八百七十四 家族でお墓参り(十六年住んだ家の売却)

平成二十八年丙申
八月二十八日(日) 十数年ぶりに家族でお墓参り
昨日は家族三人でお墓参りをした。私は毎年お墓参りをする。妻も年に一回程度お墓参りをする。しかし皆でお参りするのは十数年ぶりかも知れない。父が亡くなって十五年。その前の年に中古の家を購入した。最初購入予定だったところは父が止めたほうがいいと云ふので、今のところに決まった。子供が転校しなくていいやうに小学校入学の前年だった。
父は日帰り一回、一泊一回の二回この家に来た。今回不動産売却が決まったので、偶然その報告を兼ねたお墓参りとなった。

八月二十九日(月) 入谷から鶯谷へ
往路は地下鉄の入谷駅で降りた。お墓参りの後に、復路は鶯谷駅へ向かった。途中の入谷鬼子母神で子供に読み方を説明した。入谷は「きしもじん」、雑司ヶ谷は「きしぼじん」。私がそのことを知ったのは小学生のときだった。トロリーバスが廃止され都バスになった。停留所名が入谷鬼子母神に変はった。「きしもじん」と読むことを知った。
坂本小学校の跡地は校舎が残る。昔、吉展ちゃん事件があり、吉展ちゃんが通った小学校だと説明した。道路を進むとマンションが多くなったので驚いた。
更に歩くと華学園といふ専門学校がある。かつて国柱会の本部があった場所だ。当時の国柱会を写真で見ると路地が二又になる。この辺りで二又はかなり上野駅寄りにある。そこだらうかと考へたが、インターネットで調べるうちに華学園の場所だと判った。判るまでに一年以上掛かった。子供に国柱会があったといふ話はしなかった。国柱会の説明をすると長くなるからだ。目の前に建物がないのに長い話は退屈になる。
家に帰り吉展ちゃん事件を調べると当時四歳。通った小学校といふのは間違ひだった。私は五十年以上さう思ってきた。

八月三十日(火) 鶯谷から東京駅へ
三人で東京駅まで行き、大丸十二階でバイキング料理を食べた。一人2160円で90分食べ放題。たまには贅沢もよいものだ。毎日贅沢だと駄目だがたまに贅沢するのはよいことだ。午後1時25分から2時55分までだった。窓際の席だったが周りはビルばかりで景色がよくない。眼下に東京駅のバスターミナルとヤンマーディーゼルのビル、遠くに隅田川の橋がビルの合間に見える。といふことは橋の手前の高層ビル群は聖路加タワーか。しかし聖路加タワーだとビルの数が多い。いづれにせよ藤山一郎の歌ふ「夢淡き東京」とは景色が大分変ってしまった。

八月三十一日(水) 土地の売却
昨日は会社を休んだ。土地売却の契約のためだ。台風が接近するので契約できるか心配だったが台風が太平洋側にそれた。昭和二十六年以降初めて東北地方に上陸した。関東は助かったが、東北地方の農業が心配される。茨城県沖は水温が低いから台風が減衰したならよいのだが。
契約は無事に済み、あとは買主側のローンが下りない場合を除き、十六年住み慣れた家を後にすることになる。道路は行き止まりだから自動車が通過せず静かだ。向かひが農地だから見晴らしがよい。実に住みよい環境だった。

九月三日(土) 貸付信託から低金利時代へ
中古の一軒家を購入できたのは、結婚が三十七歳と遅く、それまでに貯金ができたからだった。昔は余ったお金は信託銀行の貸付信託に預けた。父が貸付信託が一番有利だと教へてくれたからだった。元金保証で変動金利が建前だが、各信託銀行が同じ金利だった。年利5%が半年複利で増えた。計算してみると十年で六割増える。ところが今から二十年前に低金利時代となった。暫くは証券会社の中期国債ファンドなどを利用したが、低金利の住宅ローンが出てきたため貸付信託や中期国債を全部解約し住宅ローンを借りて一軒家を購入した。
賃貸で家賃を払っても不動産は手に入らないが、家賃と同じ額を毎月返済すれば不動産が残る。さういふ考へだった。今回売却にあたり計算してみると、家賃が少し安くなった程度だ。不動産価格がずっと下がり続けたから仕方のないことだが、苦労した割には利得が僅かだった。不動産は買ふより借りたほうがよいといふ記事を最近読んだ。なるほどと思った。
貸付信託についてインターネットで調べると、二十三年前に全国の貸付信託残高はピークを迎へたあと、金利が変動になったため十七年前には残高が半分に下がった。そして十一年ほど前に各信託銀行が募集を停止した。なるほど金利計算方法の変更と中期国債ファンドの利用など、今ではすっかり忘れてゐた。

九月十三日(火) 神社参詣、賃貸さがし
或る人から不動産の購入や売却のときは地元の神社にお参りし、住所を云って無事に進むことを祈るとよいと云はれた。土曜の夕方に実施した。日差しを避けるため三時過ぎに市立図書館に行った。帰りにバスで神社に行った。近くのオートバイ店が廃業してゐた。三十三年間経営したさうだ。バスで一部戻り、別の路線に乗り換へてドラッグストアで買い物をした。再度バスに乗り家に帰った。バスの定期券を有効利用した一日だった。
日曜は家族で転居先候補を三か所見た。二か所は一軒家、一か所はマンションだ。いよいよ転居の日が近づいた。(完)


メニューへ戻る 前へ 次へ