九百四十四 アジアの話題二つ(アジア不動産投資のセミナー、ベトナム縦断旅行のテレビ)

平成二十九丁酉年
三月四日(土)
最近、アジアに関係する話題が二つあった。一つは外国不動産投資セミナーで、私は安価な一戸建て或いはアパートを想定した。説明はタイ、ベトナム、マレーシア、モンゴル、アメリカ、ハワイだった。
外国はリスクが高いが安い値段なら購入できるかも知れない。そんな期待を持ったが、非先進国で外国人が購入できるのはコンドミニアムだけださうだ。価格もアメリカの不動産債権が100万円なのを除いて数千万円台のものばかりだ。
そんななかで良いと思ったのがタイのパタヤと、モンゴルのウランバードルだ。パタヤのリスクは中心街から離れてゐる、将来必要な修繕費用、売却するときはどうなるのか。それより値段が高いから我が家には手が出ない。
ウランバードルは利率保障、売却保障が自動で付く。かなり良い条件なので多くの参加者が疑問に思ったやうだが、これが経済成長とインフレだ。日本もかつてはさうだったがカネがあれば高利回りが付く。リスクは会社が倒産したら保障が無効になる。これも値段が高いから我が家には手が出ない。
アメリカの債権は、これまでの成績がすべて高利回りと云ふ優秀なものだ。しかしいつ償還されるか判らない。債権者の投票で決めるためだ。これまでの最長は十八年。これでは長すぎる。
と云ふことでこの日のセミナーは役に立たなかったが、懇親会のときに二人の不動産投資者と話が出来てよかった。一人は新卒で就職後2年目で区分マンションを購入した女性で、政策金融公庫の女性起業制度を使ったので驚くほど低金利だ。真似をする女性がゐるといけないので説明すると、この女性は友人が不動産会社に勤務しこの物件はいいと太鼓判を押されたさうだ。本来は賃貸と購入に損得の差はない。つまり利益は出ないと見るべきだ。
この女性は性格も悪くないしマンション購入に心から賛同するが、政策金融公庫が女性起業制度で不動産投資を煽ってはいけない。そもそも不動産投資は起業効果がない。同じ不動産は一つしかないのだから、一人が起業すれば別の人が起業機会(既に起業者なら増業機会)を失ふ。

三月十日(金)
2月26日の日曜16時から17時15分までテレビ東京の「ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン~ベトナム1800キロ縦断旅 」を観た。吉田友和さんの『ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン―ベトナム1800キロ縦断旅』を元にドラマ化したものだ。サラリーマンの主人公が家族で海外旅行しようとしたところ、妻と子は用事があり一人で出かけたといふ想定だ。
海外旅行でその国の離れた土地に行くことは、私は五回ある。一回目と二回目はアメリカに長期滞在したときにミネアポリスとヨセミテ、三回目はタイに中期滞在したときにチェンマイ、四回目と五回目はドイツに中期滞在したときにベルリンとオランダ。
短期の滞在だとこのやうなことはできない。だから短期でこれを行ったこのドラマには感嘆するし、自分が体験したやうな臨場感で観ることができる。ベトナムを旅行すると暑いし大変だが、家で快適な環境で体験できる。実に有意義なドラマだった。
ベトナム戦争で片足を失った人は、その後結婚し普通の一軒家に住む。戦傷者は大切にされたのだと判る。娘が日本に留学した人と知り合った話では、主人公は日本に妻子がゐると断るのに、娘と結婚してくれと云はれる話は、日越の1人当たりのGDP比で個々の日本人が優越感を持たなければよいが、と思った。
私がホーチミン市に旅行したとき、子が日本に留学してゐると話しかけてくる人がゐて、偽物だらうと適当に話を切り上げて別れたことがあったが、あるいは本当に留学してゐるのかも知れない。

三月十九日(日)
吉田友和さんの原作を図書館で借りようとしたが、今日に至っても待つ人数が五人くらいだ。テレビで放送されるとあっと云ふ間にこのやうになるがテレビ局は傲慢になってはいけない。横浜市の人口400万人に対して五人だ。
とはいへ一人三週間づつ(貸し出し期間は2週間だが採りに行くのに一週間。あと無責任なヤカラは後続がゐるのに滞納する)。五人だとかなり掛かる。といふことでこれで終了させるが、この番組は二つ悪いところがある。
まづドラマの出演者は俳優だ。原作に従ったとはいへ、馬鹿な輩があんな美人と結婚できるならベトナムに行かううなどと考へる。二番目に初めて海外旅行する人はホテルの予約をせず出発してはいけない。私の海外在留約は15カ国で一年以上だが、今までにホテルの予約をせずに旅行したことはない。仕事で中長期滞在のときにチェンマイ、ミネソタ、ベルリン、アムステルダム、フランクフルトに泊まったが、前もって電話(当時はインターネット予約はなかった)で前もってホテルに予約して出発した。
吉田友和さんは旅行の達人だから無予約で出発できるが、電話で予約できる私でさへ無予約では旅行しないことを肝に命じないと、海外は本当に危ない。(完)

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