九百二十二(甲) 「年忘れにっぽんの歌」を観て

平成二十九丁酉年
一月一日(日)
大晦日はテレビ東京で「第49回年忘れにっぽんの歌」の大部分を観た。良い番組なので全部を観たかったが、夕飯ができたのでそれ以降はスヰッチを切った。

一月二日(月)
「年忘れにっぽんの歌」を本格的に観たのは今回が初めてだ。少し観たことは三回ほどある。なぜ本格的に観ないかと云ふと、私が十代後半のころNHKで夏に「思い出のメロディー」と云ふ番組があった。出演するのは藤山一郎、岡本篤郎、灰田勝彦などだから、私の感覚では昔の歌とはこれらの歌だ。今の歌は春日八郎、三波春夫らだ。だからそれより後の歌が出てきても、あまり聴かうとは思はなかった。

一月三日(火)
今回は平成年間の歌が多かった。初めて聴く曲がほとんどだったが、聴いた瞬間にメロディーもリズムも良い曲だと思った。途中から昭和四十年前後の曲も登場した。今まで四十年近く少し観ては止めた理由は、インターネットを調べて判った。前回から放送時間が4時間半から2時間55分に短縮された。それだけ濃い内容となった。
時間が短縮された理由は会場が閉鎖されたためだった。八年前までは新宿コマ劇場が使用された。コマ劇場が閉鎖ののちは五反田ゆうぽうとホールが六年間使用された。ゆうぽうとホールが閉鎖の後は、前回が八王子で収録され時間が短縮された。今回は中野サンプラザで収録したさうだ。
かつて昭和五十年頃は、東京の高層ビルは、霞が関ビル、浜松町の貿易センタービル、池袋のサンシャインビル、そして中野サンプラザだった。これら四つの高層ビルは都内のどこからでも眺めることができた。その後、西新宿に高層ビル街ができて、このときも四つのビルと一つのビル街はどこからも眺めることができた。その後はあちこちに高層ビルができて、もはやどれが何のビルなのか判断不能になった。

一月四日(水)
TV東京のホームページに出演者が載ってゐるので紹介したい。
石川さゆり、五木ひろし、大月みやこ、梶光夫、川中美幸、北島三郎、北山たけし
香西かおり、伍代夏子、小林幸子、坂本冬美、五月みどり、新川二朗、菅原洋一
千昌夫、田川寿美、天童よしみ 、中村美律子、長山洋子、新沼謙治、畠山みどり
原田悠里、氷川きよし、弘田三枝子、藤あや子、細川たかし、増位山太志郎
松平健、美川憲一、三沢あけみ、水森かおり、三山ひろし、森進一、八代亜紀
山内惠介、山川豊、山田太郎
同じく司会も載ってゐる。玉置宏、竹下恵子かと思ったら、玉置宏ではなく徳光和夫だった。インターネットで調べると玉置宏は既に亡くなった。

一月五日(木)
放送された中で特に気に入ったのは「新聞少年」と「青春の城下町」だ。昔の曲はメロディーだけではなく歌詞がよかった。「新聞少年」の
今朝も出がけに母さんが
苦労をかけると泣いたっけ
「青春の城下町」の
どこへも誰にも嫁(い)かないと
誓ってくれた君だもの
故郷に僕が帰る日を
は名場面だ。文学上ではなく心を打つことが重要だ。
このほかのすべての曲が良かった。その理由は世に出たたくさんのなかから多くの人の心に残った曲が放送されたからだ。(完)


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