千九十一(その九十四) 政治の劣化
平成三十戊戌
二月十二日(月)
元Google日本法人代表の辻野晃一郎さんがよいことを言った。現代ビジネスのホームページによると
今国会の様子をみていても、現政権下で進む政治の劣化には目を覆うばかりだ。
森友学園問題、加計学園問題、元TBS記者の逮捕揉み消し問題、スーパーコンピューター開発企業による国の助成金不正受給問題、リニア新幹線の汚職疑惑など、次々と噴出するスキャンダルは、すべて安倍晋三総理自身、あるいは政権の関与が疑われる内容だ。
しかし、野党も検察もメディアもまともに機能しておらず、どれもぐずぐずと燻り続けるばかりで真相究明にはほど遠い。

100%同感だ。

二月十三日(火)
辻野さんの主張は続く。
菅義偉官房長官は口癖のように「我が国は法治国家ですから」と言うが、とても民主的な法治国家とは思えないような露骨な隠蔽や虚偽答弁が延々と続く。
権力を盾に国家のトップが平然とルール違反を繰り返す光景は傲慢以外の何物でもないし国民を愚弄する行為だ。
最も恐ろしいのは、「魚は頭から腐る」といわれる通り、モラルハザードが国全体に蔓延していくことだ。
このような状況を憂えて、福田康夫元首相も苦言を呈している。
昨夏、共同通信のインタビューに応じた際には、安倍政権下の「政」と「官」の関係を批判。「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」「政治家が(官僚の)人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」とする同氏の指摘は重い。

これも100%賛成だ。細田派は、思想重視常識重視の福田派と、お友達濡れ手に粟重視の安倍派に分裂させたほうがよい。

二月十四日(水)
DIAMONDオンラインに、立命館大学政策科学部教授の上久保誠人さんも「国家の指導者が「謙虚」でなければならない理由」と題して、次のやうに書いた。
昨年以来の森友学園・加計学園に加えて、新たにスーパーコンピューター開発会社による詐欺事件が浮上し、立憲民主党の辻元清美氏が「もりそばと、かけそばだけだと思っていたら、スパゲティまで出てきた。もり・かけ・スパだ」と発言するなど、政府をさらに厳しく追及する姿勢を示している。
結局、昨年以来、国会の争点は「安倍首相の人間性」に集中している。

そのとほりだ。
首相は昨年夏の支持率急落、東京都議会議員選での自民党惨敗以降、「謙虚な姿勢で政権運営に当たる」と繰り返し、野党側は首相の姿勢を「驕り」「傲慢」と非難し、「首相は謙虚になるべきだ」と主張し続けている。しかし、そもそもなぜ指導者は「謙虚」でなければならないか、考えてみたことはあるだろうか。

この先、どんな展開になるのか楽しみだ。

二月十五日(木)
上久保さんは結論として
強力な首相の権力は、究極的には「有事」において、首相が指導力を発揮するためにあるはずだ。ところが、首相に「謙虚さ」がなく、「軽率な言動」「驕り」「傲慢な態度」によって、首相の権力に対する国民の支持・信頼が失われてしまうことは深刻な問題である。
 有事の際に、首相の指導力が国民に信頼されないならば、それは「国益」を損ねることになる。強い権力を持つからこそ、何をしてもいいのではなく、普段はその扱いには慎重にならねばならない。そうでないと、いざというときに権力を使えなくなってしまうのだ。指導者が「謙虚」でなければならない本当の理由はここにある。全ての政治家が、「謙虚さ」の本当の重要性を知るべき時ではないだろうか。

そのとほりだ。お友達の私益ばかりの男に、国益を任せることはできない。

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