい」「長老にお会いしてみたい」という方(興味本位の勉強がしたい方やめいそうの技術を学びたい方は修道が目的とはいえないため)
・既に他に師がいらっしゃる方(他の先生・団体に通っておられる方)
・知識だけが目的の方
「ときどき参加するという方はお断り」とは書いてあるものの、参加者数は少ないときは20名、多いときは50名。それぞれ都合があるので、毎回参加できないのは仕方がない。上座の仏道を信仰したい人に最適の組織だ。
帰りは和光のお寺でお会ひした方と、途中まで一緒だった。名前で検索すると医学書の翻訳があるので、同姓同名の人だらうと思ってゐたが、何とご本人で、病床が数百と云ふ大病院の副院長だった。(終)
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