千十八(その三十六) 小野寺五典の発言を批判
平成二十九丁酉年
九月十日(日)
防衛相の小野寺五典がとんでもない失言をした。北朝鮮は核兵器を持っていると云ふのだ。国際社会が認めてゐないことを、なぜ小野寺は認めるのか。そもそも北朝鮮は地下で核実験を行った。或いは地上では大きすぎて実行できない装置かも知れない。そんなことも確認せず、こんな軽率な発言をしてよいと思ってゐるのか。小野寺は防衛相辞任が当然だ。

九月十二日(火)
国民が万一「北朝鮮は核実験を一回も行はず、相当の能力を持ってゐない国だ」と信じてゐるのなら「核実験を繰り返し、相当の能力を持っている国だ」と発言することは有益だ。しかしさうではない。国民は皆、判ってゐる。判ってゐることをなぜ発言するのか。小野寺の発言は「1+1は2だ」と云ふのと同程度だ。
発言は、有益かどうかと、無害かどうかの二つで判定すべきだ。小野寺の発言は、まづまったくの無益だ。それでゐて国際社会の認めてゐないことを発言したのだから極めて有害だ。つまり最悪だ。一刻も早く小野寺を辞任させなくてはいけない。このままでは防衛相の公式発表になってしまふ。
小野寺の発言を批判しなくてはいけない理由の一つに、首相が安倍と云ふことが挙げられる。嘘を吐かず、公私混同をせず、お友達濡れ手に粟商法をやらない人が首相なら、今後に期待して防衛相の発言取り消しくらいで許さうと、多くの国民は考へる。首相の人徳は全閣僚の免振装置だ。安倍内閣には免振装置がない。そればかりか振動増幅装置が組み込まれてゐる。自民党各派は、はやく安倍を引き摺り下ろしたほうがよい。

九月十三日(水)
小野寺の発言は悪質だから、マスコミ報道から引用すると、
160キロトンで、広島に投下された原爆の10倍だ。核兵器を持っていると考えざるを得ない。(中略)国際社会で判断すべきことだ。核保有国として認めるかどうかは別にして、核実験を繰り返し、相当の能力を持っている国だ。
(産経新聞のホームページ、産経ニュース)
小野寺も国際社会が判断すべきことを判ってゐる。判ってゐて発言するのだから悪質だ。こんな緊張感のない発言が飛び出した原因は、二度目の防衛相だからだ。二度目の理由は、安倍が閣僚の失言を恐れてリスクを取らないからだ。首相は続けたい、しかしリスクは取りたくない、お友達濡れ手に粟商法は続けたい。こんな虫のいい男に首相を続けさせてはいけない。

九月十三日(水)その二
国際社会と云へば今回、国連安全保障委員会が新たな北朝鮮への制裁を決定したことについて、安倍は「決議が全会一致で迅速に採択されたことを高く評価する」と述べた。
通信会社から新たに発売されたスマホを中学生から「高く評価する」と云はれても、設計者は全然嬉しくない。同じやうに国連安全保障委員会は安倍から「高く評価する」と云はれても、嬉しくも何でもない。それよりその高圧的な云ひ方は一体なんだ。せめて「決議が全会一致で迅速に採択されたことを歓迎する」くらいにして頂きたい。国民から低く評価されてゐる男が、国連安全保障委員会を高く評価するなんて笑ひ話だ。
前回のミサイル発射のときは、こんな話もあった。朝日新聞デジタルによると
安倍晋三首相は北朝鮮のミサイル発射を前日から把握して公邸に泊まっていた?――。民進党の後藤祐一氏は30日の衆院安全保障委員会の閉会中審査で、こんな見方を披露した。(中略)首相は8月、東京にいる間はほとんど富ケ谷の自宅に泊まっていたが、北朝鮮がミサイルを発射した前日の25、28両日のみ、首相官邸に隣接する公邸に宿泊。北朝鮮がミサイルを撃って間もない29日午前6時25分ごろ、首相は公邸から官邸に駆けつけた。
(完)

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