千二百四十五(モリカケ疑獄百七十四) 技能実習生の死亡に安倍は笑顔、学生時代から変はらない安倍の頭の中
平成三十戊戌
十二月十九日(水)
カルロス・ゴーンに劣るとも勝らない(昔、漫才のネタにあった)公私混同の安倍が、人の死に笑顔で答へた。ハーバービジネスオンラインによると
入管法強行採決前日、技能実習生の死亡について、安倍首相は「知らない」と笑顔で言った

と題する犬飼淳さんの記事で
「あのー、今ですねー、なぜ山下大臣がお答えをしたかと言うことについて言えば、その・・、(以下略)」
この際、すぐに野党議員たちも質問に答えるように一斉に抗議の声をあげて議場は騒然となる。しかし、総理はこの抗議の声を逆手にとって、典型的な不誠実答弁を披露する。
「すいません委員長、ちょっと、外がですね、うるさくて、あの・・、(中略)委員外の方が大きな声で野次を飛ばすという、そういう事はなるべくやめて頂きたいなぁと思うわけで、えー、ございます。」
2段落目は厚顔無恥話法(ご飯論法同様、上西充子教授が考案)そのものである。自分に非があるのに相手に責任転嫁するような発言を行い、そこだけ切り取った映像がテレビで流されることで相手の印象を悪くする。言ったもの勝ちの印象操作である。

このあと、問題の場面となる。
「ま、これは、あのー、法務省においてですね、もしそれが、えー、異常な数値であれば当然それはどうしてそうなったかということは、あの、えー、(以下略)」
(前略)死亡者の人数のことを「数値」と表現しており、事態の重さを理解できていないのか、もしくは人が死んだこと、外国人の技能実習生が死んだことなど「数字」としてしか考えていないのではないかと不安になる。


十二月二十日(木)
次はプレジデントオンラインの
学生時代から変わらない安倍首相の頭の中

と題する慶應大学教授片山杜秀さんと元外務省で作家佐藤優さんの対談だ。
【佐藤】(前略)彼の20歳前後は、成蹊大学でお友達に囲まれながら、恵まれた学生生活を送っていた。だから安倍が50歳を超えて変わるということはない。人間としては、第一次政権時から何も変わっていないんですよ。

だからと云って、人数調整機能のある学科定員を特区で増やしてお友達に贈呈したり、税金を補助金で贈呈したり、正しいことを主張した前事務次官の個人情報を流したりしてよいはずがない。
【片山】(前略)彼の発言に哲学やイデオロギーは感じられない。部分部分には思想も歴史観もあるのですが、そして支持する人も反対する人もその部分部分に反応して、すばらしいとかけしからんとか言い合うのですが、全体を見ると辻褄が合わないことばかりで。(中略)経済でもケインズ主義なのかハイエク主義なのかマネタリズムなのか、やはり混在しているし、文化的にも都合次第で開国的だったり鎖国的だったりする。/憲法改正でも何を変えたいのか、こだわりに乏しいし、(中略)アベノミクスの三本の矢にしても、結局どれがどうなっているのか、評価が定まらないうちに、「一億総活躍」とか次の話をはじめるでしょう。/経済成長に行き詰まった今の先進資本主義国家に特効薬となる経済政策なんてないんですから、三本の矢という話自体がどこまで本気だったのか(以下略)

その結果として
【片山】「デフレからの脱却」「富の拡大」を声高に繰り返し続けるアベノミクスがまさにそう。トリクルダウンがないという結果は出ていると思うのですが、いまだに撤回しない。しかも安倍を含めた閣僚の誰もが後始末のことを考えていない。それなのにまともな抵抗勢力もない。本当にひどい話です。

安倍の思想について
【片山】安倍政権を保守、右と解釈するから実態が見えてこないんでしょうね。安倍政権には理論も筋もない。やはりここに尽きるでしょう。だって、日本会議の支援を受けて、公明党と連立を組むなんてありえません。(中略)日本会議の納得すること、公明党の納得することの両方を適度に実行する。矛盾は矛盾として赤裸々になっても気にしないで放置するので、そんなものかと思ってしまっているうちに、また違うことを言い出すので、びっくりして、前の矛盾を忘れてしまう。(以下略)


十二月二十一日(金)
次は日刊スポーツに載った自由党参院議員山本太郎さんの名言だ。自民党に対し
「官邸の下請け、経団連の下請け、竹中平蔵の下請け、この国に生きる人々を低賃金競争に巻き込むのか。世界中の低賃金競争に恥を知れ、2度と保守と名乗るな、保身と名乗れ、保身だ」

自民党を保守と呼ぶのは、米ソ冷戦構造で社会主義を目指す社会、共産、民社、公明(戸田城聖は新社会主義、公明党は人間性社会主義と呼んだ)を革新とするのに対して、社会主義への保守であった。革新が消滅した今となっては、自民党は保守ではない。保身だ。(終)

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