千七十三(その八十六) お推珍言集
平成三十戊戌
一月十八日(木)
お友達濡れ手に粟商売推進大臣(兼、官僚忖度担当大臣)とその周辺の連中は珍言が多い。まづは官房長官の菅さんだ。Yahooニュースに紹介された産経新聞によると官房長官、東京新聞の記者に「事実に基づいて質問を」との見出しとともに
菅義偉官房長官は16日の記者会見で、東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者が、ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の事務局長による安倍晋三首相との面会要請を断ったことについて質問したのに関連し「事実に基づいて質問してください」と語気を強めた。

具体的な内容は続いて
望月氏は、共産党の小池晃書記局長が15日の記者会見で「本当に恥ずかしい」などと発言したことを紹介した上で「日程をなんとかして、予定を変えて(首相が)会うことを検討していないのか、首相が会えない場合、ナンバーツーである菅さんが会うということは検討していないのか」とただした。菅氏は「私はナンバーツーではない」と否定した。

複数の人を並び替へるには、幾つも方法がある。年収順、年令順、五十音順などだ。同じやうにお推内閣の連中を並べるにも色々ある。一般にナンバーツーと呼んだ場合はトップに次ぐ権力を持つ人を指す。新聞記者が発言した場合は、取材側からを加味したナンバーツーを指す。
お推大臣のナンバーツーは、副総理、幹事長、官房長官の誰かなのだらう。分野によってナンバーツーが異なる場合もある。予算が絡めば副総理、野党対策が絡めば中二階の幹事長、番外編で獣医学部特区問題では怪しげな三人の前大臣。
だから取材側から見て官房長官をナンバーツーと呼ぶことに何の問題もない。おそらく菅さんは記者の質問に反論したのではなく、謙遜の意味でナンバーツーではないと云ったのだらう。或いは否定しておかないとあとで幹事長あたりに中二階からの目線で嫌味を云はれるかも知れない。
何でもないやり取りに事実に基づいて質問をと見出しをつける産経新聞の偏向だけが目立つ記事だった。

一月十九日(金)
お友達濡れ手に粟商売推進大臣は14日、リトアニアで第2次世界大戦中、ユダヤ人への「命のビザ」を発給した外交官杉原千畝氏の記念館を訪問した。このこと自体はよいことだ。
ところが日経電子版によると
世界中で、杉原氏13:05 2018/01/21の勇気ある人道的行動は高く評価されている。同じ日本人として本当に誇りに思う

と発言した。まづお推大臣が政府を代表して発言することは構はないとしても、日本人を代表して発言することは許されない。
お推大臣の発言は「日本人として本当に誇りに思う」だから、一日本人として発言しただけで、日本人代表として発言した訳ではない、と云ひ訳することは可能だ。しかし一日本人として発言するのなら、対華21カ条要求をした外相加藤高明や首相大隈重信を「日本人として本当に恥だと思ふ」と発言しなくてはいけないし、南京事件を起こした3人の師団長のことも「日本人として本当に恥だと思ふ」と発言しなくてはいけない。
お推大臣はなぜ杉原千畝の発言で、21カ条要求や南京事件まで言及されるか判らないに違ひない。だから解説すると、日本人には良い日本人と悪い日本人がゐる。リトアニア人やユダヤ人、ドイツ人にも良い人と悪い人がゐる。だから日本人として誇りに思ってはいけない。悪い日本人の例を出されたときに、対処できなくなる。
この場合「日本の先人にこのやうな偉人がゐたことをうれしく思ふ」と発言すればよかった。善悪の個人偏差を民族間偏差にこじつけ、更に自分の手柄にしようと「誇りに思ふ」と頓珍漢なことを云ふから、このやうに突っ込まれる。

一月二十日(土)
お推大臣が空虚な発言をした。読売オンラインによると
2019年5月1日の皇太子さまの即位に伴う新元号について、「広く国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根ざすものとしていきたい」と述べた。

この発言は意味がない。まづ「広く国民に受け入れられないで、日本人の生活の中に深く根ざさないもの」にするはずがないからだ。つまりこの発言には対案がない。対案のない発言は「1+1は2だ」と云ふのと同じで意味がない。
お推大臣側の反論として、広く国民に受け入れられるかどうかや、日本人の生活の中に深く根ざすかどうかとは無関係に元号を決めることもできるから、対案がない訳ではなく、従ってお推大臣の発言は意味がある、と主張することはできる。しかし元号で広く国民に受け入れられないことはないし、日本人の生活の中に深く根ざさないものはない。平成、昭和、大正、明治、慶応・・・。一字一句が生活に根ざす。
勿論、「御推元年」だとか「忖度元年」だと国民には受け入れられない。しかしそんなものを採用するはずがない。元号は専門家が案を出し、天皇様、皇太子様のご了承を得るのがよい。政治が介入するとまるで江戸時代の禁中並公家諸法度だ。

一月二十一日(日)
朝日新聞のホームページによると
林芳正文部科学相は16日の記者会見で、大学入試センター試験で試験監督だった大阪大教授がいびきをかいたことについて「(阪大の)昨年の入試にミスがあって再発防止に向けた取り組みを実施しているなか、今回の事案が発生したのは大変遺憾だ。緊張感をもって入試業務に取り組むよう、厳しく指導をした」と述べた。

ずいぶん間抜けな記者会見だ。まづ試験監督だった大阪大教授に対して厳しく指導をするのは当り前のことで、いちいち記者会見で話さなくてもよい。
強いて文科大臣側から反論があるとすれば、文科省の副大臣、事務次官、局長がやったのか大臣直々なのかの違ひだが、江戸時代のお目見え以上かどうかではあるまいし、誰がやっても大差ない。それより本当に文科大臣が大阪大学まで行ったのか。行ったなら時間と交通費の無駄だし、誰か代理を介したのなら記者会見が不正確だ。
あと「厳しく指導」と普通の指導の違ひは何なのか。記者会見で「厳しく指導」と明言した以上、普通の指導と相違が無かったら大臣辞任は避けられないだらう。

一月二十一日(日)その二
日刊ゲンダイDIGITALにろれつ回らず発音不明瞭 安倍首相が通常国会に抱える不安と題する記事が載った。それによると
週明け22日から始まる通常国会を控え、安倍首相に異変だ。発端は14日に自身の公式ツイッターに投稿した動画。この日、リトアニアの「杉原千畝記念館」を視察した際、記者団に語った感想を撮ったものだが、杉原氏の功績を紹介する部分でろれつが回らず、同氏の名前の「千畝(ちうね)」がサッパリ言えていないとSNSで話題となっている。
動画を見てみると、確かに「日本から遠く離れた、あ~土地にあって、杉原……あ~×△チさんは……」と名前の部分だけムニャムニャと語っており、ハッキリ聞き取れない。

記事は次の結論に達した。
安倍首相の公式ツイッターのコメントには〈杉原あだちさんと言っているように聞こえる〉〈チウネが読めなかったようだね。〉などの意見が並ぶ。
安倍首相は過去に「云々」を「デンデン」と読んだり、「画一的」を「ガイチテキ」と誤読したと伝えられるが、“漢字オンチ”で「千畝」を読めなかっただけなのか。

とは云へ
通常国会では「もりかけスパ」や沖縄・米軍ヘリ事故の対応など野党の追及が待ち受けている。はたして安倍首相の体調は持つのか。
(完)

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