千三百四十五(モリカケ疑獄百八十五の二) 安倍の怠慢
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
八月十二日(月)
前にも指摘したが、自民党は戦後のほとんどを与党として過ごしたから、歴代内閣の怠慢は現総裁の安倍の責任だ。食糧自給率を見よう。昨年は93年と並び、過去最低を記録した。
これについて農水省やマスコミは、例えばJIJI.COMによると
農林水産省は6日、2018年度の食料自給率(カロリーベース)が前年度比1ポイント低下の37%だったと発表した。コメが記録的な不作だった1993年度と並び過去最低。天候不順により、小麦や大豆の生産量が減少したことが響いた。
これは事実ではあるが、更に深い分析が必要だ。過去の食糧自給率をグラフにすると、よく判る。93年は一時的に低下したが翌年は回復し、このころは安定期だった。そして98年以降、少しづつ低下してゐる。この流れを止めなかったのは歴代内閣の責任だ。そもそも
政府は食料を安定的に確保するため、25年度にカロリーベースで45%とする目標を掲げているが、達成は難しくなっている。
グラフを長期で眺めてみよう。76年に、それまで続いた急落が停止し、85年までは安定した。86年から98年まで急落を再開したが、これはプラザ合意の影響で、中曽根の悪政が原因だ。
中曽根は風見鶏と呼ばれ、力の強いほうになびいた。だから保守派と云はれながら、やったことは単なる拝米だった。小林よしのりさんと西部さんの「ポチ発言」の根源は、実に中曽根だった。
そして安倍が、中曽根と同じことをやってゐる。しかし中曽根は、お友だち依怙贔屓がない分、安倍よりましだ。
八月十三日(火)
森友文書改ざんを強要され自殺した職員が、公務災害と認定された。共同通信のホームページによると
森友改ざん、職員自殺は「労災」 財務局認定、過重公務と因果関係
と題し
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、決裁文書改ざんを強要されたとのメモを残して昨年3月に自殺した近畿財務局の男性職員=当時(54)=について、近畿財務局が公務員の労災に当たる「公務災害」と認定していたことが7日、政府関係者への取材で分かった。
記事は更に
財務省は調査報告書で、文書改ざんは当時理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官(61)が方向付け、本省が財務局に指示したと明記していた。
財務相麻生の責任は重大だ。そして安倍の責任も重大だ。森友問題は、安倍が原因なのだから。
八月十四日(水)
東京新聞に
<つなぐ 戦後74年>戦争末期に似る「政治の貧困」 元自民党幹事長・古賀誠に聞く
と云ふ記事が載った。
戦争を検証する時、やはり『政治の貧困』というものは常に心に留めておく必要がある。先の四年間の戦争で三百万人が犠牲になったが、大半が最後の一年間で亡くなった。一九四四年六月、マリアナ沖海戦で日本軍は壊滅的に敗れた。グアム島などは飛行機で本土への直接爆撃が可能な絶対国防圏だった。その後の一年で最大の犠牲を出した。私の父もだ。まさに政治の貧困。あそこでやめていれば原爆も東京大空襲も沖縄戦もない。
同感だ。「現実の政治を見ると、安倍一強の下で多様な意見が交わされにくくなっていないか。」と云ふ質問に対し
戦争末期と同じような政治の貧困だ。貧困とは議論がないこと。ある人が言ったことに全部賛成し、何も批判しない。いつか来た道に帰って行くような恐ろしさを常に持っている。権力は隠す物。振り回してはいけない。
これも同感だ。
八月十五日(木)
Literaに
室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア
と題する記事が載ったので、紹介したい。映画「新聞記者」について
室井 知り合いの映画関係者も言ってた。政権を批判した社会派作品がここまで健闘するのは異例だって。でも、テレビとかあんまり取り上げてくれなかったんでしょ。プロモーションを拒否されたってリテラでも書いてあった。公開直後には公式サイトがサーバー攻撃にあったり。やっぱり、真っ向から安倍政権批判をして、官邸から睨まれている望月さんの原作だから、テレビとか完全に腰が引けたんだろうね。
望月 今回の映画宣伝はテレビではすごく難しかったと宣伝部の人も言ってました。
望月さんが参院選に立候補するのではないかと、根も葉もない噂を流され、それを口実にテレビが取りあげないことすらあったさうだ。次に
望月 政権幹部とマスコミ幹部との会食がこれほど繰り返されるという状況は異常です。それだけでなく「桜を見る会」には芸能人をどんどん呼んで、メディア幹部だけでなく情報番組司会者、コメンテーターなど影響力のある人たちにも手を伸ばしはじめています。安倍政権になってからメディアの取り込みが露骨になっています。ただ、こうした会食への批判が大きくなったことも影響してか、一部テレビ局のトップが安倍首相との会食は断っていると聞きました。でも、その代わり菅官房長官と会食をしているそうです(苦笑)。
日本のマスコミがなぜ駄目なのかについて
室井 (前略)男の人って、“記者”としてではなく、会社の“役職”がつくことにこだわりがちだけど、望月さんはそうじゃない。
ここが重要だ。有休休暇の取得率が低いのも、サービス残業が出て来るのも、出世競争が原因だ。記者クラブについて
室井 (前略)記者クラブで足を引っ張られてるって聞いてる。質問する望月さんの悪口言う記者までいるっていうじゃない。昨年も、辺野古の赤土について質問したら菅さんが逆上して、望月さんの質問を制限しようとしたんでしょ。しかも、そんなひどいことに対して、一部の記者が「望月さんが質問をすればするほどクラブの知る権利が阻害される」なんていうコメントを共同通信にしてさ。その上、菅さんの主張はフェイクだったじゃない。
望月 そうなんです。日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本ジャーナリスト会議から抗議声明も出て、東京新聞でも社説や特集記事を掲載し、官邸前でのデモなどもあったのですが、でも記者クラブに関しては室井さんの言う通りかもしれません。実際、ある大手紙記者が「なんだよあいつ、いつまで来させるんだよ」と私についてあからさまに批判していたとも聞きました。それと最近、新聞労連の新聞研究部が、ここ2年以内で官邸にいた記者を対象に官邸会見について匿名アンケートをとり、幹事業務を担う19社、33人が回答を寄せたようですが、そのなかに私の批判もあった(笑)。「パフォーマンス」「自己アピールだ」だとか「質問が長い」とか。同時に、なかには「内部で官邸と繫がっている社がある限り、記者クラブとして身動きが取れない。苦しい」というような生々しい声もありました。彼らはわかっているけど、ジレンマに陥っている。(終)
前、(モリカケ疑獄百八十五の一)へ
次、(モリカケ疑獄百八十五の三)へ
メニューへ戻る
前へ
次へ