千二百九十 我が家で起きた三つの野生動物事件
平成三十一己亥年
四月六日(土)第一次ネズミ事件
我が家では最近、ハクビシン事件が発生した。横浜時代に第一次ネズミ事件、第二次ネズミ事件が発生したので、これで野生動物は三つ目だ。ハクビシンとネズミは人間の住居に寄生するから、純粋な野生動物ではない。しかし飼はないのに棲み付くから、やっぱり野生動物だ。
第一次ネズミ事件は、木造一軒家の配電盤の中で発生した。或る時、配電盤から橙色の液体が垂れた。中を調べるとネズミが死んでゐる。上の子は獣医学部を受験することが決まってゐたので、私が冗談で「獣医学部に行く人に取ってもらはうかな」と言ひながら、実際は私が取ってゴミ箱に捨てた。中を拭いたが、翌日に再度拭いた。
上の子が云ふには、一匹見つかったと云ふことは、家を乗っ取られたさうだ。ネズミ算で増えるから、これは一理ある。しかしネズミが天井裏を走り廻る音はその後もしなかったから、或いは最初に入った一匹が配電盤で感電死したのだらう。
ネズミの体内を高電流が流れればブレーカーが止まる。不完全に電流が流れると火災の危険がある。あのときは危なかった。
四月十三日(土)第二次ネズミ事件
第二次ネズミ事件は平成二十七年に起きた。うちの子が獣医学部に入学した後の話だ。経緯は盆の入り、子猫が二匹、仮棲まひに詳しいが、家の近くにあったネズミの死骸を解剖用に持ってきた。それが行方不明になった。
ネコの動きが活発過ぎるので、何回か異常かも知れないと感じたが、妻は平常だと云ふ。私も異常かどうか判断できなかった。その後は平常に戻った。ネコはネズミより体重が重いから、ネコにとっては致死量ではなかったのだと思ふ。
四月十八日(木)ハクビシン事件
押し入れに天井裏への抜け口がある。1枚だけ板が固定してない。ここをずらせば上に上がれる。因みに天井裏では梁にしか乗ってはいけない。
その抜け口の板が開かないことに気づいた。上に重量物が載り、ばらばらと土と枯れ草が落ちてくる。ハクビシンが巣を作ったらしい。妻が、ハクビシンを捕まへると十万円で売れるぞ(根拠不明?)、と言ってゐたが無理なので巣を撤去することにした。
翌日、妻と交代で天井裏に手を突っ込み、枯れ草を除去した。合計七袋(写真へ、袋はごみ袋だからかなりの量だ。はしごの一段と大きさを比較すると判る)になった。首を天井裏に出して残留物がないか確認した。
インターネットでハクビシンが嫌ひな臭ひを発散する薬を買った。数日で到着したので5mm程度の粒子状だった。物干し、外壁、屋根の下、天井裏に置いた。
暫くハクビシンは来なかったが、ある雨の日に天井裏に現れた。下から天井を突くとハクビシンは巣のあった辺りをうろつき、天井の反対側に行った。20分ほどでゐなくなった。
今度、天井裏に上がり、穴を塞ぐ予定だ。我が家の天井裏には一度上がったことがある。天井裏自体は、家電販売店でアルバイトをしたときに、何回も上がったことがある。しかし四十年ぶりだ。
四月二十一日(日)ハクビシンの通路をふさぐことはできなかった
本日は、天井裏に上がりハクビシンの穴を塞ぐ予定だった。ところが屋根裏が先に行くほど低くなり、人間が入ることはできない。しかも家の外から見て穴があると思った位置は、外からの光がそれほど入る訳ではない。入るとすれば別の場所だ。ハクビシン除けの薬を1箇所増やしただけで、作業は終了した。(終)
メニューへ戻る
前へ
次へ