六百七十七、鳩山前首相(菅と野田は歴代から除名が相応)のクリミア訪問を支持
平成二十七乙未
三月二十一日(土)
鳩山前首相
鳩山前首相がクリミアを訪問した。本来は元首相と書くべきだが、国民は消費税増税に反対して民主党(シロアリ化する前)に投票した。鳩山氏はよくがんばつてくれた。菅が閣僚を敵に回す発言を行なひ、それでゐて菅は副首相でありながら辺野古問題で鳩山氏に協力せず、それが原因で鳩山氏は首相を辞任することになつた。あのとき一部のマスコミは菅が次を狙つて非協力だつたと書いた。多くのマスコミは書かなかつた。
しかしそれ以外にもつと大きな理由がある。国民は消費税に反対し、またシロアリを退治して消費税増税分を捻出するといふので投票した。ところが菅と野田は消費税を増税した。しかも次の選挙で国民の信を問ふと主張し、次の選挙では大敗した。といふ訳で菅と野田は歴代首相から除名すべきだ。
三月二十二日(日)
ウクライナ
ウクライナでは選挙で親ロシア派のヤヌコビッチ首相が親西欧派のユーシェンコ元首相に僅差で勝つた。ところがオレンジ革命でヤヌコビッチ大統領を解任した。これはどう考へても親ロシア派が正しい。しかし今はウクライナが問題になつてるのではない。クリミア半島である。
クリミア半島はスターリンによるタタール人の強制移住があり、これはレーニンの掲げる唯物論の欠陥を示す。レーニンの唯物論によれば意識は脳の働きだから言語は何でもよいことになるし、移住も国策で自由にやつてよいことになる。一方でスターリンは民族独立を支援し、戦前は孫文がソ連に頼つたし戦後はホーチミンが頼つた。スターリンは過ちのほうがはるかに多いがすべてを否定してはいけない。その問題は後で触れるとして、戦後クリミア半島はロシアに属した。54年にソ連最高会議によつてウクライナに移管された。ロシアもウクライナもソ連の一員だから何の問題もなかつた。ところがソ連が解体し、しかもウクライナの親ロシア派の大統領が解任されたから大問題になつた。
西欧ならともかく日本の前首相が訪問することは何ら問題はない。逆に日本など非西洋の感覚も考慮に入れなければいけないと西欧に思はせることができるから、鳩山氏のクリミア訪問は実によいことである。
三月二十六日(木)
一水会・木村三浩代表の発言
木村三浩氏が扶桑社の日刊SPAのインタビューに登場した。
木村:私が昨年2度クリミアを訪れているということもあり、鳩山さんと高野孟さんがやっているインターネット番組に招かれ、自分の目で実際に見てきたことを話したのが訪問を促す、そもそものきっかけになったのです。西側のメディアは日本も含めて「独裁者・プーチンが力による現状変更を行おうとしている!」「ロシアへの編入に賛成したクリミアの住民投票はロシアの圧力によるものだ!!」などと批判を繰り返しているわけですが、実際にクリミアの人たちの話を聞くとまったく様相が違って見えてくる。私の視察報告に、鳩山さんも「現地を見ずしてとやかく言うのはいかがなものか」という認識を持ったのでしょう。欧米に毒されている今の日本の現状から、批判が出ることも予想していたと思いますが、体を張って現地を見ることが今後の日本のためになると考えて、今回の訪問に至ったということです。
ここで高野孟氏は私のホームページでもたびたび取り上げた元総評事務局長高野実氏の御子息である。
――だが、鳩山氏の言動は、欧米と足並みを揃えて対ロシア制裁を科す日本政府の立場と異なるため、今も「二重外交」との批判が渦巻いている。
木村:ロシアへの制裁は欧米に追随しているだけで、日本独自の判断ではない。北方領土問題を抱えている日本は表向き同調することでお茶を濁していますが、意味のない制裁は一刻も早く解除したいというのが安倍政権の本音なのです。今の日本の外交は米ロの板挟み状態。今回わかったことは、保身のことばかり考えて何の役にも立たない政治家とは違い、自分の頭で考えて対処できる、国際基準を持った政治家の一人が鳩山さんだったということ。今、ロシアの視線は欧州からアジアにシフトしつつあり、大きなパラダイム転換の時期にある。目まぐるしく変わる国際情勢の中では外交のバランス感覚が求められるが、ここらで独自の外交を真剣に考えないと、日本の真の自立はさらに遠のく……。そう考えたとき、民主党政権時にロシアとの文化交流を推し進め、鳩山一郎首相時代に日ソ共同宣言という成果を出した“鳩山ファミリー”を、ロシアは今も高く評価しているはず。今回、日本の報道を見て思うのは、鳩山さんがツッコまれやすいキャラなのかもしれないが、メディアは霞が関(外務省)のリーク情報頼みというだけでなく、単なる人格攻撃で溜飲を下げているだけ。これを機に日本外交を再考すべきですよ。
アメリカの工作について
木村:(前略)2013年11月21日、当時の(新ロシア派である)ヤヌコビッチ大統領がEUとの連携協定の署名を拒否し、首都キエフで初めてのデモが発生しましたが、この直後の12月10日には、アメリカのヌーランド国務次官補がマイダン入りして、ご丁寧にデモ隊にクッキーを配って激励しているわけです。ちなみに、彼女は、ウクライナ米国協会でアメリカに好意的なNGOに10年間で50億ドル支援したと明言したこともある人物で、彼女の伴侶はゴリゴリの反ロシア論者であり、ネオコンの代表的な論客として名を馳せる評論家、ロバート・ケーガン氏……。
木村氏の主張にすべてが含まれてゐる。
(國の獨立と社會主義と民主主義、その百二十四)へ
(國の獨立と社會主義と民主主義、その百二十六)へ
メニューへ戻る
前へ
次へ