千百四十八(その百二十五) 文科省と愛媛県は、二重組織の愚を繰り返してはいけない
平成三十戊戌
六月六日(水)
加計学園事務局長が嘘をついたとされる事件(嘘をついたこと自体が嘘の可能性が高い)について、安倍は愛媛県の文書だとして答弁しない。愛媛県は、文部科学省が認可したとして、今のところ補助金返還を求めてゐない。このままでは戦前の海軍の二重組織(軍令部と連合艦隊司令部)と同じことが起きてしまふ。
二重組織の行き着く先は真珠湾攻撃とミッドウェイ海戦と云ふ拙劣な作戦だった。二重組織の悪いところは、互ひに依存し合ひ、責任を持って判断する人がゐないことだ。軍令部は、連合艦隊司令部が決めたのだからと問題点を洗ひ出さず承認する。連合艦隊司令部は、軍令部が承認したのだからと問題点を精査しない。
六月七日(木)
愛媛県の文書には安倍の名前が明記されてゐる。しかも獣医学部騒動は三人の閣僚が関はったのだから、安倍が最終責任者だ。答弁しないことは許されない。愛媛県は、加計学園の理事長が嘘をついたのか、FAXが嘘をついたのか、どちらにせよ嘘をついた。それで補助金を受け取ることは許されない。愛媛県は今後の支給を停止するとともに、今までの分は返還させるべきだ。
加計学園は、事務局長が嘘をついたとなると懲戒解雇くらいはするのだらう。これだけ世間を騒がせたのだから、処分しないことはあり得ない。処分を促すためにも、補助金の返還は必要だ。
愛媛県知事が、獣医学部を推進する立場だと語った。それなら、獣医免許は愛媛県限定にするやう働きかけるべきだ。現状では、学生が6年間費やす費用と、教員などが生活する費用だけしか愛媛県の経済効果はない。
6年後に獣医が愛媛県に定着することは、一見大変だが、今からその活用を考へれば大変な経済効果を愛媛県にもたらす。本来は四国全体でやるべきだが、愛媛県獣医師会が今回の獣医学部騒動で賛成に回ったので、その責任を取らせよう。「獣医学部に賛成です。しかし全員首都圏や関西に行ってもらひます」は許されない。
以上は、愛媛県知事が推進する立場だと言ったので推進方法を書いただけで、これだけ嘘やら補助金やらで世間を騒がせたのだから、廃部にするのが当然だ。
六月八日(金)
加計学園のFAX事件はあれだけ世間を騒がせたのだ。国会の審議にも影響した。と云ふより国会の審議が安倍退陣にならないやう審議の数日前に突然配布された。いづれにせよあれだけ世間を騒がせたのだ。加計学園は事務局長の懲戒解雇くらいはするべきだ。安倍も加計学園に抗議すべきだ。
今のところどちらも為されてゐない。と云ふことはやはりあのFAXは嘘だった。これで加計学園の解散、或いは理事長交代は避けられない。
六月九日(土)
小泉進次郎さんがよいことを言った。産経新聞によると
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり「やっぱりおかしい。だったら特別委員会を(国会に)立ち上げて」と発言した。
小泉氏は、(中略)「国会で国民生活に大事な法案を審議する一方、スキャンダルなどについてもダブルトラック(同時並行)でどう回していくか」と述べ、特別委設置を提起した。
また、加計学園関係者が「平成27年2月、安倍晋三首相が学園理事長から新設計画の説明を受けた」と愛媛県職員に説明し、後に誤情報だったとコメントしたことについて「どう考えても、愛媛県に嘘をついたというのはおかしい」と強調した。
そのとほりだ。だいたい安倍は小泉純一郎さんによって引き上げられた。それなのに一回目は人気が低落、本人は病気で辞任した。二回目は一旦権力を握るやお友達ばかりを優遇し、都合の悪いことはトカゲの尻尾切りで逃げ回る。そろそろ特別委員会で決着を付けようではないか。
六月十日(日)
野党は、自民党内各派が安倍から離反するやう仕向けるべきだ。街頭演説は各議員が自身の当選ではなく倒閣戦略として実行する。ばらばらにやったのでは目立たないから一斉にやる。安倍側の議員がゐる選挙区では「xx議員は安倍首相に近く、森友問題ではこんなことを発言しました」「xx議員はxx派で、この派閥は潰れさうな安倍内閣を支へてゐます。派閥の親分xxさんは加計学園問題でこんなことを言ひました」みたいに批判する。
まづは反安倍の選挙区は除外して、安倍側議員、安倍側派閥議員の選挙区だけでやって様子をみる。小泉さんなどは安倍と同じ派閥でも除外する。これは面白いことになりさうだ。(完)
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