千五十七(その六十八) 1.安倍の説明は丁寧でも真摯でもない、2.「忖度」が今年度の流行語大賞
平成二十九丁酉年
十一月二十九日(水)
安倍は「丁寧な説明」を約束したのに、国会で説明することなく衆議院を解散し、選挙期間中は演説の機会がたくさんあったのに一切の説明をしなかった。そして国会が始まるや「真摯な説明」と発言したが、まったく真摯ではない。これほどの嘘つきは珍しい。
丁寧かつ真摯な説明をするには、まづ加計学園の認可を一旦取り消すべきだ。説明をした上で改めて認可すべきがどうかを国会で議論する。これが丁寧かつ真摯な説明だ。

十一月三十日(木)
日経新聞の11月の輿論調査によると、「加計学園の獣医学部新設の政府説明について」と云ふ質問に、「納得できる」19%、「納得できない」71%だった。お友達濡れ手に粟商売は絶対に阻止しなくてはいけないことが、数字の上でも明らかになった。

十二月二日(土)
安倍は無責任な男だ。無論そのことはこれまでにさんざん説明してきたが、今回また馬脚を現した。毎日新聞のホームページによると
28日の衆院予算委では「丁寧な説明」の中身を問われ、「政府が扱う森羅万象を全て私が説明できるわけではない」と発言。ならばなお関係者を国会に呼ぶべきだと畳みかけられた。真摯に受け止めると言うなら応じてもよさそうだが、首相は「国会で決めること」と後ろ向きだった。

まづ政府が扱ふ森羅万象を全て説明できないのは問題ない。しかし森友学園と加計学園は、これまでずっとマスコミや国会で取り上げられてきた問題だ。焦点そのものであって森羅万象のすべてではない。記事は続けて
ジャーナリストの江川紹子さんは「安倍首相は、妻の昭恵氏や前財務省理財局長の佐川宣寿氏らに国会で証言させるべきだ。野党がそれ以上追及できなければ疑惑はそれで終わるかもしれない。政府・与党にマイナスばかりではないはずだ」と首をかしげる。

これは同感だ。
「首相は逃げまくっている。国民の疑念はむしろ深まった」と五十嵐仁・法政大名誉教授(政治学)は言う。「真摯に受け止めるというなら、資料を公開し、関係者を国会に呼んで正々堂々と議論すべきだ」

これも同感だ。前川さんや野党側は関係者の証人を要求してゐる。安倍は拒否してゐる。これだけでも、どちらが正しく、どちらが嘘をついてゐるかは明らかだ。

十二月三日(日)
悪いことはできないものだ。世間が見てゐる。今年度の流行語大賞に「忖度」が選ばれた。日刊スポーツによると
(前略)発表が1日、都内で行われ、今年の政界を混乱させる象徴となった「忖度(そんたく)」が、年間大賞に選ばれた。森友&加計学園の「モリカケ」問題で、安倍晋三首相の側近や官僚による関与の有無が、議論になった。受賞者に選ばれたのは、話題に乗って「忖度まんじゅう」を企画・販売した、会社社長。複雑な思いを吐露した。「忖度」は、読者による投票でも1位だった。

本当は「お友達濡れ手に粟商売推進相」が出席すべきだ。「忖度まんじゅう」の社長では確かに複雑な思ひだらう。
テレビ朝日によると、忖度御膳がファミリーマートから発売され
キンメダイやノドグロなど高級食材が使われています。また、ただ豪華なだけではなく忖度の語呂合わせとなっているんです。例えばキンメダイはめでたい、ノドグロは腹黒さ、そして沢庵に至ってはそんタクワン。

開発したファミリーマートの広報も登場し
年末に何か年の流行を表すような商品を作りたい、と思っていました。

これでお友達濡れ手に粟商売推進相は今年最大の笑ひ物になってしまった。(完)

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