千百二十九(その百十五) 1.金正恩と安倍の共通点、2.加計理事長の専修学校は入学希望者ゼロ
平成三十戊戌
五月三日(木)
まづは2016年4月26日の毎日新聞Web版を引用すると
総書記の元専属料理人(中略)が25日夜、毎日新聞の取材に応じ、再訪した北朝鮮で金正恩(キムジョンウン)第1書記と面談したことを明らかにした。相次ぐ核ミサイル実験について金第1書記は「戦争する気はない。外交の人間がアメリカに近づくと無理難題を突き付けてくる。むかっとしてミサイルを発射している」と発言したという。

二年前の記事を発見したのが昨年五月。一年後に紹介する理由は、あまりに事件が次々と起きた。モリカケ問題の発覚から国税庁長官と財務省事務次官の辞任まで引っ切り無しだった。この記事に着目した理由は、安倍の性格が金正恩に酷似するからだ。安倍もあのとき突然、獣医学部を全国に展開すると叫び始めた。側近がその理由を、批判されて頭に来たからだと説明した。

五月四日(金)
次は昨年8月22日の「日刊SPA!」だ。
前川喜平・前文科事務次官が証言「加計学園獣医学部新設は、素人が説明・評価して進められた」

との見出しとともに
そうなのです。「黒い猫でも白い猫でも(何でも)良かった」と国会で発言した加戸守行・前愛媛県知事(今治商工会議所特別顧問)は2016年9月21日、国家戦略特区の今治市分科会で「世界に冠たる先端ライフサイエンス研究を行う国際教育拠点」と「アジア・トップクラスの獣医大学・学部」を作ると説明したのですが、(中略)獣医学部新設は、国際水準までレベルアップをしようとする文科省の構想と逆行しています。加戸さんは獣医学について素人だし、「実に説得的だった」と評価した八田達夫教授(国家戦略特区ワーキンググループ座長)も同じく素人。素人が説明をして素人が評価しただけで、専門的な見地から検討されていなかったのです。

記事は続き
獣医学の教員のマンパワーは限られていて、新たに獣医学部を作れば人材が足りなくなるし、安倍首相が言うように「(獣医学部新設の)2校目、3校目を作る」というのも論外。専門家たちは「実態を知らない素人の発言だ」と口を揃えて言っています。
(中略)加戸さん自身が文科省で高等教育行政をほとんどやったことがない。文科省OBというよりは愛媛県知事経験者として、とにかく地元に大学が来てくれれば良かったのだと思います。国家戦略特区の目的は「日本中でどこにもないものを作って国際競争力の強化と国際的拠点を形成する」ということ。もし作るのであれば「国際競争力」のある、「国際的拠点」と言えるようなものにしなければならない。

記事はインタビューを終へ
さらに前川氏は「加計学園獣医学部新設の“司令塔役”は和泉洋人首相補佐官だろう」とも指摘する。また、今治市民からは加計学園の建設費水増し疑惑・賄賂疑惑に関する告発も出てきた。これら多くの疑惑が未解決の加計学園問題について週刊SPA!8月22日発売号掲載記事「加計学園 黒幕と補助金水増し」では、さらに詳しくリポートしている。

昨年8月の発売なので、図書館か古本屋に行かないと見られないのが残念だ。

五月五日(土)
次は日刊ゲンダイDigitalの加計理事長の松山市の専修学校 入学希望者ゼロで開校断念と題する記事を紹介したい。
安倍首相の“お友だち案件”で、昨年11月、獣医学部新設の認可を勝ち取った学校法人「加計学園」(岡山市)。3日午後、愛媛県今治市で岡山理科大獣医学部の入学宣誓式を開く。疑惑に対して、国民の前で一度も説明をしていない加計孝太郎理事長も出席する予定だ。
ところがその一方で、加計氏が同じく理事長を務める「英数学館」(広島市)が今月、愛媛県松山市に開学を計画していた学校は、ナント入学希望者がゼロ。「廃止認可」を突き付けられ、開校を断念する“珍事”が起きている。

これが実力だ。今や少子化で、多くの私立大学は経営が苦しい。獣医学科は、それ自体が獣医人数安定試験の性格を兼ねるから、新設すれば絶対に応募者が集まる。本来は入学希望者ゼロの経営手腕なのに、お友達と云ふだけで濡れ手に粟の商売。こんな不公平は絶対に許してはならない。こちらも廃校認可、特区廃止にさせよう。(完)

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