九百七 二週間ほどFTPを使用した理由

平成二十八年丙申
十一月十九日(土)
ホームページの作成に二週間ほどFTPを使用した。FTPとはネットを経由してファイルを転送するコマンドで、インターネットの広まる前から存在した。インターネットにも取り入れられまづプロトコルに、http(ホームページ閲覧)、smtp・pop3(メールの送信・受信)、telnet(他のコンピュータにログイン)、と並んでftp(FTPで使用)があった。(あともう一つnntpがあるがこれはあまり使はれなくなった。)
FTPコマンドは、DOS時代にftpプロトコルを使用する通信手段として普及し、Windows10でも標準添付されてゐる。ただしコマンドはファイルを送るのも何をするのも手入力で不便なため、FFTPなど無料ソフトウェアが出回ってゐる。
Geocitiesのホームページを作るには、ジオクリエイターを使って自動生成する方法と、エディターを使ってhtml文を手入力する方法がある。私はエディターを十七年間使ってきた。ところが二年前に変更があり「esc」ボタンを押すと、今まで入力したものが最初に戻ってしまふ。すぐ下に「半角/全角」ボタンがあるため間違って押すことが多い。三十分掛けて作った物が一瞬のうちに三十分前に戻ってしまふ。それを防ぐためときどき保存するものの、二週間に一回は発生する事件だった。

十一月十九日(土)その二
そこでFFTPソフトを使ふことにした。予めすべてのファイルはバックアップを兼ねて半月に一回程度FFTPを使ってパソコンにコピーしてある。これをメモ帳で編集し、FFTPでサーバ側にコピーする。メモ帳にはundo機能があるので、間違へても一つ前に戻せる。これはなかなか快調だった。
(一年ほど前までは、Yahooのログイン履歴を見ると、FTP接続したときはIPアドレスがFTPサーバのものだったが、Yahooにログインしたときと同じでパソコンのIPアドレスに修正されてゐた。)


十一月十九日(土)その三
二週間ほど使用して気になることが一つ現れた。Yahooにログインするときはプロトコルがhttpsに換はる。これは暗号化して送受信される。ログインが終はるとプロトコルはhttpに戻る。本文は公開するものだから平文で構はない。FTPを使ったときはどうなるのか。
調べるとFTTPソフトにも暗号化の機能がある。しかしGeocitiesが対応してゐないため、通常の送信しかできない。と云ふことでFTPの使用は二週間で終了した。

十一月二十日(日)
新しい方法を考へた。ファイルを開いたあとctrl+aを押して全文を選択しctrl+cでコピーする。これをメモ帳にctrl+vで貼り付ける。メモ帳で編集したあと、ctrl+aとctrl+cののち、先ほど全文を選択したままになってゐるGeocities側に貼り付ける。これならメモ帳のundo機能も使へるから間違へても安心だ。
この方法を使ふうちに、メモ帳のundoにctrl+zと書かれてゐることに気付いた。試しにGeocities側でctrl+zを押すとundo機能が使へる。と云ふことで再びGeocitiesのエディタを使ふことになった。その直後に別の発見もあった。エディタで右クリックすると、ここにもundoの機能がある。と云ふことで今までうっかりescを押したときは無駄な作業をしてきたことが判った。
右クリックのundoはともかくとして、ctrl+zをなぜ知らなかったかと云ふと、昔のコンピュータはctrl+zは編集終了を意味した。そのやうな特殊な機能を他の目的で使ふことは記憶し難いことだった。(完)


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