千二百八十七 NECとマイクロソフト、悪いのはどちらか
平成三十一己亥年
三月二十九日(金)
私が自宅で使ふパソコンはNECのVersaProだ。買って十一ヶ月で「=-ほ」のキーが入力できなくなった。保証書を探したが見つからない。あと一か月で保証期間が終るが、慌てるでもなく、外付けキーボードを購入し、それから一年十一ヶ月が過ぎた。
先週にOSの更新プログラムが自動インストールされた。その直後から、「=-ほ」が勝手に入力されるやうになった。対策はすぐに見つかった。内臓キーボードの「Enter」キーを押すと、勝手な入力は止まる。そのあと入力されてしまった「------------------」や「ほほほほほほほほ」を削除することで、ホームページを作り続けてきた。
昨日、症状が悪化した。内臓キーボードの「Enter」キーを押しても、数秒すると再び勝手な入力が始まる。そこで、キーボードのドライバを削除した。結果は変らなかった。次に更新プログラムをアンインストールしてみた。これは効果があり、勝手な入力がほとんど止まった。

三月三十日(土)
その後、再び現象が始まった。調べると、削除した更新プログラムより、更に日付の新しいものが自動でインスールされ、リブート待ちだ。リブートしなくても、更新プログラムは影響するみたいだ。
これの削除は大変だ。削除しリブートすると、いつの間にかまた更新プログラムを読み込み、リブート指示が出る。リブート後にまた削除してリブートなど繰り返すうちに、Windows Updateを三十日ほど停止する機能を発見した。しかし期限が来た場合は、最新をインストールしないと延長はできないから、恒久ではない。
初めての試みで内臓キーボードのドライバのみを削除した。内臓キーボードのどのキーを押しても反応しない。これが効いて、十時間ほど現象が起きない。今まではキーボードのドライバを内蔵、外付けともに削除したため、コンピュータが勝手に周辺機器をスキャンしてドライバをインストールしてしまった。

三月三十一日(日)
内臓キーボードが働かなければ、「------------------」や「ほほほほほほほほ」が勝手に入ることはない。ここでWindows Updateの自動取り込みを有効にした。ところが内臓キーボードのドライバをいっしょに組み込んでしまった。デバイスマネージャーで削除ののち「再起動してください」の表示が出る。再起動すると、また取り込まれてゐる。無線LANを無効にするなど条件を変へて何回か削除、再起動を繰り返し、ことごとく失敗した。そこで、再起動せずに使用する方法を思ひついた。
デバイスマネージャーで見ると、内臓キーボードのドライバは無い。にんまりしながら使ひ続けると、何とあの「------------------」や「ほほほほほほほほ」がまた発生してしまった。
そこで今度は内臓キーボードドライバが使用するC:\Program Files\NECMFKのファイルをデスクトップのフォルダに移動させた。それで使用してゐると、やはり発生する。OSがこれらファイルを既に取り込んだのだらう。そこで無線LANを無効にして再起動を掛けた。
ところが内臓キーボードのドライバとして、今までのNEC製ではなくて、マイクロソフト製を取り込んでゐる。ドライバを削除してしようしてゐると、やはり発生する。そこでマイクロソフト製のドライバが使用するC:\Windows\System32\driversの3つのファイル名を変更しようとすると、1つはうまく行った。2つはTrustedInstallerの権限がないと削除できないとエラーになる。
パソコンの管理者は、他のユーザのファイルなど個人データを除くすべてのファイルに権限がなくてはいけない。それができないなら、コンピュータとは云へない。単なる電気製品である。

四月六日(土)
その後、内臓キーボードを無効にすることは二度とできなかった。なぜあのとき無効に出来たのか不思議だ。その後、何とかパソコンを使へる状態が続いた。それはメモ帳を開いて置く。普段は別の操作をするものの、症状が発生したらすぐ切り替へる。
例えばGoogle Chromeでインターネットを閲覧中に起きるとURL欄に「ほほほほほほほほ」が続々と入る。すぐメモ帳に切り替へると「------------------」が続々と入るので、内臓キーボードの「Enter」を押すと症状が止まる。外付けキーボードの「Enter」だと症状が止まらないからだ。次にGoogle Chromeに戻り「Ctrl+A」を押すと、勝手に入力された文字がすべて選択される。ここで「Delete」を押して消去する。
ホームページ作成中に発生したときは「Ctrl+A」が使へない。「Shift」を押しながら「上矢印」を二回乃至三回と「右矢印」または「左矢印」を数回押し、「ほ」を全部選んだ状態で「Delete」を押す。
この症状は、30分に1回くらい発生する。だからこの操作でパソコンは充分に使ひこなせる。先週、数秒に一回発生することがあった。このときは画面左下のスタートボタンを押しても、キーが入力され続ける状態だからシャットダウンやログオフができない。このときは「Ctrl」「Alt」「Delete」ボタンを同時に押してタスクマネージャーを出し、ここからシャットダウンした。再起動すると症状が一旦は収まる。その間にドライバを外したり、自動更新を止めるなどパソコンの操作をした。

四月九日(火)
ここ数日、パソコンを使ってゐると数時間に一回くらい現象が発生する。その対策としてメモ帳を一つ開いておく。ホームページを作るのもメモ帳だが、それとは別のタスクだ。現象が発生したら、退避用のメモ帳に移るとともに、対策を取る。これで数時間は使へた。
ところが本日は朝から、現象が一時間に五回くらい発生した。かつてのやうに数秒で発生する訳ではないから、パソコンが使用できない訳ではない。このパソコンは買ってから二年十ヶ月だ。最低でも四年、できれば五年で使ひ切りとしたい。あと一年二ヶ月、できれば二年二ヶ月だ。

四月十一日(木)
本日は現象がしょっちゅう起きるため、更新プログラムのうち三月初めに取り込んだものをアンインストールした。ところが、内臓キーボードと外付けキーボードの両方が使へなくなった。マウスだけは使用できる。デバイスマネージャーで外付けキーボードを見ると、ドライバがエラーになってゐる。そこで一旦削除し、インストールしようとすると既にインストールされてゐますのメッセージが出る。しかしエラーは起きたままだ。外付けキーボードを外したり、外してアンインストールしたり、といろいろ試みたが駄目だった。
内臓キーボードのドライバで退避したものを元のフォルダに戻しいろいろ試すうちに、ファイルの削除のチェック欄が現れた。ここにチェックを入れてアンインスト―ルし、その後インストールしたところ、内臓外付けともに使へるやうになった。ついでに今までの更新プログラムを検索まで行ったところ大変なことになった。最短では数秒で症状が起きる。まだ再起動してゐないから、更新プログラムは有効ではないはずなのに。

四月十二日(金)
本日も現象が多発し、その度にメモ帳への退避が頻発した。昨日は新しい方法を始めた。編集したいメモ帳と退避用メモ帳のうち、退避用メモ帳で追加文章を作成する。もし現象が起きてもそこから後ろを削除するから楽だ。終ったら切り取り、編集したいメモ帳に貼り付ける。

四月十三日(土)
こんな状態で一年二カ月や二年二か月使ふのは困難だ。だから本日は新しいことを行った。内臓キーボードを外し、ケーブルを抜いて、内臓キーボードは元の位置に納めた。これは調子がよい。現象がまったく起きなくなった。
内臓キーボードを元の位置に戻すのは、過熱対策だ。内臓キーボードは使用しない。だからといって外したままだと、ノートPCの内部で風の流れが変はり、おそらくCPUが過熱する。
私は、事業所が統合される前までは、部品の取り外しや交換を仕事としてやってきたから、会社内でも一番の専門家だ。と云っても、取り外しの方法はインターネットで検索すればすぐ判る。私の前任者の時代はデスクトップPCがほとんどだった。私も最初はデスクトップだったが、最後はほとんどノートPCだった。

四月二十日(土)
今回の事件で、一番悪いのはNECだ。せっかく国産品を愛用したのに壊れた。尤も29000円くらいで一番安いから買ったのだが。
マイクロソフトのWindowsもよくない。ドライバソフトウェアのインストール、アンインストールは自由にできなくてはOSとは云へない。インターネットで調べると、レジストリを書き換へれば内臓キーボードを無効にできるらしい。
しかしそのやうなことは隠し機能ではなく、公表しなくてはいけないし、そもそもレジストリはユーザインタフェースとは云へない。config.sys、autoexec.bat、win.iniなどのファイルをユーザが自由に変更するのが一番良い。
レジストリになってからも、最初のうちは中身をすべてテキストファイルに落とせたので、テキストファイルの中を検索し、たぶんこれだらうと云ふものを勝手に削除したり改変し、テキストファイルをレジストリに取りこむ機能もあったので戻した。マイクロソフトもその後、私みたいなことをする人がゐるといけないので、すべてをダウンロードする機能を廃止した。
先ほども書いたがその前の、レジストリが出現した時点でWindowsはもはやOSではなくなった。別の問題としてdebugコマンドが廃止された時点でもOSではなくなった。edlinコマンドが無くなった時点でもOSではなくなった(かな?メモ帳があるからそれを使へと云はれればそのとほりだし、edlinはラインエディタで使ひ勝手が悪いから廃止されて当然と云へば当然だが、ちょっとファイルを変へたいとき便利だった)。(終)

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