八百四十八 タイの音楽

平成二十八年丙申
六月十二日(日)
今から五年くらい前だらうか。上野公園の噴水の周りでタイフェスティバルが開かれた。タイ大使館の有志の人たちによるタイ音楽の演奏を聴いて、日本音楽と共通点が多いことに気付いた。そのとき近くの東京芸大はかう云ふところに注目すればよいのにと思った。尤も既に注目してゐると云はれさうだが。
その後、タイ音楽を解説し録音を聴かせてくれるサイトを見つけた。音大卒業と思はれる若い女性(写真では。実際の年は不明)が曲の解説をして、次に音楽が流れてくる。疲れたときや気分転換のときに最適だった。ところがそのサイトが半月ほど前に無くなってしまった。

六月十四日(火)
あのサイトにはベトナム、インドネシア、中国などアジアの音楽とその解説もあったように記憶してゐる。これらも一回づつ聴いた。「お気に入り」にタイ音楽のページしかリンクさせなかったため、タイ音楽を今年までに十五回は聴いた。そして先日聴かうと思ったところ、サイトが無くなってゐた。だから「お気に入り」から削除した。
我が家にはVistaの半タワー型のPCがある。なぜそんなものがあるかと云ふと、下の子が小学生のときにゲームが好きだった。私より画面処理のチップに詳しく、何々が載ってゐるものがいい、などと云ふから該当するPCで安いものをネットで探し、当時はまだ通販が一般的ではないから新横浜のPCデポまで買ひに行った。今は妻が使ふが、私がたまに使って更新やウィルスチェックを行ふ。そんなものは自動でやればと云はれさうだが、PCが古くて遅いから手動でやってゐる。
このPCに残っていた「お気に入り」のタイ音楽をクリックして、サイトが見つからないのは同じだ。試しに後ろの部分を削除してクリックすると、この人のページがまだ残ってゐた。五年近く前のものもあるが、本人の関係するコンサートの情報だけで、アジア音楽など音楽のうんちくを傾けたものは削除されてゐた。

六月十六日(木)
消された後はYoutubeでタイ音楽を検索し聴くやうにした。こちらのほうが西洋音楽の音階からの離脱が大きいし、音の強弱が大きい。伝統音楽でも西洋音楽の影響を受けることを留意する必要がある。確か上野公園で聴いた曲だったと思ふが、きれいに日本のヨナ抜き音階に当てはまる曲があった。或いは近年になって作曲されたのでは、と調べるとやはりさうだった。

六月十八日(土)
木琴だったか鉄琴だったかタイ式の楽器で、6まで番号が付いてゐた。すは、7音階ではなく6音階かと演奏の合間に大使館員の人に尋ねると0と番号の付いたものもあり7音階だった。
中国の楽譜でドが1、レが2・・、シが7と音符の代はりに番号を用ゐる方法がある。1から7まで使ふ。タイでは0から6だった。

六月二十五日(土)
タイ大使館員有志合奏団の演奏は翌年もあり、私は熱心に聴いた。或いは上野公園が翌年で、その前にも一回観たのかも知れない。しかしその後は、観る機会が無いまま今に至った。タイフェスティバルなどはその後も何回か行ったが、人が多く食事をするのが一苦労なので最近は行かなくなった。或いは多数の人が集まるので飲食の模擬店ばかりになったのかも知れない。(完)


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