九百八十八(その十四) 殿ご乱心(1.「杉下右京警部、捜査を開始」の巻、2.寺脇研京都造形芸術大教授に賛成)
平成二十九丁酉年
六月二十七日(火)
安倍が獣医学部を全国展開すると言ひ出した。つひに狂ってしまった。狂ったで悪ければ暴走を始めた。或いは殿ご乱心と云ふ表現もある。例へ話をすれば、殺人事件が起きた。それをごまかすため共犯者を殺した。更にごまかすため共犯者との関係を知る人も殺した。
そんなことは実際にはあり得ない。刑事ドラマならあり得る。と云ふことで刑事ドラマ「相棒」の杉下警部を取材した。
杉下:さうですねぇ。事件を繰り返せば逮捕され易くなります。巧妙な犯罪なので逮捕の確率が5割だとします。いいですか、二回やれば75%になります。三回なら87.5%です。
だから連続殺人はテレビの中だけです。「相棒」は回によって単独殺人と連続殺人を混ぜてあります。現実と乖離しないためですかねぇ。亀山君はどう思ひますか?
亀山:毎週が連続殺人だと俺たち忙しすぎですよ。伊丹ではホシを挙げられないから、結局俺たちが解決するしかないですよ。
記者:それでは、今回の獣医学部との関係はどうですか。
杉下:お友達に濡れ手に粟で獣医学部を新設しようとしたのが第一の事件です。文部科学省の前川さんが安倍側から見て余計なことをばらしたので、個人情報を流した。これが第二の事件です。
第一の事件は既に建設が始まった。今さら中止してお友達に損害を与える訳には行かない。そこで、全国に同じ事件を起こして第一の事件を目立たないやうにしよう。これが第三の事件です。
ここで、角田課長が入ってくる。
角田:よう、暇か?
杉下:いえ、これから忙しくなります。私と亀山君は首相官邸を当って、前川さんの情報は警察庁と警視庁のどちらの職員が調べたのか、読売新聞の誰に情報を流したかを調べます。課長は、国家公安委員会がありながらなぜ警察庁は首相官邸の言ひなりなのか、警視庁は東京都公安委員会がありながらなぜ警察庁の言ひなりなのかを調べてください。
都議選の最中ですから、東京都公安委員会と警視庁の件は面白いことになりさうですねぇ。
六月二十八日(水)
話は変はり、元文科官僚で京都造形芸術大教授寺脇研さんの主張に賛成なので、取り上げることにした。寺脇さんはフェイスブックで
『お友達』批判をかわすために他大学の参入を認めようというのだろうが、これでは獣医師業を自由競争にしてしまうことになる。
この主張は正しい。寺脇さんのフェイスブックを取り上げたのは産経新聞で、見出しが
【加計学園問題】獣医学部の全国展開、「とんでもない話」と批判の元文科官僚のフェイスブックが波紋
実際には賛成反対双方のコメントがある。しかしこれまで読売と産経は安倍首相支持の立場で、さんざん加計問題に賛成してきた。今後、寺脇さんに反対するコメントを増やすやう誘導するのかどうか注目する必要がある。
六月三十日(金)
話を元に戻すと、世の中には連続事件がまれに起きることがある。日を改めて再度杉下警部を取材をした。
記者:どのやうな場合に連続事件が起きますか。
杉下:そうですねぇ。第一の事件が起きたあと、いつまでも解決ができないと第二の事件を誘発することがあります。過激派の連続リンチ殺人事件や、暴力団の連続発砲事件はその典型です。
しかしですよ。怖いのは権力者による連続事件です。ヒトラーのガス室、スターリンの粛清はその典型です。殺人ではないものの今回も、お友達濡れ手に粟事件、前川さんの個人情報事件、獣医学部全国展開発言。何だか連続事件の様相を示して来ましたねぇ。東京新聞記者身辺調査事件、加計学園事務長現金持参事件とその報道に対する名誉棄損・偽計業務妨害刑事告訴脅迫発言事件も出ましたから。
亀山:今回は殺人事件ではないので、伊丹から嫌味を云はれないのが利点かな。(完)
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