千十二(その二十三) 二十四日の閉会中審査(1.自民党はお友達利権を切り捨てるか、それとも自分が落選するのか、2.野党は攻め所を間違へてはいけない)
平成二十九丁酉年
七月二十二日(土)
産経新聞は、安倍を盲信するあまり、偏向記事を書き連ねてゐる。私が思ふに安倍内閣での憲法改正は不可能だ。百歩譲って可能だとしても、これだけ森友学園、加計学園、同じ派閥の議員たちの言動で批判を浴びた内閣が憲法を改正したとあっては、後世の笑ひ物だ。そもそも現実問題として百歩譲っても改正は不可能だ。
産経新聞は別の内閣での憲法改正を狙ったほうがいい。そして安倍への盲信記事は止めたほうがいい。自民党石破派は、産経の記事を巡って幹事長室に抗議した。時事通信によると
自民党石破派は21日までに、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐる産経新聞の記事を党幹事長室が全議員にメールで配布したのは「不適切だ」として抗議した。
送付されたのは7月17、19、20各日付朝刊の加計問題に関する連載記事。このうち、17日付の記事は、石破茂同派会長が地方創生担当相在任時に日本獣医師会幹部らと面会した際、学部新設条件について「誰がどのような形でも現実的には参入は困難という文言にした」と述べたと記載。これに対し、石破派は「発言は事実ではない」と主張している。
自民党所属の議員は、幹事長室のメールに騙されてはいけない。お友達利権を切り捨てるか、それとも自分たち多数が落選するかをよく考へて、24日に質問すべきだ。
七月二十二日(土)その二
攻める野党は、獣医が足りてゐるかゐないかの議論に巻き込まれてはいけない。判り易い例を挙げると、高速道路で制限速度が100Kmの区間と80Kmの区間があるとする。時速80Kmの区間を100Kmで走った車が事故を起こし、本人は助かったものの前を走ってゐた車は一家四人が死傷した。
容疑者が、あの区間は80Kmに規制する必要は無いと取調室、裁判所、産経新聞記者の前で叫んだとする。この場合、規制する必要があるかないかは議論する必要が無い。80Kmの区間を100Kmで走り速度違反をしたことと、死傷者を出したことのみに反論すべきだ。
加計学園問題も同じだ。議論すべきは、加計学園を優遇したかどうかと、手続き特に4項目が守られたかどうかと、安倍の全国展開発言との整合性と、前川さん個人情報流出・東京新聞記者身辺調査事件、加計学園事務長現金持参事件とそれに対する恫喝発言事件、県や市の補助金について忖度が無かったかどうかだけだ。県や市の補助金については、獣医学科の倍率が高いことに地方自治体が付け込んだもので区域内で完結しないから特区に馴染まないことを本来は追及すべきだがそれはこの先続けるとして、今回はこれに巻き込まれないやう、県議会や市議会で今後数年間に亙って野党が追及しやすくなるやう簡単に留める必要がある。
併せて自民党議員の質問に万一、80Kmに規制する必要は無い、警視庁または道府県警の取り締まりは傲慢だ、に該当する加計学園問題を質問したときは、閉会中審査で軽く触れるとともに、その後二年間はこの問題を街頭宣伝して、当該議員とその親分、同僚をことごとく落選させようではないか。
七月二十三日(日)
三日前の東スポWebに次の記事が載った。
大学教授歴約40年で、地方の大学設立にも携わってきた警鐘作家の濱野成秋氏が緊急寄稿。経営が成り立たないことが明らかな獣医学部新設で、甘い汁を吸おうとした“悪いヤツら”の存在を指摘した。
(中略)
今治市は昨年開示していた市職員の首相官邸訪問記録や開学スケジュールなどを全面非開示にしたことが7月15日に分かった。つまり、全面、隠蔽に切り替えたわけだ。これで黒白が明確となった。確実、クロだろう。
隠蔽し続けて済む問題と考える行政には当然検察が入り、公務員は処罰対象となる。天下りリストが加計学園に横滑りする行政職員と重なれば、これまた違法行為である。
(中略)
開学と同時に事務長や総務部長職には市役所から天下りする予定かもしれず、その名はすでに文書には出ているはず。現在張り付いている教授陣の研究業績が正統か? 筆者はその審査員資格で設置申請書に掲載の教授陣の研究業績チェックをした経験があるが、もし加計の獣医学部にリストアップされた人材がひどければ、ろくな教育はできない。
もし申請者側の記載内容や市職の文書における内容になんら問題となる記載がないと主張するならば、ここまで問題になっているのであるから、今治市は公文書を総て公開し、申請書類に張り付いた事務職氏名に天下り防止法違反者はいないか、教授陣の研究業績に粉飾はないか、開学時期を内々予告した不正がないか、徹底して釈明する段階に来ていると指摘したい。
濱野さんのご指摘はもっともなことだ。(完)
(その二十二)へ
(その二十四)へ
メニューへ戻る
前へ
(その二十四)へ