五百八十五、横須賀訪問記(親戚の一周忌)

平成二十六甲午
六月三十日(月) 一周忌と納骨
昨日は親戚の一周忌と納骨で横須賀まで行つた。駅からかなり遠いところに霊園がある。かつては ゴルフコースだつたところを霊園にしたさうだ。日本式の縦型の墓石はなく横型または斜め型である。 地震の多い日本ではよいことである。
墓石に何々家あるいは先祖代々と昔ながらの書き方は少数で、ありがとうだとかやすらかになど自由に 言葉を書く墓石が多い。私はこれには反対である。従来のやり方に不都合があるなら変へたほうがよい。 不都合がないのに新しい方法は用いないほうがよい。世の中が再び変つたとき奇妙になる。

七月一日(火) 乗組員と旅券
船の乗組員の親戚に旅券がすぐいつぱいになるのではと質問すると、乗員は日本を出入国のときと 外国に出入国のときにスタンプを押されないさうだ。これについてインターネットで調べると、まづ船員手帳 で旅券の代用をすることができるが、今回はこれではないらしい。
航空機の乗務員の場合で、スタンプを押す国と押さない国があるさうだ。Yahooの知恵袋はこの質問に 対しいろいろな人が押す、押さない、GDで管理すると喧嘩腰に回答して大変な荒れ方である。例えば
貴方は日本のCIQの事しか知らないようだね。 日本から出国、また 入国する場合はGDにチェックを入れるけど 海外では別々のカウンターへ行っても入国できるんですよ。 ご存知ないようですね。 他の方が書かれているように日帰りだけの国際線を飛んでいる 子会社の 乗員さんなのか? それともただの地上職員なのか。 知らない事を知ったかぶりすると恥ずかしいだけだよ。 こんな事で馬脚を出していたんだ。

話を総合すると、米国、ドイツ、マレーシアは乗務員のパスポートにも スタンプを押す、アメリカは毎回 押すらしい。

七月二日(水) GD
GDについて調べると航空機の場合は次の内容が書かれてゐる。
・航空会社名
・便名
・日付
・飛行機の登録番号
・出発地
・経由地
・到着地
・旅客数
・乗員、乗務員数と名前
・検疫関連の注意事項
・責任者署名
別の書き込みには
入国関係の書類なのであまり詳しくは言えないのですが 氏名、性別、職位、生年月日等が書かれた 書類です。
とある。船とGDで調べても載つてゐなかつた。代はりに乗客の欧州への旅行の質問があつた。
クルーズ旅行にでかける予定です。そこで質問なのですが、 船で 入港するとイコール入国したことになるのでしょうか?
乗船の際にパスポートを預け下船まで返ってこないと聞きました。
また国によってはパスポートに入国スタンプを押されない所もあると聞きました

これの答として
クルーズを何度かしています。地中海もチュニス、マルタ以外は行きました。クルーズの場合、乗船 チェックインで出入国手続きになるので寄港地で入国審査を都度都度受けることはありません。 パスポートにもスタンプは押されません。
とあるがこれは説明を要する。欧州は飛行機の場合でもイギリスを除きスタンプは押さない。欧州内を 飛行機で旅行したことはないが、列車でドイツからオランダまで旅行したことがある。そのとき車掌だか 入国審査官だかが走行中に車内を回り普通の乗客には声を掛けず私には声を掛けた。私は国境が 見えないかとデッキで外を見てゐたから話し掛けられたのかと思つたがアジア人で明らかに欧州外だ から声を掛けたのだらう。回答した人も後半で
入国審査はミラノ直行便の場合はミラノで入国審査となり、その後は欧州内は国内線と同じ扱いに なります
と書くが前半とは矛盾するので前半とは切り離した。

七月三日(木) 馬門山墓地
帰りは駅の近くの馬門山墓地に寄つた。明治時代に横須賀軍港の墓地として作られ、戦後は市営墓地 として一般にも公募された。軍港時代の墓石は二百七十九柱でほとんどが明治時代のものだから 表面の風化が進んだものもある。二等火夫だとか三等水兵などと名前の前に書かれてゐる。勲何等だと か功労だとか書かれたものもある。称号は死後まで持つてはいけないし、明治政府のその等級式の 扱ひに西洋猿真似の欠点を感じた。
明治政府は神社にまで等級をつけた。或いは公爵から男爵に至るまでの華族を設けた。後者は明らか に西洋の猿真似である。西洋でもアメリカのように華族のゐない国もある。さういふところは真似せず 政府高官たちの都合のよいところだけ真似する。消費税だけ真似した菅野田とその亜流も同じである。 西洋猿真似が駄目な理由はここにある。
墓石の横側には何々縣士族、何々県平民などと書かれてゐる。戦前は神式、仏式の両方で慰霊祭を 行なつたさうだ。インターネットで調べると昨年十月に財団法人防衛施設周辺整備協会から200万円 の資金提供を受け公益財団法人水交会が市内の石材業者に工事を依頼したとある。つまりは我々の 税金が間接的に使はれたがこれはよいことだ。壊れた土台はコンクリートで補強し、傾いたり折れたり した墓石は接着剤で復元された。墓石の表面はそのままだから風化したものは字が読めないものも ある。私が見たのはこの修復した後だつた。(完)


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