8、小学生は英語を勉強する必要はない


国語こそもっとも重要

作成日 平成12年7月10日

今年2月のWebページでは「仏歴2543年」と上座部仏教国で用いる年号を用いた。その理由は小渕さんが私的懇談会の名を借りて英語第2公用語という馬鹿げた構想を発表したからであった。「平成12年」では、「平成」という紙を持ってテレビに映る小渕さんの間抜けな光景を思い出すし、「西暦2000年」では、XX教徒でもないのに2000年、2000年と大はしゃぎをして2000円札まで発行し国家財政を更に悪化させた無責任な首相を思い出す。暗愚な男を首相にすると国民は迷惑する。今年が何年か、というのでさえ、あれこれ工夫しなくてはならない。

1 CPUと国語

コンピュータの性能はCPUで決まる。10数年前に2MHz、8年程前に20MHzだったCPUが今では500MHz以上になり当時の数百倍になった。

人間の頭脳の性能は母国語能力によって決まる。知識の取得も論理的思考も、すべて母国語で行うからである。

英語を小学校で教えろという主張があるが、とんでもない話である。海外旅行に行ってレストランで注文できることと引き替えに、論理的思考力と若年時の知識習得を犠牲にしてしまう。一億総白痴化である。

2 美しい表現

言語には美しさがなければならない。英語が絡んだ国語表現で最も醜いのは英単語を混ぜた文章、2番目は英語の直訳、3番目は英語の影響を受けた表現である。例えば小渕私的懇談会の「つまりグローバル・リテラシー(国際対話能力)を身につけているかどうかは、彼または彼女が21世紀の世界をよりよく生きるかどうかを決めるだろう」を見てみよう。「グローバル・リテラシー」はもとより、「彼または彼女」は英語の影響を受けた実に醜い表現である。これを推敲すれば「つまり国際対話能力を身につけることが、男女を問わず21世紀をよりよく生きる鍵となるであろう」となり、はるかに美しくなる。内容も修正すれば「人類の遺産である歴史と伝統を重視することは、人類が21世紀にも滅びない鍵となるであろう」となる。

3 インドとスリランカに見る英語の弊害

英語で書籍を読むと10倍は余分に時間がかかる。この話を他人にすると「それじゃ英語があまり得意ではないじゃないの。」という人がいるが、そういう人は国語があまり得意ではない人である。日本語では斜め読みができるが英語ではほとんど不可能である。

インドでは英語で学術書が書かれているため、効率が悪く落ちこぼれは多い。中程度に優秀な人はカネ目当てに海外に移住するという副作用や、英語を使わないと下層階級に見られるため見栄を張るという弊害さえある。

スリランカではシンハラ人とタミル人の意志疎通は英語で行うため、相互の民族を理解しようという努力が生まれず、内紛がなかなか治まらない。言語を習うことは相手の民族の文化を理解することであり、尊重することである。

誠に残念な話だが英語を用いている限り、インドの貧困は解消されないし、スリランカの内紛も治まらないかも知れない。

4 軽薄な動機がある限り『英会話』は勉強しないほうがよい

英語を学術的に研究したい人や、海外業務で使用する人は、英語を勉強すべきである。また、中学生程度の『読み書き』英語は皆が習得すべきである。しかし最近の『英会話』英語ブームは、ファッションであり、かっこいいから、自慢したいから、海外旅行に行って便利だからという軽薄な動機ばかりが目立つ。何より根底に、自国文化に自身が持てないという終戦直後症候群がある。この病気が治るまでは『英会話』英語は、本当に必要な人以外は勉強しないほうが良い。

5 首相と属国は3日やったら辞められない

外国語を学ぶことは、その民族を尊重することである。『読み書き』はともかく『英会話』英語を学ぶことは、すべての日本人に、アメリカ一辺倒になれと強制するに等しい。小渕さんは首相就任直後は謙虚であった。しかしいつしか首相の椅子にしがみつき、ストレスとなり命取りになった。首相は3日やったら辞められない。

アメリカの属国も3日やったら辞められない。しかし若者の心を蝕むという副作用により、いずれ日本の命取りとなろう。

それだけではない。世界第2の経済大国を属国にしたことによりアメリカは、遺伝子組み替え、世界経済支配、資源の無駄遣いなど、やりたい放題のことが出来るようになり、いずれ人類の命取りにもなるだろう。

6 貿易で負けない秘訣
非英語圏の国は輸出は楽だが輸入が難しいという利点がある。一部の人だけが英語を使い一般の国民は英語を使わなければ難攻不落である。日本はまさにその典型であった。しかし、この主張は私の本心ではない。思えば日本が異常な国になってしまった原因の1つに多額の貿易黒字がある。昭和40年代前半は赤字と黒字を揺れ動いたものの、昭和46年以降はオイルショック直後を除き2度と赤字になることはなかった。特に昭和58年以降は異常な黒字幅である。日本の文化退廃が昭和40年後半から特にひどくなったこと、昭和58年生まれが今年17歳を迎えることは決して偶然ではない。英語が得意ではないと経済戦争に勝てないと主張する人たちがいるため、あえて一言述べた次第である。

7 インターネット時代を迎えて

インターネットを使うには『英会話』英語は必要ない。日本人にとり膨大な時間の無駄となる聞き取りの練習はEメールや会議ソフトの発達とともに不要となろう。『読み書き』英語にしても、翻訳ソフトの安いものや高性能のものが次々に発売されている。小渕私的懇談会が、これらの事に気付かない筈はない。小渕さんや外務省は、最近の嫌米世論の台頭に、対策を立てているとアメリカ向けにアリバイ工作をしたのであろう。アメリカから圧力があったのかも知れない。


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