65、日本復活大作戦2(総評復活)

平成十八年


十月二十一日(土)(総評復活)
国民の自殺率を下げフリータを正業に就かせ独身者に家庭を持たせる唯一の方法は総評復活である。「昔陸軍、今総評」と再び言われるようになるべきである。
労組が社会主義を目指すのはよくない。産別会議の民同、総評の全民労協発生の原因である。しかし社会主義を目指さない組合もよくない。エゴ集団となってしまう。見よ総評末期の隠しベースアップを、国労を見殺しにした動労や全電通を。

総評は仮想の社会主義を目指すべきだった。そして米ソ対立が終わった今、唯物弁証法は平衡主義と名を変えるべきである。XX教の影響を受けない日本では、唯物論という言葉はすこぶる印象が悪い。弁証法という言葉も印象がよくない。国民の問題点を解消する平衡主義こそアジアと日本が目指すべき目標である。


十月二十四日(火)(企業別従業員組合)
日本でまともな単産は海員組合と地域労組だけかも知れない。
和田春生氏は海員組合出身で総評結成、総評の左旋回に反対して全労を結成、後に民社党国会議員になった。同氏は企業別従業員組合を批判し海員組合のような個人加盟の職能別組合が労働組合であることを主張している。
和田氏の主張に100%賛成である。しかしその後和田氏は企業別組合の職能組織化に努力しただろうか。同盟の幹部、民社党の議員として企業別組合の票を当てにしたのではないか。日本では企業別組合の弊害を社会主義を目指すことで補っていた。社会主義を取り除いた企業別組合の行き着くところは、隠しベースアップに見られるエゴ集団でしかない。


十月二十八日(土)(良心的な主張)
労働運動入門(和田氏、昭和33年)という書籍を一昨年入手した。まえがきに「日本の労働運動を毒している最大の要素の一つが、マルキシズムの悪影響にある、と常に考えているものであります」と書かれていたためそのまま本棚で眠っていた。
改めて読んでみると、立派な主張をしている。まず企業別従業員組合を批判している。そこからはみ出した小企業労働者の合同労組について「大や中の企業において、存立に不安のない企業別組合はそのままで居すわり、そこからハミ出した不安定な小企業や零細事業のだけが寄り集まり、地域的に集合的従業員組合をつくるわけですから、真の横断組織として発展し成長する条件はそなわっていないのです」と述べている。


十月二十九日(日)(生産性向上運動)
このように良心的な主張をする和田氏であるが、書籍の最後尾の「生産性向上運動と労働組合」で和田氏は馬脚を現わす。生産性を向上すれば労働者の取り分が増えるというのである。和田氏は決定的な誤りを犯した。労働者の取り分が一時的に増えても、すぐに他の会社、海外の企業が更に生産性を向上させる。その結果労働者の取り分は激減する。和田氏の海員組合を見よ。外国籍の船、外国人の船員が急増したではないか。 既に船員の人は既得権でいいかも知れない。今後船員になろうという若い人はどうすればいいのか。


十一月三日(金)(労働者派遣)
総評解体と労働者派遣法の成立は同じ時期である。それまで労働者供給は労働組合にのみ認められていた。労働者派遣法の成立で偽装請負は減ったか。逆に増えている。ソフトウェア会社の使い捨て体質を見よ。
偽装請負が今、問題になっている。偽装請負、派遣、フリータが増えた責任は日本の労働組合にある。労働組合は底辺の底上げを図るべきである。底辺を切り捨てた既得権者の組織であってはならない。


十一月九日(木)(企業別組合の弊害)
企業別組合は、中小労働者、失業者、非正規雇用者を見捨てるだけに留まらない。日本社会、日本経済に極めて大きな悪影響を与えている。
後者との格差が大きくなると、前者の将来は不安定となる。その既得権を維持できず、しかも転職の自由はない。前者は実はタコ部屋である。


十一月十一日(土)(経済の平衡)
タコ部屋の住人がタコ部屋に住んでいることを自覚せず既得権を守ろうとする。その結果、貿易黒字が平衡しない。
そのためアメリカは日本文化破壊を始めた。日本人自身も安価に欧米に行っては欧米かぶれを加速させた。円高はものの値段を下げ、相対に高くなった人件費が正規雇用者と個人商店を減少させ日本社会を破壊している。
日本の伝統を保つために、経済界は当てにはできない。労働組合を職能別に再編するしかない。


十一月十二日(日)(宇井純氏)
宇井純氏が昨日亡くなった。宇井氏が二十年ほど前に市川誠氏が発行人を務める労働月刊誌に記事を書いていたため、それから五年ほどその月刊誌を購読したことがある。だから私自身は市川元総評議長と同じ社会党中間左派、総評結成時に遡れば民同左派か、と自身で考えてしまう。
しかし私は社会党でも中間左派でもない。強いて言えば宇井氏と同じ環境保護派である。日本の労働運動は総評も同盟も間違っていた。企業別組合を温存させたからである。
経済界は日本の将来を考えていない。偽装請負問題で明らかとなった。


十一月十八日(土)(総評復活とは)
総評を復活させるとは、その政治思想を復活させることではなく、存在感を復活させることである。その意味では民同右派の和田氏と同路線である。しかし経済を平衡できず、国民の生活を守れず、アメリカの文化侵略に対抗できない今の連合には反対である。
環境保護も伝統保護も国民生活保護も根底は同じである。そのような路線に立つためには、企業別組合の再編が不可欠である。クローズドショップと企業移動権は職能別労組が勝ち取るべき労働者の権利である。企業に任せていてはいけない。


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