88、緊急・地球温暖化対策の次に派遣法を廃止せよ

平成ニ十年
六月十五日(日)(派遣法を廃止せよ)
今人類が一番緊急にすべきことは化石燃料の使用を停止することである。これにより西洋文明による世界文化破壊も、資本主義と共産主義の対立も解消する。
日本に於いては、二番目にすべきこととして労働者派遣の禁止がある。東京江東区のマンションから女性が行方不明になった。新聞の一面トップに連日載った。防犯カメラにも映っていなかった。犯人は二軒隣に住む派遣プログラマーだった。殺害した女性はバラバラに解体して下水に流した。
日本列島全体の驚きがまだ治まらないうちに、今度は秋葉原で大量殺人事件が起きた。トラックで歩行者天国に突っ込み通行人を次々とナイフで刺した。犯人は自動車工場で働く派遣労働者だった。

派遣制度は社会の癌である。速やかに禁止する必要がある。

六月十七日(火)(日本経団連と企業内労組は禁止せよ)
屋上屋を架すということわざがある。派遣は床下床である。絶対にこのようなものを認めてはいけない。労働者は最下位だから労組を認められている。労働者の更に下を作ってはならない。
派遣が解禁されたのは、総評が企業内労組に破れ全民労協が結成された時であった。派遣制度とは取り易いところから取る、日本経団連と企業内労組の力が及ばないところから取る、という実に醜悪な制度である。
日本を住み易くするには、日本経団連と社内労組を禁止するのが一番いい。これで犯罪も自殺率も不登校も半減する。

六月十八日(水)(与野党に公平で日本がよくなる)
日本経団連を解散すれば自民党に多少は不利になる。企業内労組を解散すれば民主党が不利になる。社民党や共産党も多少不利になろう。両方解散すればみんなに公平となる。それでいて日本はよくなる。こんないい話はない。
日本経団連を解散しても商工会議所や商工会がある。企業内労組を解散しても単産や地区労がある。

六月ニ十四日(火)(屠殺工場)
派遣といえばほとんどの人がIT業界を思い浮かべる。毎年多数の新卒者が就職するのに、無事定年を迎える人はほとんどいない。まるで屠殺工場である。毎日多数の家畜が送られてくるのに、生きて出て行く家畜はいない。なぜこんなことになったのだろうか。

六月ニ十五日(水)(失格経営者)
従業員が社内にいれば、どうすればやる気がでるか、社内を明るくするにはどうすればいいか、という配慮が必要となる。社内は小さな社会である。連帯感や秩序も生まれてくる。
派遣や偽装請負で社外に出してしまうと、経営者は一人月何十万円で粗利益は幾ら、派遣先が見つからない人はどうやって辞めさせるか、ということにしか関心を示さなくなる。うつ病患者が続出しているのに、予防対策よりも発症した人を辞めさせる方法にしか関心がなくなる。

六月ニ十六日(木)(或るソフト会社に見る使い捨ての実態1)
日本にはソフト会社が約8000社ある。そのうちの上位10%に入る或る中堅企業の実態を見てみよう。
この会社は従業員が数百名、首都圏を中心に数箇所の事業所を抱えていた。ある事業所を見渡すと社内に7名くらいしかいない。残りはすべて客先勤務である。客先勤務といっても命令系統が社内にあるものはほとんどなく、ばらばらに派遣され客先の指示で働く。しかしこの事業所は派遣事業の登録はしていない。つまり偽装請負である。
この当時、派遣登録は事業所ごとに地元の職安で行った。その後法律が改正され会社ごとに都道府県労働局で登録するようになった。少しは良くなるかと期待されたが全然改善されず、この改正は改悪であった。

この事業所には事業所長の下に2名のグループマネージャーがいた。
事業所長は後にうつ病になり長期欠勤の後退職した。退職日に会社に来れないほど重症だった。二人のグループマネージャーのうちの一人が事業所長に昇格した。この人は後にタクシー運転手に転職した。もう一人のグループマネージャーは10年近く客先に派遣されていたが50歳になり、気力が消失してついに退職した。
これがソフト会社の実態である。

六月ニ十七日(金)(或るソフト会社に見る使い捨ての実態2)
退職者が多いと、経営者は退職者以外も使い捨てだと思ってしまうらしい。
本社には総務部長と人事部長がいた。そのうちの総務部長が突然、第xx営業部長に移動させられた。誰もがリストラだと知っていた。事実10ヶ月くらいして退職した。残りの人事部長も10年後に追い出し対象になった。トラブルになったがやっと解決した。
営業課長解雇事件というものもあった。数年前までは優秀営業と言われていた営業課長が業績不振で突然解雇された。個人加盟労組に駆け込み会社に押しかけるところがテレビで放送され、大阪事業所から「本社がテレビに映った」と電話があって初めて判った。

六月ニ十八日(土)(或るソフト会社に見る使い捨ての実態3)
パソコン事業部長も業績不振で解雇された。教育部長はLINUXビジネス部長に移動し、総務部長のときと同じで誰もがリストラだと知っていてやはり翌年解雇された。
通常の会社だったらこんなことをしていたら倒産する。ところが派遣や偽装請負産業では倒産しない。理由は社内に技術者がいないためである。いくら会社の雰囲気が悪くても影響がない。

六月ニ十九日(日)(ソフト業界)
この種の会社はソフトハウスと呼ばれてきた。しかしあまりに印象が悪くなったので、その後、システムハウス、IT、システムインテグレータなど名称を変えた。名称を変えても実態はまったく変わらない。インターネットで調べても次のような言葉が見つかる。 これらはすべて事実である。

七月ニ日(水)(経済学から見ても派遣は認めてはならない)
終身雇用は労使双方に不利である。この制度が双方に有利に見えるのは儲かっている会社を基準に考えるからである。儲かる企業はそうざらにあるものではない。皆やせ我慢をしている。派遣制度は終身雇用を使用者側に都合がいいように壊す。しかも終身雇用そのものは延命する。派遣は絶対に認めてはならない。
次に、企業が儲かれば賃金が上昇し企業の平衡作用となる。派遣は平衡を破壊し、暴走する企業が続出する。この意味からも派遣は絶対に認めてはならない。

七月十日(木)(劣悪経営者)
経営が楽ちんだと、経営者の質は低くなる。普通の産業だと淘汰される経営者がいつまでも居すわる。顧客企業から「おたくの会社が伸びないのは会長が原因だね。」とはっきり言われる会社さえある。普通だったらそんな会社とは取引しないが、35歳で使い捨てになる技術者を正規雇用する訳にはいかず、相変わらず取引を継続する。

七月ニ十日(日)(ソフト業界の健全化のためには)
家電製品を購入するときに、自分の家や職場に合ったものを特注する人はいない。既製のものを買う。ソフトウェアも同じである。既製のものを組み合わせて使えばいい。それなのに企業が自社用に特注するから高くなる。高くなるから偽装請負、派遣、下請けで人件費を抑える。
そのためIT業界は3K職場、35歳定年、使い捨て職場となってしまった。世の中を見渡しても年中募集しているのは自衛隊とIT業界だけである。
ソフトは既製品を使う。それができない企業は自社のシステム部門を総入れ替えする。これ以外に解決策はない。なおシステム部門を入れ替える際はIT業界に多い悪徳経営者のように、使い捨てにしたり嫌がらせで追い出す、ということは避けるべきである。


メニューへ戻る 前へ 次へ