八百六十一 幻に終った本日の不動産売却

平成二十八年丙申
七月二十四日(日) ミャンマー上座部仏教止観会の帰り
先週月曜の祝日にミャンマー上座部仏教の止観会があった。終了後、帰りの地下鉄に乗ってゐると不動産屋さんから電話があった。我が家が売れさうだと云ふ。二年前に上の子が大学に入学してから妻も週五日働くやうになった。今年二月に私が定年になり給料が新入社員以下になった。四月に下の子も大学に入学し下宿したので、我が家は一部屋余るやうになった。
これらの事情があり、昨年末から我が家を売りに出した。八ヶ月経つのにまだ売れなかった。それがやっと売れさうだ。早速転居先も探し始めた。

七月二十七日(水) 突然のキャンセル
契約は二十四日午後だ。ところが朝十時に電話がありキャンセルになった。買主の父親が見に行くといふので夜中に見に来た。そして700万円を出すからもっと高いところを買へといふことになった。おそらく七十代の方だ。なだらかな坂を少し上がるから毎日の生活が大変なのかも知れない。しかし少し上がったほうが洪水の心配がないし、地盤も盤石だ。低地は堆積物で地盤が緩い。上がるといっても数メートルだ。
家の前の道路は車が通り抜けできない。静かで住みよい環境だ。といって車が入ることはできる。車を持つ人にとっても便利だ。景色もよい。私は気に入ってゐるので今後も住みたいが、お金の関係で売却することにした。定年になったら、或いは子供が大学生になったら実家か此処のどちらかを売却するのは、当初からの予定だった。

七月三十日(土) 元は金持ちが所有
我が家は二つの特長がある。一つ目はガスの本管が家の前までだった。途中一軒が引き込むだけで我が家専用の本管だった。十年以上この状態が続いたが、数年前に五軒ほど先まで延長になった。我が家の並びで最も大きな家だ。今年になって更に数軒先まで延びた。向かひ側で一番大きな家だ。ここは建設会社を経営する方の家だから他の家とは一桁違ふ。
二つ目の特長は各部屋にガスの配管がある。尤も今はヒートポンプ式のエアコンが普及したから、あまり役立たなくなった。私の部屋はエアコンがないから、今でも冬は重宝する。
この家はかなりの金持ちが建てたのだらう。私で三代目か四代目だ。前の居住者も大手商社に勤めてゐたから金持ちの部類だ。夏は二階と一階の冷房を入れっぱなしにして家中を冷房してゐたさうだ。電気代が月に数万円は掛かっただらう。我が家はあまり冷房を使はないから四千円くらいしか掛からない。

七月三十一日(日) 質素な家
これまで金持ちが住んでゐたにしては質素だ。その理由は建てられたのが昭和四十七年で、当時はこれでも中の上くらいの高級な家だったのだらう。プラザ合意で日本の家屋は急に贅沢になった。だからその前に建てられた家屋は質素に見える。その歴史のある家も売れたときは取り壊すことになりさうだ。(完)


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