千五十三(その六十五) 安倍は首相ではなく「お友達濡れ手に粟商売推進相」だ
平成二十九丁酉年
十一月二十一日(火)
安倍は首相ではなく、お友達濡れ手に粟商売推進相だ。野党の議員は、そのことを肝に銘じて国会に臨まないと、安倍のペースに巻き込まれる。判り易い例を挙げると、ロッキード事件が発覚したあとは、その問題ばかりが国会で取り上げられた。
安倍が何を提案しようと、安倍は首相ではなくお友達濡れ手に粟商売推進相なのだから無視すべきだ。自民党は議席が多い。相手の提案について論争してはいけない。

十一月二十二日(水)
同じことを、BLOGOSに元駐レバノン大使で外務省を告発する本で有名な天木直人さんが書いてゐる。それによると
野党には、唯一、最大の起死回生策が残っている。それは、森友・加計疑惑の追及である。まさしく安倍首相が逃げまくっているのがこの問題であるからだ。だから野党はこの森友・加計疑惑に一点集中して追及すべきなのだ。
しかも、その追及は安倍夫妻の関与に一点集中しなければいけない。なぜなら、この疑惑は、こよなく安倍首相夫妻の疑惑であるからだ。安倍首相が逃げ回っていることもまさしくそれにある。自分たちが直接かかわった事は絶対にないと繰り返すのも、まさしく、安倍首相の危機意識の裏返しである。

私は、安倍の獣医学部全国展開発言、水掛け論発言、加計学園理事長が3人の閣僚と面会した事実を挙げることで、安倍の関与は確実との前提で追及すべきとの立場だが、天木さんの主張も正しい。両面で行くとよい。天木さんは続けて
野党が質問時間を増やせと要求するのはいい。
しかし、いくら野党が質問時間の要求を勝ち取っても、これまでのように野党が同じ様な質問を、バラバラのまま繰り返していては意味がない。安倍夫妻を追い込めない。繰り返して野党に助言する。野党は、来るべき国会で、もはや安倍首相の安保法制や改憲を攻めるより、森友・加計疑惑追及に一点集中すべきだ。(中略)そうすれば安倍首相を追いつめる事が出来る。安倍首相を辞任させる事すら出来る。安倍首相を辞任させる事が出来れば、安保法制や改憲は吹っ飛んでしまう。

同感だ。

十一月二十三日(木)
同じくBLOGOSに、弁護士の猪野亨さんが加計学園獣医学部の認可により獣医師は地盤沈下する 需要を無視した増員は法科大学院の二の舞になるだけと題して次のやうに書いてゐる。
140人の定員のうち20人は留学生枠だそうですから、国内では120人の定員が増えるわけです。(中略)加計学園は論外として、獣医学部全体の水準が下がります。(中略)法科大学院がその典型で、最初の開校年度こそ志願者が殺到しましたが、実は弁護士の需要などないとわかるとさっと志願者は激減しました。
 安倍氏は岩盤規制に穴を空けたみたいに言っていますが、岩盤どころか地盤沈下が待っているだけです。安倍氏が余計な穴を空けてしまったからですよ。

まったくそのとおりだ。そしてその結果
犬猫のペットも中高年層が主な飼い主層であり、今後、いずれペットの需要すらも減っていくことは常識レベルですが、犬猫病院が過当競争になっているところへ、さらに需要が減るのに、そこへもってさらに獣医師を増員しようというのですから目茶苦茶です。専門職の養成にはほど遠い粗製濫造になることでしょう。

世の中には大学名誉教授を名乗りながら無責任な駄論を吐く人間がゐる。猪野さんはそれにも言及し
朝日新聞には識者として唐木英明・東大名誉教授が獣医学部新設について肯定的なコメントをしています。
しかし、内容があまりにひどい。
「国際レベルの教育が可能に」ということで、「国際レベルから遅れた日本の獣医学教育の改善」になるそうです。
加計学園は、高齢の教員を集めたそうですが、私立大学が法科大学院を設立するときに定年退職者をひっかき集めて教員をそろえたということとよく似ています。
唐木氏に言わせるとこれで国際レベルが上がるというのうですが、誰がどう考えても無理です。

誰が考へても無理なものを名誉教授の肩書でごり押しして主張する唐木と云ふ男には驚く。
そればかりか、唐木氏に言わせると高齢化でペットを飼う人が増えるというのですが、それは一体、何の根拠に基づいているのでしょう。獣医学部を卒業し、獣医師になるのは今から7年後です。自身が獣医師になれたと思ったら、既にペット産業は斜陽になっていた…ということにでもなれば「連鎖倒産」です。

猪野さんはこのあと、犬猫の年代別飼育状況、飼育意向率を挙げてきちんと説明されてゐる。(完)

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