四百四十四、解任されたエジプトのムルシー大統領を支持


平成25年
七月六日(土)「クーデター」
エジプトでクーデターが起きて、ムルシー大統領が解任された。ムルシー氏の属するムスリム同胞団をウィキペディアで調べると
イギリスの保護国だつた一九二八年に西洋からの独立とイスラム文化の復興を掲げて結成。創設者バンナーは一九四九年に王党派の秘密警察に暗殺された。一九五二年のクーデターの時は自由将校団に協力し、約二千三百年ぶりにエジプト人が統治する国家が成立した。一九五四年に同胞団が陰の実力者ナセル暗殺に失敗し、ナセルは初代大統領を逮捕し自分が第二代大統領に就任し、ムスリム同胞団の多くの指導者が処刑され同胞団は壊滅状態になつた。
二〇一一年ムスリム同胞団は他の勢力と連合して政党「自由と公正党」を結成し、党首にはムルシー、二人の副党首の一人にコプト教徒が就いた。昨年始めの人民議会選挙で躍進し、昨年六月の大統領選挙でムルシーが当選した。
同胞団への批判として
・2007年の政策綱領案に「キリスト教徒や女性は大統領や首相になれない」と書かれたが2010年にはこの表現を削除した。
・欧米などではムスリム同胞団への警戒がある。しかし1970年代以降は過激路線を排しており、現在、欧米におけるテロ指定組織にも指定されていない。
・2011年2月、アメリカのオバマ大統領は、ムスリム同胞団を「反米思想」と表現した。
・ムスリム同胞団はイスラーム法(シャリーア)の実施を主張している。これを機械的に適用した場合は、エジプト内のコプト教徒は厳しい差別と抑圧の懸念を抱く者がある。しかし昨年の人民議会選挙で、一部のコプトの司祭などが「自由と公正党」に投票したことを明言した。

つまりムルシー大統領には何ら問題はない。

七月七日(日)「初めての民選大統領」
今までエジプトは軍が大統領を送り込んでゐた。昨年初めて選挙でムルシー氏が選ばれた。就任前に軍は憲法を改正し大統領の権限を弱めた。ムルシー氏は就任後に憲法を再改正した。軍はそれまで産業にも進出し国内総生産の10%から15%を占める。利権が奪はれる。軍はさう判断したのではないのか。
それより気になるのは、軍はアメリカから10億ドル(約1000億円)の援助を受けてゐる。しかもクーデターが発生するや外相がアメリカに連絡し、クーデターではないと説明した。
エジプトの軍事力はイスラエルに匹敵し、アラブ諸国で唯一偵察衛星も持つ。装備は旧ソ連のものが多かつたが、今ではアメリカなど西側製のものが主流になつた。

七月九日(火)「本当の敵」
釈尊ゆかりの霊地ブツダガヤで爆弾騒ぎがあつた。インド内務省によるとミヤンマーの仏教とイスラム教の対立がインドに波及したとみて捜査を開始した。
仏教徒はイスラム教をけしからぬと批判してはいけない。この時期に宗教対立を喜ぶのはグローバリストである。
今回の事件の背後でそそのかした組織があるかだうかを注意深く見守るべきだ。例へ背後関係がなかつたとしても、テロリストはごく僅かでほとんどのイスラム教徒は真面目に信仰してゐる。すべての伝統宗教を破壊する本当の敵はグローバリズムである。

七月十一日(木)「歯切れの悪いアメリカ」
アメリカはこれまでずいぶん他国の政権転覆に関はつた。その際は民主主義を口実にした。だから今回は軍部を批判すべきだ。ところが双方の暴力を批判するだけで歯切れが悪い。それはその筈である。アメリカの嫌いなイスラム政権が転覆したからだ。支持したいが公然とはできない。だからあいまいな表現になる。
アメリカはこれまで軍部に毎年10億ドルの支援をして来たではないか。アメリカが拝米軍部を育成し、拝米軍部がクーデターを起こした。世界はさう断定するだらう。

七月十三日(土)「軍事ジャーナリスト田岡俊次氏の記事」
Diamond Onlineで軍事ジャーナリスト田岡俊次氏が次のように書いてゐる。
日本のテレビや一部の新聞は7月3日に起きたエジプト軍による政権奪取を「事実上のクーデター」と奥歯にもののはさまった様な表現で伝えた。軍が大統領を拘束し、憲法を停止し、与党の自由公正党や支援団体の幹部300人の逮捕を開始し、テレビ局6局を閉鎖する、などの行為は、まごうかたなきクーデターだ。

私も今回のクーデターが一段落した後に、日本のマスコミの偏向ぶりをまとめて批判しようと考へてゐた。日本のマスコミはマスコミではない。「事実上の拝米偏向媒体」である。さうなつた理由を田岡氏は
この妙に遠慮した表現が生じたのは、米政府がエジプト軍の行動を非難しつつも「クーデター」という語を使用していないためで、日本メディアが米国に追従する傾向を如実に示した例だ。NSAによる世界的な盗聴、コンピュータ侵入などを内部告発した人物を日本のメディアが「スノーデン容疑者」とするのもその伝だ。それなら米国などへの亡命者も、本国で違法行為の疑いが出ていれば「容疑者」と書くべきだろう。米国の自己中心的な価値観や表現を、日本のメディアが金科玉条とするのは卑屈の感を免れない。

日本は戦後六十八年を経過しても独立できてゐない。次にエジプトの軍部を見てみよう。
エジプト軍の装備を見ればその米国への依存が明らかだ。戦車2497輌のうち米陸軍が現在使用中の戦車と同じ新鋭のM1A1が1087輌、やや旧式の米国製M60A2、同A3が1150輌で、計2237輌が米国製だ。
空軍、海軍も同じである。当時の大統領サダトが親米親イスラエルに舵を切つたためである。そのため国内で反対が強くなり八十一年暗殺された。副大統領から大統領に昇格した空軍元帥ムバラクはサダト路線を継承したため反対運動が起きて二年前に失脚した。そして昨年ムルシー氏が初めて選挙で大統領に選ばれた。
エジプト軍は製造業、農業、サービス業などを手広く営み、規模は「GDPの30%程度」とも言われる。収益は議会が認める予算とは別枠で、将軍たちの追加所得源や天下り先となっている。(中略)軍人はこうした特権がムルシ政権により徐々に奪われそうな形勢に焦りを強め、経済の低迷とインフレに悩む大衆や、イスラム色の濃い新憲法に不満なリベラル派の反ムルシ活動に便乗、煽動し、反ムルシ・デモの参加者数を誇大に発表するなどクーデターを正当化する環境を作り出した。

ムルシー政権と軍部のどちらが正しいかは明らかである。今回の騒ぎが一段落した後に 日本の偏向マスコミを検証すると面白い結果がでるだらう。

七月十五日(月)「パレスチナのガザ地区との国境から軍部の欺瞞が判る」
クーデター前の六月三十日に反政府デモが行はれたが、その一週間前から軍部はパレスチナのガザ地区との国境の密輸トンネルを破壊し始めた。ガザ地区はイスラエルに囲まれ、エジプトとの短い国境に多数の密輸トンネルが掘られ、物資や武器が運ばれてゐた。
軍部は反政府デモでやむを得ずクーデターを起こしたやうな言ひ振りだが、その前から既に行動を起こした。それにしても今回のクーデターの背後にどこの国があるのかだんだん明らかになつて来た。

七月二十日(土)「伝統国と移民地域」
EUがエジプトに対してムルシー氏の釈放を要求した。EUはこれまでイスラエル問題でもアメリカとは異なる対応をして来た。世界は伝統国と移民地域に分けられる。地球温暖化を防ぐには移民地域への人口流入を直ちに停止し、将来は移民国を解体すべきだ。アメリカについては独立時の十三州に限り、イスラエルについては戦前の人口比に基づいて議員を選出し、一方で現在イスラエルに住む人の居住は認めるべきだ。
世界には伝統国と移民地域がある。これを区別することが今後の地球温暖化解決と世界平和の鍵となる。(完)


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