千二十四(その三十八) 民進党国会議員玉木雄一郎さんを支持
平成二十九丁酉年
九月十七日(日)
BLOGOSに、『【加計学園問題】玉木雄一郎、ネット等のデマにすべて答えます』と云ふ記事が載った。これを読み尤もなことなので、一部を紹介したい。まづ
父親が香川県獣医師会の副会長であり、身内の利益を図るために、獣医学部新設を阻止する質問をしたのでは?

と云ふ質問に対して
父は、長年、農協の職員として、畜産農家への飼料販売などの仕事に従事していましたが、農協退職後に、獣医師資格があることから、香川県獣医師会の副会長を務めていたことは事実です。(現在は退任しています。)
しかし、だからといって、私が香川県獣医師会の総会に出席したことも、父から、獣医学部新設を阻止してほしいといった依頼を受けた事実も一切ありません。
そもそも、本件がメディア等で大きく取り上げられるまで、獣医学部新設について父と話題にしたことさえ一切ありませんでした。(以下略)

と回答されてゐる。ここで重要なことは、獣医師の資格があっても農協の職員として飼料販売などをされてゐたと云ふことだ。人間の医師ならほぼ全員が医師の仕事に就く。しかし獣医師は待遇が医師と比べてよい訳ではないから、別の職業に就く人が多い。余談だが国立大学の農学部を卒業してもなかなか就職先が見つからず、農協は給料が安く、農業用機械のメーカーに勤めたほうがよい、と云ふ話を聞いたことがある。農業は収入が低く大変なのに、お友達のために獣医学部を新設する話は許し難い。
次に
弟が獣医であり、身内の利益を図るために、獣医学部新設の阻止する質問をしたのでは?

との質問に対し
弟が獣医師の資格を有していることは事実です。しかしながら、現在ITエンジニア(プログラマ)として働いており、獣医とは関係のない仕事で生計を立てています。動物診療は、社会貢献活動の一環として、往診のみ、原則無料でたまに行っているのみです。

とある。ここでも人間の医師なら就業するはずのないITエンジニア(プログラマ)に就職されてゐると云ふことで、獣医師の収入がそれほど高くないことが判る。

九月十九日(火)
玉木さんは、身内のために質問したのではないことがよくわかった。実は私も同じだ。私の子は獣医学科だが、動物園か産業動物を希望してゐる。獣医師に同行して産業動物を診察する実習にも参加した。これは日本列島の最端で行はれ、農業団体が往復旅費を支給し、宿舎も公共施設を提供してくれて、あとは食事を自分たちで用意するだけだった。補助金で行って来れたのだから、卒業後は産業動物の獣医になるのだらうと私も期待してゐる。
産業動物の獣医は希望者がそれほど多くはないから、新たに獣医学科ができても、我が家は全然困らない。しかし寝耳に水で突然現れた今回の新設騒動は絶対に許せない。こんなことをやったら既に獣医の人と、新設前に入学した人が不利になる。しかも四国限定免許ならまだしも、四国の人を優遇枠で一定枠入学させる。如何にも地元の補助金を誤魔化すための制度を形式的に入れた。今回正しいやり方が二つある。免許を四国限定にするか入学者を四国出身者に限る。後者の場合、入学者の質を確保できず数年で廃校に追い込まれるだらう。これが正しい経済法則だ。一定割合(30人)だかの優先枠を設けると云ふその欺瞞が許し難い。

民間会社では獣医と無関係の一般学部でも、卒業生を採用するために多大な努力をしてゐる。大学訪問や説明会やインターンや奨学金返済補助制度など、その努力と経費たるや大変なものだ。ところが地方自治体は何の努力もせず、獣医が足りないと云ふ。地方自治体は獣医でなくてもできる仕事が多いさうだ。それらは助手なり事務員に任せればよいではないか。或いは獣医の不足してゐる動物病院と契約して週に二回は診察するやうにすればよいではないか。
今回の獣医学部新設は絶対に認めてはならないし、認めた場合は廃校に追い込まなくてはいけない。と同時に獣医が不足する自治体は努力が足りないのだから、不足のまま何とかすべきだ。前にも書いたが、犬や猫の安楽死なら知事や市長でもできる。(完)

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