千百二十(その百十ニ) 安倍夫妻ビジネス
平成三十戊戌
四月二十四日(火)
日刊ゲンダイ電子版に森功さんへのインタビュー『モリカケ問題の根底は「安倍夫妻ビジネス」』が載ったので、これを紹介したい。まづ
国家戦略特区制度のどういう点を不審に思い、調べたのでしょうか。
と云ふ質問に
教育特区を活用した株式会社立高校ではろくに勉強せずに卒業できる仕組みになっているなど、規制緩和による弊害があり、それを検証しようと思いました。(中略)その後、森友学園の国有地払い下げや、特区制度を使った加計学園・獣医学部新設の問題に注目が集まったため、国際医療福祉大よりも根が深そうな加計学園に取材の軸足を移しました。
今月、2015年4月2日に愛媛県と今治市の職員、加計学園関係者が官邸を訪問し、当時の柳瀬首相秘書官と面会した際の文書の存在が明らかになりました。どう思いましたか。
愛媛県や今治市、加計学園の幹部がわざわざ官邸を訪ね、1時間半も会議をしているわけですから、やりとりを記した文書が存在するのはある意味、当然のことだからです。(中略)一方で今治市はいまだ柳瀬さんとの面会を認めていない。その問題もあります。
四月二十五日(水)
安倍政権は誰でもわかるウソをなぜ、つき続けるのでしょう。
誰がどう考えても柳瀬さんは愛媛県や今治市の職員と会っているとしか思えないのだけれど、首相秘書官というのは首相の代理ですから、仮に認めてしまうと、面会自体が首相案件になってしまう。だから(中略)「会ってない」と言わざるを得ないのでしょう。
霞が関官庁はなぜ、そうまでして安倍政権を守ろうとしているのでしょうか。
霞が関官庁というよりも、安倍首相に近い取り巻きの人たちでしょう。(中略)首相秘書官の中で経産省グループは財務省よりも突出して首相に対する忠誠心が高い。衆院予算委でやはり経産省出身の(中略)首相秘書官が野党議員にヤジを飛ばしていましたが(以下略)。
国家戦略特区の制度そのものに問題があると。
国家戦略特区のワーキンググループ(WG)について安倍さんは「一点の曇りもない」とか言っていますが、都合の良いことしか議事録に載せていないから「一点の曇りもない」に決まっています。一番の問題は首相がトップの議長として決めてしまうことでしょう。かつての労働政策審議会(労政審)のように、徹底的に議論し合う審議会もありましたが、大半は官僚が主導して「こうしましょう」ということに追随しているのが実態です。
国家戦略特区の場合、内閣府の藤原豊元次長が音頭をとって、その上に和泉洋人首相補佐官がいて、方向を決めて導いていった。こういう仕組みを変えない限り、加計問題のような事態はまた起きるでしょう。
森功さんは「悪だくみ『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)の著者だ。この本を世に広めて悪だくみは中止させよう。(完)
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