千百二十九(その百十三) 下村と林、長尾を批判
平成三十戊戌
四月二十六日(木)
まづは下村の暴言だ。朝日新聞DIGITALによると
財務事務次官によるセクハラ問題で、下村氏はやりとりを録音していた被害女性について「ある意味で犯罪」などと発言し、23日夕に撤回、謝罪している。

この発言はひどい。被害者を加害者扱ひだ。セクハラを許さないと云ふ公共心の欠乏だ。なぜこんな男が国会議員なのだ。しかもこの男、次の発言も明らかになった。
財務事務次官のセクハラ問題に絡み、講演会での発言を撤回した自民党の下村博文・元文部科学相が同じ講演のなかで、「日本のメディアは日本国家をつぶすために存在しているのかと、最近つくづく思う」と語っていたことがわかった。この発言に対しても24日、与野党から批判的な声が相次いだ。

具体的には
自民党の竹下亘総務会長は24日の記者会見で「政治家の発言は気をつけないといけない。メディアの一番重要な仕事は権力に対するチェックだ」と指摘。公明党の山口那津男代表は記者団に「まったく根拠のない発言だ。そうした発言は慎むべきだ」と批判した。希望の党の玉木雄一郎代表も会見で「常軌を逸しているような発言だ」と述べた。

記事は最後に
下村氏は愛媛県などが国家戦略特区に獣医学部の新設を提案した時期と重なる2012年12月~15年10月に文科相を務め、昨年6月には事業者となる加計学園の秘書室長から政治資金パーティーの費用として計200万円を受け取ったことが明らかになり、メディアから批判を受けていた。


四月二十七日(金)
安倍と同じ派閥にはもう一人、セクハラを何とも思はない議員がゐる。長尾敬である。これも朝日新聞DIGITALによると
ツイッターで、財務省の福田淳一事務次官によるセクハラ問題に黒い服装で抗議する野党の女性国会議員らの写真を添付して、(中略)「セクハラはあってはなりません。こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!」とツイートした。
この発言に閲覧者から批判が相次いだため、長尾氏は22日夜に削除した。ブログで「私の発言がセクハラにあたるというご指摘を真摯(しんし)に受け止め、気分を害された方々に、写真に掲載されている女性議員の皆様に、心からおわびを申し上げたい」と謝罪した。

まづ「セクハラはあってはなりません」と言ってはいるが、セクハラを批判する態度に欠ける。その理由は「こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です」を云ふための踏み台だからだ。そして後の発言自体がセクハラなのだから、笑ふに笑へない。
長尾敬は元民主党。離党して除名になった。無所属で立候補し自民党推薦だったが、応援演説をした安倍の意向で公認になったが落選。その次の選挙で当選し、安倍の誘ひを受けて同じ派閥に入会した。安倍チルド連である。

四月二十九日(日)
文科相の林が、公用車でヨガに通ってゐたことが明らかになった。朝日新聞DIGITALによると
林芳正文部科学相は25日、公用車を使って平日の昼間にヨガ店を利用したとする週刊文春の報道が事実であると認め、「国会が緊迫するなかで混乱を招いたことをおわびしたい」と謝罪した。

これだけなら、まだ許容もできた。しかし記事は続きがあり
一方、ヨガ店の利用は公務と公務の間だったとして、公用車の使用ルールに違反していないと説明した。

ルールに違反しなくても、不適切なことはある。ところが林は「おわびしたい」と言ったにも関はらず「使用ルールに違反していない」と開き直る。モリカケ学園問題で、文部科学省は世間の注目を集める。そもそも文科相に就任することは、火中の栗を拾ふに等しいから成り手がなかった。そして林が就任した。これは閣僚の信用失墜行為だ。
記事によると、そもそも林は陳謝してゐない。「おわびしたい」と言っただけだ。例へば泥棒が「盗んだものを返したい」と言っても、まだ返した訳ではない。カネや物品の移動があって初めて返したことになる。林は希望を述べたのだから、このあと本当におわびをすべきだ。一番よいのは文科相を辞任することだ。
週刊文春の報道では店のサービスについて「キャバクラヨガ」との表現もあるが、林氏は「そういう店ではなく通常のヨガスタジオだと認識している」と述べた。

ここで気になるのは「認識している」の部分だ。「通常のヨガスタジオです」と云へば済むのに、なぜ「認識している」を付けるのか。認識してゐない客もゐるのだらうか。(完)

(その百十二)へ 次、(その百十四)へ

メニューへ戻る 前へ 次へ