三千三百十七(うた)胃婁と文化
丙午(西洋地球破壊人歴2026)年
九月二十一日(月)
母は食べることができなくなり、言語聴覚士のリハビリでも駄目だった。今は鼻から食事を摂るが、生活満足性が極めて悪化するので、まもなく終へるだらう。
食べられず 鼻から管に液体をお腹へ流し 飢ゑを避け命を繋ぐ 何時迄持つや
反歌
鼻の管手は拘束に痛ましく治るか看取り今分かれ道
胃婁は止めよう、の方向で妻や子と意見統一をしてきた。此処で、外国の胃婁事情についてAIに訊いた。結論は、ドイツを除く欧州は低い。アメリカとドイツは、高い。日本やアジア各国は、さらに高い。
AIは、アジアが高いのは儒教の影響、ドイツはナチスへの反省、アメリカは個人主義、と理由を説明する。小生は、異なる意見を持つ。
近代医学は、欧州から発生した。つまり欧州は、医学の操縦法を心得る。
アメリカは、イギリスに反抗して建国した。つまり、欧州の癌細胞だ。ここが、カナダやオーストラリアが良性腫瘍なのとの違ひだ。
アジア各国は、西洋医学を使ふことはできても、また新たな発見や開発をすることは出来ても、操縦ができない。
ドイツは、ナチス崩壊で、国が無くなった。新たに国を作り、トルコ人の移民を多数受け入れた。つまり、新しい国と云へる。別の解釈で、ドイツはカトリックとプロテスタントが拮抗するので、尚の事、文化が崩壊したと云へる。オランダも拮抗するが、国は続いた。
これは、日本で長い戦国時代で国が崩壊したときに、宣教師がキリスト教を伝へ、信長が単純唯物論になった状況と酷似する。
胃婁は日本だけか
地域 高齢者・終末期における胃瘻への考え方
日本 胃瘻を造設して延命する事例が多い。かつては、食べられなくなったら終わりでしたが、医療技術の進歩や、1日でも長く生きてほしいという家族の願い、誤嚥性肺炎の防止、施設側の手間を減らす目的などから広く普及しました。近年は見直しの動きも進んでいます。
北欧・欧米 終末期や認知症の高齢者に胃瘻を作ることはほとんどありません。認知症が進んで食べられなくなることは、自然な老衰と捉えられており、無理な人工栄養は本人に苦痛を与えるとみなされる国もあります。そのため、点滴や胃瘻による延命はせず、看取りに移行するのが一般的です。
欧米のなかでも地域によって差があります。
イギリス・北欧など: 人口あたりの胃瘻件数は日本に比べて極端に少ないです。
アメリカ・ドイツなど: 州や社会的背景、宗教的な理由、あるいは施設への入所要件によって、日本と同様に胃瘻を作って対応するケースも一定数存在します。
州や社会的背景、宗教的な理由とは
1. 「州」による違い(アメリカの法律・政治)
アメリカは州によって法律や政治的・思想が大きく異なります。
保守的な州と自由州の差:キリスト教的な価値観が強く、生命の尊重を最優先する保守的な州(南部など)では、終末期であっても医療行為を控えることに消極的な傾向があります。
逆に自由な州では、尊厳死や医療介入の拒否が認められやすいです。
代理人の法的権限:本人の意識がない場合、誰が医療の決定権を持つかが州ごとに異なります。家族の意見が強く反映される州では、家族が、少しでも長く生きてほしいと望めば、医師は訴訟を恐れて胃瘻を作らざるを得ない事例があります。
3. 「宗教的な理由」の違い
キリスト教(一部の保守派・カトリックなど):「命は神から授かったものであり、人間が勝手に終わらせてはならない」という教えに基づき、人工的であっても水分や栄養を補給し続けることが人道的な義務であると考える宗派や個人がいます。
正統派ユダヤ教やイスラム教:これらの宗教でも、医療行為による「命の短縮」や「栄養の遮断」を厳しく禁じる戒律や解釈があります。たとえ回復の見込みがない終末期であっても、飢えや渇きで亡くなるように見える人工栄養の停止を受け入れられない家族は多いです。
キリスト教でも、欧州はドイツを除きなぜ少ないか
1. カトリック教会自身が「過剰な延命(虐待)を禁止」している
ローマ教皇庁は、「命を人工的に終わらせること(安楽死・自死)」は厳しく禁じていますが、同時に「回復の見込みがないのに、無理に生かし続けること(=執拗な治療、過剰な医療介入)」も禁止しています。
2. 「死を自然の過程」とするヨーロッパ共通の文化
西欧・北欧・南欧を問わず、宗教に関わらず「老衰や認知症の末期で口から食べられなくなることは、人生の自然な終わり」という強い共通認識があります。
日本では、1日でも長く、が家族の愛とされがちですが、欧州では、不自然な機械(胃瘻)につながれてベッドに縛り付けられることこそ、人間の尊厳を奪う残酷な行為、と捉えられます。
3. フランスを筆頭とする、緩和ケア、の充実
たとえば熱心なカトリック国であるフランスでは、2000年代以降に終末期医療の大転換が起きました。フランスでは法改正(レオネッティ法など)により、「医師は頑迷な治療(無益な延命)を行ってはならない」と法律で義務付けられました。
4. なぜドイツだけは多いのか
ナチス・ドイツの負の歴史:ドイツには、かつてナチス政権下で「生きるに値しない命」として障害者や高齢者を組織的に安楽死・餓死させた(T4作戦)という、歴史的反省があります。結果的に胃瘻などの選択が残りやすくなりました。
アメリカ、ドイツ、日本の胃婁比率は
1. 年間の新規胃瘻造設件数(大人)の比較人口規模が異なるため、単純な件数と人口あたりの規模感で比較します。
アメリカ: 年間 約21万件以上人口(約3.4億人)に対して非常に多い。
ドイツ: 年間 約14万件人口(約8,400万人)。人口あたりの造設比率は欧州のなかで突出して高い。
日本: 年間 約10万件以下。かつては年間13万〜14万人以上に作られており、人口比(約1.2億人)で見ればアメリカを凌ぐ、世界一の胃瘻大国でした。しかし、2014年の診療報酬改定以降は、新規造設は減少しました。
2. 高齢者施設での保有比率
日本約7% 〜 9% 特別養護老人ホーム(特養)のデータ。医療依存度の高い療養型病床では約28%に跳ね上がります。見直しが進んだ現在でも、長期療養の現場では高い比率です。
アメリカ約5% 〜 10% 施設によって格差が激しいです。胃瘻がないと入所を断る施設がある一方で、事前の意思表示で人工栄養を拒否している高齢者も多いため、個人差・地域差が大きく出ます。
ドイツ約6% 〜 8% 欧州平均(1〜2%未満)に比べると非常に高い数値です。寝たきり高齢者への介護負担の軽減や、医療倫理的な慎重姿勢から、施設内で広く浸透しています。
※比較対象として、北欧やイギリス、フランスなどの高齢者施設では、胃瘻保有率は1%未満です。
シンガポール、韓国、台湾は
アジア近隣諸国(シンガポール・韓国・台湾)の胃瘻事情は、かつての日本に非常に近い(または少し前まで近かった)、胃瘻が作られやすい国々です。
日本と同様に、家族の絆を重んじる儒教的な文化背景があるため、胃瘻比率が高くなる傾向がありました。しかし近年、日本と同様に法律の整備や見直しの動きが急速に進んでいます。
1.韓国:延命重視から大転換へ
韓国は日本以上に少子高齢化が進んでおり、死生観や医療の変遷も日本と酷似しています。
実態(比率は高め):数年前までは寝たきりの高齢者に対し、胃瘻や経管栄養による延命を選択する比率が非常に高い国でした。
見直しの動き(尊厳死法の施行):2018年に「延命医療決定法(通称:尊厳死法)」が施行されました。これにより、回復の見込みがない終末期患者に対し、本人の意思があれば胃瘻や人工呼吸器などの延命治療を、開始しない、中断することが合法化されました。
2.台湾:アジアで最も早く法律を作ったが、現場での葛藤は続く
台湾はアジアのなかで最も、終末期医療の法整備に先進的です。
実態(依然として高い利用率):国民皆保険が充実しており、医療費の自己負担が軽いため、胃瘻を含めた延命治療が行われやすい環境が長く続きました。
見直しの動き(アジア初の先進的な法律):2000年に「安寧緩和医療法」、さらに2019年にはアジアで初めての包括的な権利法である「病人自主権利法(患者自主権法)」を施行しました。認知症の末期などで本人が事前に拒否していれば、胃瘻(人工栄養)を拒否できる権利が法的に保障されています。制度は進んでいますが、現場ではまだ、家族の情との間で葛藤が多いとされています。
3.シンガポール:欧米に近い医療制度だが、中華系文化が残る
シンガポールは元イギリス植民地であったため医療体制は欧米(効率重視・自立支援)に近いですが、人口の7割以上を占める中華系の文化(儒教観)が医療現場に影響しています。
実態(二極化):国全体の医療費抑制の方針や、在宅を重視する政策(安易な長期入院をさせない)があるため、日本のような何年も寝たきりで胃瘻のまま入院し続ける比率は低いです。
しかし個々の家庭内では、親に長く生きてほしいという中華系やマレー系の伝統的な家族観から、胃瘻を希望する事例は根強く存在します。
見直しの動き(事前指示の推奨):シンガポール政府は「事前医療指示(AMD)」や、日本でいうACP(人生の最終段階の話し合い)の普及に力を入れており、本人の意思で不要な胃瘻を避ける選択ができるよう、社会全体の意識改革を後押ししています。
年越しを迎へられるか 誕生日越えられるのか 鼻と手ヶ不自由せずに安らかな日を
反歌
欧米とアジアの国を見比べて標準及び歴史に沿ひて(終)
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