千三百八十七(モリカケ疑獄百八十九の五) 続、安倍不公平怠惰政権
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
十二月五日(木)
共同通信の電子版に
石炭重視の日本に「化石賞」 COP25で環境団体

と云ふ記事が載った。
【マドリード共同】世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」は3日、地球温暖化対策に後ろ向きな姿勢を示した国に贈る「化石賞」に日本など3カ国を選んだと発表した。日本は、梶山弘志経済産業相が同日の閣議後記者会見で、二酸化炭素(CO2)の排出が特に多く、温暖化を悪化させる石炭火力発電の利用を続ける政府方針を改めて示したのが理由。(中略)日本の方針は「パリ協定を軽視し、人々を危険にさらすものだ」と厳しく批判した。

これ以外にも「化石賞」に該当する事項がある。おそらく地球を滅ぼすことになるであらうトランプについて、安倍は何とノーベル平和賞に推薦した。

十二月六日(金)
地方紙と共同通信の「よんななニュース」と云ふサイトがある。ここに
桜を見る会、安倍政権のごまかし見破る六つの注意点

と云ふ記事が載った。それによると
森友問題、加計問題、統計不正等々、首相官邸の不適切な関与が疑われるさまざまな問題がこれまでにあったが、どれも官邸が関与したとの決定的な証拠がなく、官僚が勝手に忖度したかのように処理されてきた。
けれども、前夜祭の夕食会は安倍晋三後援会が主催したものだというし、「桜を見る会」の主催者は首相だ。

まづは
■注意すべきポイント①【等】
官僚の文書では「等」に注意せよ、と言われる。今回も「等」が大活躍した。「桜を見る会」の開催要領では、招待範囲として皇族や各国大使、衆参両院議長、閣僚、国会議員、都道府県知事などのほか、「その他各界の代表者等」とあるのだが、安倍事務所が募集した後援会関係者などは、その「等」に大勢、含まれていた。

これは文章を作った官僚が悪い。「等」とは、それに準じる者のことだ。「代表者等」とあったら副代表者、前代表者あたりは含まれる。
おそらく昔は「等」がきちんと機能したはずだ。いつから、誰の時から機能しなくなったかを調べると、面白い結果が出てくることだらう。

十二月七日(土)
■注意すべきポイント②【のべつ幕なし呼べる仕組みになっておりません】
 萩生田光一文部科学相は14年4月18日のブログに、「今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様をご夫婦でお招きしました」と記していたことを今年11月8日の田村議員の質疑で問われ、/「自分の知り合いの方を、のべつ幕なし呼べるという仕組みに、なっておりません」/と答弁した。
しかし田村議員は、知り合いを「のべつ幕なし」呼べたかどうかを問うていたのではない。何らかの功績・功労によって推薦されたのかと問うたわけだ。(中略)論点をずらして答えた。「朝ごはんは食べたのか」と問われ、「ご飯(白米)は食べておりません(パンは食べたが、黙っておきます)」と答える論点ずらしの「ご飯論法」と同じだ。こういう言い方をするときには、何かごまかしておきたい不都合な事情があるのだなと注意が必要だ。

「常任幹事会の皆様」は、萩生田の当選には役立っても、社会への功績・功労があった訳ではない。

十二月八日(日)
■注意すべきポイント③【取りまとめ等には関与していない】
11月8日の田村議員の質疑に、安倍首相は、/「私は、主催者としてのあいさつや招待者の接遇は行うのでありますが、招待者の取りまとめ等には関与していないわけであります」

これについては
この「取りまとめ」という表現が要注意だ。招待者の人選には関与していないように聞こえるが、推薦や口添えなど、広い意味での人選に関わる行為の全体ではなく、その中で「取りまとめ」という限定した行為だけが言及されている。
似たようなごまかし方に、「指示はしていない」がある。首相が「指示」していなくても、ある行為を行うようにと強く匂わせ、人を介して意向を伝え、官僚に忖度させることはできる。

予め質問を通告することも善し悪しだ。資料を調べないと判らないことは、通告が必要だ。しかし安倍みたいに、口先で誤魔化す準備をされてしまふ。このことを運営理事会ではなく、委員会なり本会議でぶつけるとよい。

十二月九日(月)
■注意すべきポイント④【個人情報を含んだ膨大な量の文書、遅滞なく廃棄】
「桜を見る会」の招待者名簿は、電子データも含め、廃棄したとされている。(中略)その後に判明したところによると、名簿がシュレッダーにかけられたとされるのは、5月9日午後。その日に共産党の宮本徹衆院議員が「桜を見る会」に関して資料請求を行った直後のことだった。(中略)11月21日の参院内閣委員会で田村議員が指摘しているように、少なくとも翌年の「桜を見る会」の招待者を決めるまで名簿を保存していなければ、行事を円滑に継続することは不可能だ。不都合な事実が表に出るのを防ぐために、首相枠や長官枠、議員枠など政治関係の推薦名簿だけが、ないものとされている疑いが強い。

文書の改ざんと財務省職員の自殺、学園事務局長が嘘をついたことになった、文書の請求直後の廃棄。根底に同じ種類の疑惑がある。

十二月十日(火)
■注意すべきポイント⑤【復元できないと聞いている】
(前略)11月28日の記者会見で官房長官は電子データを復元する考えはないのかと問われ、
「削減したデータについては復元をすることはできないと聞いている」
(中略)この会見を受けて共同通信はデジタル向けニュースで「招待者名簿のデータは復元できないと菅氏」と速報。そののち見出しを「菅氏『復元できないと聞いている』」とする記事を配信した。
「復元できない」と「復元できないと聞いている」では、意味は違う。(中略)ここは正確に報じなければ、政府のごまかしに報道が加担することになる。
毎日新聞は(中略)「なぜ『データの復元できない』? 菅氏、会見で終始あいまいな回答 桜を見る会一問一答」と見出しを付けた。政府のごまかしには加担しないぞ、という姿勢がこの記事からはうかがえる。

報道機関は親自民も反自民も、米ソ冷戦の終結の後は劣化が進んだ。そもそも親自民と反自民に分かれること自体が劣化だが、米ソ冷戦時代の名残りでこれは大目に見たい。モリカケ問題と桜を見る会こそ、マスコミ再生のよい機会だ。

十二月十一日(水)
■注意すべきポイント⑥【国会から求められれば】
(前略)11月15日昼に首相官邸で総理番の記者に国会での説明の意思を問われた首相は、
「国会については、国会がお決めになることですが、政府としては、国会から求められれば、出て行って説明するのは、当然のことでございます」
と答えた。(中略)与党は国会審議の求めに応じないことを見越した発言なのだ。さらに、「私としては」ではなく「政府としては」と発言しているところにも、首相の逃げの姿勢が感じられる。
(中略)決定的な物証が出てこなくても、これだけごまかしが横行しているという事実そのものが、首相や関係閣僚らが説明責任を果たしていない、果たそうとしていないことを明白に表している。

モリカケが明るみに出てから、安倍とその周辺は突然、ごまかしが横行するやうになった。もはや退陣の時期だ。(終)

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