千百五十一(その百三十一) 安倍と加計学園理事長の記憶力は大丈夫か
平成三十戊戌
六月二十六日(火)
President Onlineに、ジャーナリスト沙鴎一歩さんの執筆した
安倍首相と加計理事長の記憶力は大丈夫か
と題する記事が載ったので紹介したい。
加計学園は愛媛県に対し、“虚偽情報”を伝えた事務局長を減給10%(6カ月)の処分とした。加計氏自身は自主的に給与の10%を1年間返納し、理事長の職は続ける。
この処分はあの改竄問題で揺れた財務省の処分にどこか似ている。
財務省は改竄を指示したとされる財務省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官ら関係する幹部を減給などの処分としたほか、トップの麻生太郎財務相も減給処分の対象にした。だが、麻生氏は財務相をそのまま続けている。
加計学園の今回の処分は、(中略)信頼を寄せる腹心の友である安倍首相と、どこかでこっそり会って決めたとみられても仕方がない。
記事は中盤で
加計氏の「記憶にない」という発言は、政治家が国会の答弁でよく使うセリフである。このセリフが好都合なのは、後でいくらでも修正が効くからだ。つまりまずいと感じたら「思い出した」といえばうそにはならない、という理屈だ。
最初に「記憶にありません」発言をしたのは、ロッキード事件で証人喚問された国際興業の小佐野さんだった。今から四十数年前のことだ。国会で「記憶にありません」を連発し、自民党反主流派、野党、マスコミ、国民から顰蹙を買った。首相の三木武夫さんまで「民主主義の危機」などと発言し、副総裁椎名さんから「はしゃぎ過ぎ」と批判され、首相の座を追はれた。あのとき「記憶にありません」と「はしゃぎ過ぎ」は流行語になった。
今は「お友達」「アベ友」「忖度」が流行語だが、沙鴎一歩さんの「記憶力は大丈夫か」も仲間入りするかも知れない。記事は終盤で「お待ちしております」発言を取り上げ
「お待ちしております」とは国会もなめられたものである。耳を疑いたくなる発言だ。野党は何度も加計氏の証人喚問を求める発言を国会で繰り返してきたではないか。安倍首相と親しいと、ここまでいえるのだろうか。焦点のぼけた国会答弁を繰り返して野党の追及をかわそうとする安倍首相の姿に重なる。
加計氏にここまでいわれた以上、証人喚問は必至である。国会は加計氏の証人喚問を避けてはならない。
六月二十七日(水)
朝日新聞Digitalによると、国民民主党の伊藤孝恵さんが
森友・加計学園問題の関係者を国会招致するべきだと求めた伊藤氏に対し、首相は「わたしは行政府の長。委員会の理事に対して何の権限もない」として答弁を拒否。
安倍は自民党総裁であることを忘れたらしい。記憶力は確かか。伊藤さんも
「いつも自民党総裁として指示しまくっている方がこういうときだけ立場を変えるという。一国の総理としてあまりにせこい答弁だ」
実はこの種の答弁は、確か三木武夫が最初だ。野党の証人喚問要求に対して、国会でおやりになったらよいではありませんか、と答弁した。三木は弱小派閥なのに首相に這ひ上がった。「ずるシャモ」と呼ばれ、ハト派の旗頭だったのに首相として初めて終戦記念日に靖国神社を参拝した。記憶力が大丈夫ではない安倍は覚へてゐないだらう。(完)
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