千百九(その百三) 細田派は岸福田・晋太郎派と細田シンゾー派に分裂を
平成三十戊戌
三月十六日(金)
かつての岸派とその後継の福田派は、立派な政策集団として自民党、そして日本を支へた。ここまでが第一世代である。
その後は安倍晋太郎さんが跡を継ぎ、このときはかなり政策が弱まったから第二世代である。政策が弱まった根拠は、かつての福田派対太平派のやうな政争を起こさず、竹下、宮沢、安倍の裏取引で次期首相を決めた。三人でたらい回しにする裏取引だ。
そして 安倍晋太郎さんが亡くなって政策が無くなり、つまり政策集団が単なる集団と化し、第三世代の時代に入った。
細田派はこのままでは、人数の多いところに所属したほうがトクだと云ふ連中ばかりだと看做されてしまふ。岸福田派と細田派に分裂したほうがよい。

三月十七日(土)
題を、岸福田・晋太郎派と細田・シンゾー派にしたのは、安倍晋太郎時代は第二世代だから、その後の第三世代とは異なる。本人は第二世代でも、周囲には第一世代がたくさんゐた。
今はほとんど第三世代になってしまった。自民党は、自由党と民主党、古くは改進党、国民協同党などを含めて各党が合流したため、派閥が政権交代の役割を果たした。
しかし今では派閥が弱体化し、忖度集団となってしまった。派閥内の忖度、中二階派や麻生派の忖度、一番有害なのは官僚に忖度を強いる忖度だ。

三月十八日(日)
一週間前の毎日新聞に前川前次官:加計学園は「裏口認可」と批判と題して次の記事が載った。
「国家戦略特区としての認定条件を満たしているとは到底考えられない。“裏口”設置認可だ」と厳しく批判した。(中略)学校法人「森友学園」への国有地売却の担当部署にいた近畿財務局職員の自殺にも言及。「良心と組織の論理の板挟み。ただ別の方向に勇気を使ってほしかった。組織の一員としての意識が強かったのだろう」と語った。

その後、前川さんが名古屋市立の中学校で行った授業について、文部科学省が調査した問題が新たに明るみに出た。これではまるで戦前の言論統制だ。安倍はいよいよ駄目だ。多くの国民はさう感じてゐる。

三月十九日(月)
昨年十二月日刊ゲンダイにテレビで森友問題を痛烈批判 福田康夫元首相の“アベ嫌い”と題して次の記事が載った。
「国家の記録を残すということは、国家の歴史を残すということ。その時の政治に都合の悪いところは記録に残さないとか、本当にその害は大きい」「後世に対する悪い影響を残すだけ」――。福田康夫元首相が「森友問題」を痛烈批判だ。

この時点では文書の書き換へが問題になる前だから、安倍への風当りは今の十分の一だ。それでもこれだけ批判できる。と云ふかマスコミも批判しなくてはいけなかった。
何といっても永田町で福田氏のアベ嫌いは有名だ。2人の政治信条は、水と油、正反対だ。(中略)福田氏は8月にも共同通信の取材に「政治家が人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗」「国家の破滅に近づいている」と政権批判していた。おそらく今回のTV出演も怒りの矛先は安倍首相だ。
「福田さんは会合でも度々、安倍さんの話をしていますよ。『何であんなにムキになるのかねぇ』とか『トップがすぐに拳を振り上げちゃダメでしょ』とか。党に息子さん(達夫)がいるから公の場での発言は控えていますけどね」(自民党関係者)

記事は最後に
自由も民主主義も失ったのが今の安倍自民の姿なのだ。

同感だ。日本は共産主義国などを除くと世界でも珍しい一党長期政権の国だ。党内の派閥が競ひあってその弊害を克服してきた。今こそ細田派は岸福田・晋太郎派と細田・シンゾー派に分裂すべきだ。

三月二十日(水)
前川さんの授業に文科省が介入したのは安倍チルド連の議員の圧力だったことが明らかになった。毎日新聞のホームページは前川氏授業データ要求 照会の池田氏、「安倍チルドレン」の一人と題し
池田議員は2012年衆院選で愛知3区から立候補し初当選。「安倍チルドレン」の一人だ。愛知の地方議員からは「地元の会合で安倍首相の成果の話ばかりしている」などと指摘する声も上がる。

と報じた。 日刊ゲンダイDigitalは前川前次官の授業に異例の“介入”…犯人は安倍チルドレンと題して
安倍自民にはロクな議員がいない。前川喜平前文科事務次官が名古屋市立中の授業で講演した内容を、文科省が名古屋市教委に報告するよう求めていた問題。報告要請の直前、地元の自民党衆院議員が文科省に、前川氏が招かれた経緯などを何度も問い合わせていたことがわかった。文科省が市教委に問い合わせたのも、自民党議員の“圧力”に耐えきれなくなった結果らしい。
「犯人」は自民党の文部科学部会に所属する、愛知県選出の“安倍チルドレン”のA議員とみられている。
「安倍首相がよく口にする『美しい国』というフレーズをA議員も講演などで頻繁に使っていました。考え方は安倍首相とほぼ一緒。安倍首相に気に入られたい一心で、単独で“前川潰し”に動いた可能性が高いですが、首相周辺から指示があったという見方も出ています」(永田町関係者)

野党は細田派の分裂を促す行動を取るべきだ。細田派議員の選挙区では地元の立候補者や党幹部が「自民党のxx議員は安倍首相の出身派閥と同じ細田派です」とどんどん街頭演説をするとよい。(完)

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