4、日本はアメリカの植民地になればよかった
日本文化退廃の原因を探る

戦後の日本は、果てしない九十九折りの山 道を下り続けるようなものである。70年の文化は60年より退廃 し、80年の文化は70年より退廃しついに1999年に至った。先日電車 の車内で女子大生の3人組が「私の彼さあ、今、別の女と付き合ってい るんだけどお、絶対にやらないって約束させたんだあ」などどくだらな い話をしていた。いったい何をやらないのか知らないが、底が異常に高 いサンダルといい、遺伝子を組み替えたのでないか と思うような変な色の髪の毛といい、小渕政権も少しはカンボジアのポ ルポト派を見習い、こういう連中は農村に強制移住させたらどうか、な どと毒づきたくなる。これらの退廃の責任はすべて日本人にあるが、そ の根源はアメリカにある。

1 日本はアメリカの植民地になれば良か った

第2次世界大戦に勝利したアメリカは、民主化、農地解放、財閥解体など、 日本人なら100年かかっても出来ない大偉業を行った。 アメリカこそ正義であり、アメリカ文化こそ理想であると多くの人が 思っても無理はない。

日本が終戦後もしアメリカの植民地になっていたならば、インドやベト ナムが独立に大変な苦労をしたように、日本も独立に大変な苦労をした かも知れない。しかしアメリカとの間に心理的な釣り合いが取れ、独立 後のインドとイギリスのように一定の距離を保てたはずであった。日本 は植民地にならなかったために、そのつけが今、若者たちに現れている のである。

2 善男善女が国を滅ぼす

アメリカを積極的に真似する人ばかりではない。一般の人にも植民地を 経なかった影響が現れている。善男善女の日本人は、自立せずに依存し、 考えずに真似をし、選挙をせずにポスター笑顔コンテストに投票し、議 会主義の国を一党支配の国に、民主主義の国を官僚支配の国にしてしま った。

3 カンボジアの悲劇は誰の責任か

ベトナム戦争、カンボジアのロンノルクーデターの支持、アメリカの軍 事力と陰謀が多くの悲劇をアジアに生んだ。もっともあの当時、ほっと いてもソ連が崩壊するとはだれに予想できたであろうか。これらはアメ リカではなく人類全体の責任だとしよう。アメリカが責められるべきは 最近の行為にある。ヘッジファンドがタイで行った悪行、遺伝子組み替 え植物を他国に力ずくで輸出しようとしている悪行、世界で一番資源を 浪費すること、退廃文化の発生源になっていること。

アメリカを真似してきた日本人は、これまで述べたようにアメリカに恩 義を感じて真似をしている訳ではないが、今でも恩義を感じる人がいる とすれば、もはや恩義は悪行で相殺されたと割り切るべきである。

4 遠くの他人より近くの親戚

日本と中国には多くの共通点がある。中国とインドにも多くの共通点が あり、インドとパキスタンは兄弟喧嘩をしても共通点が多く、パキス タンとイランにも多くの共通点がある。このように次々に考えていくと フランスとイギリスには共通点があり、イギリスとアメリカに共通点が あるというところに至る。さて日本とアメリカはどうであろうか。世界 で一番共通点が少ないのである。真似をすることが好きな人は、遠くの 他人であるアメリカよりは近くの親戚であるアジアを真似するべきであ ろう。それが日本の消化不良を防ぐ道である。

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