八百八十八 動物の話題四つ

平成二十八年丙申
十月九日(日) 猫とヘビ
何の検索だったか記憶にないが、子猫が顔を何かに嚙まれて一週間くらい腫れたといふ動画を見つけた。夜、子猫が重々しく鳴いた。翌朝物置の陰から出てくると鼻の横に嚙まれた跡があり、動物病院に連れて行くとマムシに嚙まれたさうで化膿止めをもらった。数日間食欲がなく顔や首が腫れたがだんだん引いて餌も食べるやうになった。そんな内容だった。
人間が毒蛇に嚙まれると普通は血清を与へるが動物の場合は無しでよいのかとインターネットで調べると猫は副作用があることがあり、ヘビの毒で死ぬことは稀ださうだ。
「猫 へび」と入れて動画を検索すると、猫がヘビをやっつける動画が幾つも出てくる。コブラと戦ふ猫を観ると、猫を応援したくなる。その余韻で毒を持たないヘビのときも猫を応援した。猫は敏捷性に優れる。ヘビがピョンと跳ねて嚙もうとしても飛び跳ねて逃げる。ここが犬との違ひだ。犬は動きが鈍いから野原を散歩させてマムシやヤマカガシに嚙まれることがよくあるさうだ。
猫がヘビを爪で何回も刺すのだがヘビはびくともしない。皮が厚いのか変温動物だから酸素消費が少なくなかなか死なないのか。後者だといづれ死ぬから可哀さうだ。動画では最後に逃げることが多いから皮が厚くて爪が中に入らないのだらう。しかし犬に腹を食はれて5cmくらい欠けたヘビがゐた。これはいつか死ぬだらう。だからそれ以降は見なくなった。逆に大きなヘビが猫を食べる動画もある。これは可哀さうだから一回も見なかった。

十月十日(月) ヘビと新幹線
九月二十六日に、東海道新幹線の座席のひじ掛けにヘビが巻き付いてゐるところを乗客が見つけた。浜松駅に臨時停車し警察がヘビを捕獲した。
多くのマスコミが、静岡県警の警察官が捕獲と報道したが、それだと駅前交番の警察官が新幹線に乗り込んだみたいだ。一社だけ鉄道警察隊と報道した社があり、これが正しいのだらう。或いは本署に動物専門の担当者がゐて同行したのかも知れない。インターネットで静岡県警を調べたら、静岡に本隊と直轄隊、沼津と浜松に分駐隊がある。
ヘビの種類はニシキヘビと報道したところが多かった。シマヘビの子供と報道したところもあってこれが正解だった。発見場所は、ひじ掛けと壁の間と報道したところと、ひじ掛けに巻き付いてゐたと報道したところがあった。間だと下に落ちるから、巻き付きながら頭或いは胴体の大部分が間だったのだらう。
ヘビの落とし主は見つかってゐない。後から名乗り出る訳にも行かないだらう。ところであの日の朝から我が家のヘビが行方不明だがどこに行ったのだらう、といふのは冗談で我が家のヘビはきちんとケージの中にゐる。だいたいコーンスネークだから新幹線のヘビとは種類が違ふ。

十月十日(月)その二 ウグイスと京浜東北線
その二日後に京浜東北線が遅延した。Yahooの路線情報だと「動物対応」とある。犬か猫が轢かれたかと、JR東日本の運行情報を見ると「車内対応」とある。家に帰って新聞を見ると、さいたま新都心で鶯を車内で発見し蒲田で捕獲して外に放した、とある。さいたま新都心で紛れ込んだならさいたま新都心で放さないと生態系を乱すのでは、とそのとき思った。
それから十二日経過し、今このページを作るためにFNNテレビの動画を見ると、
午前7時ごろから、6号車に小鳥がいるとの連絡が相次ぎ、途中駅で何度も点検したものの、捕獲には至らなかった。
およそ10時間後の午後4時半すぎ、蒲田駅で乗客を6号車から降ろし、数名の駅員らで捕獲作業にあたり、無事小鳥を捕まえ、外に逃がしたという。
まづJR東日本の運行情報は親切ではない。別の云ひ方をすると情報量が少なすぎる。おそらく理由として十個くらいの中から選ぶからかう云ふことになる。Yahooの運行情報はかなり良い。新聞の報道は間違ってゐる。さいたま新都心から蒲田まで片道一回の書き方だ。

十月十一日(火) ヘビととぐろ
先日我が家でヘビに餌を与へるところを見た。これで三回目だ。今までと異なり餌を口にくはへたら、くるくるっととぐろを巻いてその中央で餌を離した。暫くして食べた。餌を取られないやうにするためかと思ったが、昨日別の事に気付いた。とぐろがきちんと収まったのだ。つまりとぐろを巻いた状態で餌が現れたから先頭20cmくらいでこれを取り再び元に戻っただけだった。(完)


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