九百七十八 1.男子社員のやる気を出すため女子社員を入社させることは有りか、2.銀行の女子行員は美人が多いか
平成二十九丁酉年
五月十三日(土)
ずいぶん前に、会社で男子社員のやる気を出すため女子社員を入社させることも必要だと書いたことがある。先日或る雑誌のWebページに、男子社員のやる気を出すため女子社員を入社させろと主張する人がゐるが間違ってゐると云ふ記事を見た。私のホームページを見ての批判ではないだらうが、今回はこれについて考察したい。
まづ女子社員を入れたほうがよいかどうかは状況による。一般には男女、年令などが偏ってはいけない。人類は長い間、老若男女のゐる社会で生活してきたのだから、その比率が崩れた社会で仕事をしてよいことはない。
その典型が戦前の軍隊で、男ばかりでしかも幹部は特定の学校出身者ばかりなので、ああいふことになった。学生運動も同じで、特定の年令ばかり集まるからああ云ふことになった。

五月十三日(土)その二
雑誌の記事は、一人の女子を入社させたところ次々に男子と恋愛関係になり、そのため男子の人間関係がめちゃくちゃになったとある。
重要なことがある。男子でも女子でも入社させるときは、性格を見なくてはいけない。稲盛和夫さんの盛和塾の本に書いてあるが、能力の高い人はもちろんよいのだがあまりゐないからそれ以外の人を採用することになる。そのとき能力は高くないが性格のよい人は役に立たないやうに見えても使ひ道がある。
次々と恋愛関係になるやうな人間は男も女も性格がよいとは云へない。そんな人間を採用してはいけない。
(稲盛さんの主張に私は賛成だが、派遣会社には当てはまらない。受け入れ側が職種を限定するから性格がよいだけだと行先が限定される。私が派遣労働は禁止すべきだと主張する理由の一つにこれがある。)

五月十四日(日)
私が銀行に行くときは、手続きや窓口限定振込など用事があるときだ。そこが金融庁監督局銀行第一課及び第二課との違ひだ。だから私には美人が多いかどうかは判らない。尤も金融庁も美人が多いかどうかを調べに行く訳ではないだらうが。おそらく世間の普通の会社と変はらないと思ふ。
私が過去に女子行員で美人だと思ったことは二回しかない。一回目は二十年前に英会話学校に通ってゐたときに、京葉銀行の若い女性がゐた。美人と云ふよりは感じのよい女性と云ったほうがよいのかも知れない。だから成田空港で京葉銀行の窓口を見ると、今でも懐かしい気持ちになる。
二回目は、先日或る大手銀行に普通預金口座を作った。これはかつて子供の奨学金が振り込まれる銀行と大学の学費振込銀行が、どちらも会社の近くにあった。昼休みに最初の銀行で卸して隣の二番目の銀行で振込めばよいので便利だった。ところが会社が移転し、新しい場所では一番目と二番目の銀行が離れた。しかも一番目の銀行は土曜にATMを使ふと手数料を取られるし平日も金額制限がインターネットで公表された額より勝手に下げてある。どうやら普段の取引額から自動で制限額を下げるらしい。何より一番目と二番目の銀行の間を大金を持って歩くのは危ないし、一回の昼休みでは時間不足で完結しなくなったから大金をかばんに入れて家に持ち帰らなくてはならない。と云ふことで二番目の銀行に口座を作ることにした。窓口の女性がこれも美人と云ふより感じのよい女性だった。

五月十五日(月)
窓口とは別に、案内の女性が通路にゐるが感じの悪いことがある。或る手続きで銀行に行ったところ、支店は自宅か勤務先の近くか、証明書類はあるかなどしつこく聞くので、刑事の尋問みたいだと思ったことがある。
別の銀行に住所変更の手続きに行ったところ、受付の女性の回答がてきぱきしてしかも適切なので感心したことがあるが、だとすると他の銀行の女性はてきぱきせず回答も適切ではないのだらう。
かつて女子社員は結婚と同時に退職する人が多かったが、今は違ふから案内の女性が多いのかと考へたりもする。

一般の会社の受付に美人が揃ってゐたことが十五年ほど前に一回だけある。顧客企業が霞が関ビルの中にあった。フロアの一角が温度一定の広いコンピュータルームで、霞が関ビルは全部が事務所だと思はれてゐるが企業によってはかう云ふ使ひ方をするのだと新しい発見をした。
私の作業はコンピュータルームと受付のパソコンの二か所のため、受付にも行った。ところがソフトウェアは動くものの、印刷ができない。しかし画面に表示される以上、どこかに一時ファイルがあるはずだ。それを突き止めてバッチファイルを組んで印刷できるやうにした。数日経過しても問題は発生しないので、これで完了と云ふことにした。一時ファイルが溜まったりしないことはもちろん確認した。
受付の数人の女性たちとはパソコンの操作で何回も打ち合はせるので、その余韻で雑談をしながら作業をしたが、彼女たちは一旦結婚などで退職したあと、再雇用で勤務してゐた。なるほど退職した女性のうち美人を集めて時間が空いたら再雇用する。これだと社内の様子にも詳しいから受付に来た人を適切に案内できる。ずいぶんよい制度だと感心した。

五月十六日(火)
京葉銀行を調べてなるほどと納得した。地方銀行かと思ったら第二地方銀行だった。思へば昭和五十年代は相互銀行や地方銀行の行員が自転車に乗って地元の商店を訪問した。バイクで訪問する行員もゐた。あの女性が感じがよいと感じたのも第二地銀だから傲慢さが無かったことが理由だった。
銀行の融資課はお客さんに対し威張りがちだ。一般の預金者に対しても低金利時代だから冷淡かも知れない。しかし貸し付け先を開拓して利率の差で利益を得るのは銀行の本業だ。或いは不良債権になったときの手際のよい処理も能力の発揮どころだ。不良債権となる前に口頭でもよいから経営指導できるのも銀行だ。
間違っても金融庁の監督局銀行第一課及び第二課のやうな姿勢で、お客様に対応してはいけない。自転車やバイクで訪問してこそ真の金融機関だ。(完)

メニューへ戻る 前へ 次へ