千五十七(その六十九) 二階さん、アベノミクスは欺瞞ですよ
平成二十九丁酉年
十二月二日(土)
偏向が酷く、もはや産経新聞と呼ぶしかない媒体のホームページに、「30年度予算案、国債発行8年連続減 税収はバブル期以来の高水準」と題する次の文章が載った。
政府は29日、平成30年度予算案で、歳入不足を補う新規国債の発行額を前年度当初予算から減らす方向で調整に入った。減額は8年連続。30年度の国の税収が58兆円台とバブル期以来27年ぶりの高水準になる見通しとなり、29年度の税収(約57兆7千億円の見込み)を上回るため、減額のめどが立った。新規国債発行額は29年度よりも数百億~数千億円抑制する方向だ。

まづ抑制額(数百億~数千億円)と税収(約57兆7千億円の見込み)を比べて見よう。0.1%から1%程度だ。「30年度予算案、国債発行8年連続減 税収はバブル期以来の高水準」と見出しを付けるほどのことか。そもそも
30年度は一般会計の歳出総額が社会保障費の増加などで過去最高の98兆円前後となる見通しとなっている。一方で、歳入面でも株高などに伴い税収が増え、3年度(59兆8千億円)以降では最も高い58兆円台に回復する見込みだ。

歳出は歳入より40兆円多い。ますます新聞の偏向ぶりが目立つ。

今回この問題を取り上げたのは、自民党幹事長の二階さんが、アベノミクスは成功したから安倍政権を支持すると発言した。だからアベノミクスが欺瞞であることを指摘し、二階さんがはしごを外されて二階に取り残されないやう注意を促すことにした。

十二月四日(月)
税収が多いのは企業の収支がよいからだ。企業の収支がよいのは株価が上がり続けるときだ。しかし株価は永久には上がらない。今は上限に達した感がする。景気がよいから来年辺りまでは収支がよいとしても、その後は下がることになる。

判りやすい例を挙げると、各企業は1000万円から10億円の金塊を持ってゐるとする。本当は株式なのだが、金塊に置き換えた。金塊が2割値上がりすれば、各企業は200万円から2億円の利益を得る。それに応じて税収も上がる。
しかし来年も2割上がるかは判らない。ただし景気が良くなったから来年辺りまでは好景気の余韻は続くだらう。二階さんはアベノミクスが成功したなんて言ってはいけない。「二階から目薬」ならぬ「二十階の窓から大声」になってしまふ。何を言ってゐるのか地上からはまったく判らない。

十二月五日(火)
安倍のやってきたことは、お札をどんどん刷り上場企業の株を買ふことだ。株価が上がり円安になれば、外国からも資金が流入してますます株が上がる。しかし株が下がる気配を見せたら、外国からの資金はあっと云ふ間に流出するだらう。
そのときアベノミクスは政府の債務だけが残る。安倍はインフレで帳消しにしようとやっきだが、インフレとは国民の生活を悪化させることだ。二階さんはそんな政策を支持してはいけない。二階から地下二階(地獄界、餓鬼界)に転落してしまふ。

十二月六日(水)
政府の債務を削減するための消費税増税なら、まだ話は判る。ただし今まで景気が悪いため消費税増税を延期し、古くは景気が悪いため労働者派遣法を緩和して業種を大幅に拡大したのだから、消費税増税と引き換へに労働者派遣法を元に戻させる。野党はこれくらい勝ち取らなくてはいけない。
ところが安倍の消費税増税は話が変だ。教育のために使ふと云ふ。安倍と教育とは森友学園、加計学園の腐れ縁だけで十分だ。
安倍は一般国民のことが見えてゐない。私は一般国民の活動を称して基本産業と呼ぶ。安倍は自動車だの先端産業だとかが基本産業だと勘違ひしてしまった。経済産業省脱落者を傍に置くからかう云ふことになる。
二階さんは安倍とは距離を置いたほうがよい。このまま二階さんが奇怪、決壊、瓦解とならないために。(完)

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