四百十七、アジア蔑視を許すな


平成25年
五月十八日(土)「西村真悟」
維新の会の国会議員西村真悟が「韓国人の売春婦はまだうようよいる。大阪で『お前、韓国人慰安婦だ』と言ってやったらいい」と暴言を吐いた。西村は連合大阪の顧問弁護士を経て連合の会から公認で立候補しこのときは落選だつたが、旧民社党公認で立候補したときは当選した。労働組合と係はりの深い男がなぜこんなことをいふのだらうか。
同じような話で旧民社党元委員長の塚本三郎が講演で中国の悪口を羅列するので驚いたこともある。翌年の講演は聴きには行かなかつたが実行委員会が終了後の打ち上げを中華レストランで開催しようとしたところ、1/3くらいが「シナ料理なんか食へるか」と帰つてしまつたさうだ。
旧民社党が反共なのは判る。しかし結党以来年月が経つにつれ相当堕落したようだ。アジア蔑視は許し難い。西洋レストランはよくて中華レストランは駄目だといふのはアジア蔑視である。中華レストランといつても台湾系、香港系かも知れないではないか。これで反共ではなく脱亜入欧なことがわかつてしまつた。

五月十九日(日)「もう一つのアジア蔑視」
ここ二十年ほど日本を欧米化しようとする腹黒い連中が現れた。一つは昨日紹介したように日本以外のアジアの国々を蔑視する連中である。もう一つは韓国や中国を反日に仕立てることで日本の伝統部分を批判しそれによつて欧米化するといふ手の込んだ連中である。後者の日本人は戦前の日本の行為を批判することにより、一見親アジアに見えるが、目的は欧米化だからアジア蔑視である。

五月二十一日(水)「醜い日本人」
日本人が醜くなつたのはプラザ合意で急激な円高になつてからである。その前はほとんどの日本人は海外旅行に行けなかつた。ごく稀に新婚旅行でハワイやオーストラリアに一生に一度の思ひ出といふことで行く人がゐた程度だつた。だからあの当時は一次旅券が普通で、現在旅券と呼んでゐるものは当時は数次旅券と呼ばれた。しかしプラザ合意後に海外旅行に行くようになつてから欧米猿真似が出てきたし円高で他のアジア国を見下すようになつた。
今年三月のベトナム旅行のときにホーチミン空港での出来事である。成田行きの搭乗受付口の前で多数の乗客が椅子に座つて待つた。五十五歳くらいの夫婦で妻のほうがみやげ物店で横柄な客がゐたと話し始めた。特にどこの国とはいはなかつたがベトナム語ではなく中国語みたいだつたといつたとき夫は「ピャーピャーうるさいからな」と答へてゐたがそのうち「チヤンコロめ」と言ひ出した。私は思はずその男性の顔を見たが、サラリーマンで部長クラス或いは中小企業経営者といふ感じのごく普通の男だつた。
夏目漱石の小節で、あんなのが江戸つ子なら江戸つ子にはなりたくないものだと云ふくだりがあるが、あんなのが日本人なら日本人にはなりたくないものである。
ホテルから空港まで送迎を担当したベトナム人は日本語が堪能で話も面白い。空港に着く直前に、この空港は日本の援助で建設されました、皆さんの税金です、大林組が建設しました、あそこ(と指差す)にベトナムと日本の国旗があります、空港に着いたらあの前で君が代を歌つてください、といふので皆で爆笑した。
私はチエツクインののち見に行つた。円借款で建設したことが書かれてゐた。説明板の前で一人で君が代を大きな声で歌つた、といふのは冗談で黙つて説明板を見た。

五月二十五日(土)「日本語の堪能な外国人は日本の国益である」
ベトナム人ガイドに限らず日本語の堪能な外国人が多いことは日本の国益である。日本国内の在日韓国朝鮮人も日本語を母国語とする外国人といふことで国益である。
それとは逆に最近は英語、英語と叫ぶ腹黒い連中がゐる。腹黒いと断定する理由は、まづ日本語と発音がまつたく異なるから聞き取りができるようになるのに時間が掛かる。次に今の日本には英語が出来る人が余ることはあつても不足することはない。三番目に今の日本はアメリカ化が進みすぎて社会が不安定である。それなのに英語、英語と叫ぶことはますます社会を混乱させる。つまり日本語のできる外国人が国益なら、英語英語と騒ぐ連中は国害である。(完)


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