千三百十四 欧州の緑の党に見る左右の合同
己亥、西暦2019、ヒジュラ歴1440/41年、紀元2679年、仏歴2562/63年
六月五日(水)
アメリカCNNのメールマガジンに
Fareed's Global Briefing
ファリードの世界短観
と云ふシリーズがある。ここに
What’s Behind the Rise of the Greens?
緑の党の進展の背後には?
と云ふ記事が載ったので紹介したい。ヨーロッパ各国に於いて
Green parties surged in Europe’s elections, in parallel to their far-right counterparts,
緑の党がヨーロッパの選挙に、対極の極右とともに、大波のやうに押し寄せた。
(中略)
their success has been accompanied by a collapse of the traditional left.
これらの成功物語は従来の左派が崩壊したことで起きた。
一方で
Labor and socialist parties still seek to represent the working class,
労働党や社会主義政党は、労働者層を代表する道をまだ探している。
(中略)
but that voting bloc has turned toward the nationalist right,
しかし、この投票者層は国家主義である右派に転じた。
(中略)
the Greens, meanwhile, offer environmentalism without social justice or class grievances as part of their platforms.
一方で緑の党は環境保護を掲げ、それは労働者層の主張である社会公正や階層間の不平を含まない。
(中略)
the Greens, in part, as a comfortable option for the young people and urbanites
緑の党は若い人や都市住民にとりある意味では快適だ
(中略)
as the problem of climate change is obvious, and dealing with it does not involve remaking the social class system.
気候変化問題は明白で、社会階層構造の変更を伴はない。
(中略)
in the Greens’ rise, the left moving further left,
緑の党は伸び、一方で左派は更に左に行った。
(中略)
the Greens are “not an alternative left at all,” which may be the secret to their success.
緑の党は左の代替ではないのが、成功の秘訣だ。

六月八日(土)
今や地球滅亡が目前に迫った。それに比べれば左右なんて小さな話だ。ましてや本来の左派層が民族派を支持し、若い人や都市型住民がみどりの党を応援するのだから、両方のよいところを合はせるのが、一番良い。国民のためにも、地球のためにも。

六月九日(日)
私はファリードさんの主張に、すべて賛成と云ふ訳ではない。前回紹介した翌日の記事でファリードさんはアメリカのジャーナリストの言葉を紹介し
Russia, ultimately, will benefit. As Europe seeks to reduce carbon emissions by weaning itself off coal, the continent will inevitably turn toward cleaner natural gas from Russia
ロシアが最後は利益を得る。ヨーロッパが石炭から離れることで二酸化炭素を減らさうとするから、必然的にロシアからのよりきれいな天然ガスに向ふ

私はこの考へには反対だ。石炭は二酸化炭素の排出が極めて多く、天然ガスは石油より少ない。もし天然ガスを消費すると石炭や石油が地下で天然ガスに変化するなら、天然ガスを使ったほうがよい。しかし総量は決まってゐる。二酸化炭素を貯蔵する方法を見つければ別だが、これとても環境破壊を伴ふ。総量が決まってゐる以上、何を先に消費しても地球温暖化を一時的に遅らせる効果しかない。
西洋野蛮人の考へることには、限界がある。ましてや西洋野蛮人が癌細胞化したアメリカ人は、国内が定常化してゐないから、地球のことを考へない。今こそAAA諸国が一致し、西洋野蛮人の地球破壊行為を停止させるべきだ。(終)

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