三百六、労働組合のノウハウを宗教団体に、宗教団体のノウハウを労働組合に

平成24年
10月13日(土)「顕正会入会の経緯」
九月一日に顕正会に入会したのは、全労協系の原発反対集会で顕正新聞を配つてゐたからだが、6000万人を目指すと書いてあつたからである。顕正会はどちらかといふと「下」「下の上」「中の下」あたりが多い。その層が6000万人を目指すといふことは、かつての社会党が佐々木委員長の時代までは政権を目指してゐたのと同じである。
今回はたまたま顕正会がさう主張するので入つたが、もし真宗大谷派が6000万人を目指すといへばやはり入つた。キリスト教系の団体が6000万人を目指すといへば、やはり入るがその前に信徒構成を調べる必要がある。キリスト教系の場合は「上」「上の下」などが多いことがあるからである。あとキリスト教が日本に入ることにより社会がだう影響するかを調べる必要がある。

10月14日(日)「総資本対総労働、或いは雇用権を取り戻す」
日本の労働運動が駄目な理由は大目的がないからだ。かつては総資本対総労働といふ大目的があつた。しかし民間労組が次々と会社の第二労務部と化した。原因は企業別労組である。企業別労組でも執行委員を互いに交換し合ふだとか対策はあるではないか。雇用権を労組が獲得することを大目的としてもよい。つまりクローズドシヨツプである。これなら失業のときも労組主導で対策を立てられる。

10月22日(月)「菓子折り解決」
先月の京都での労組大会で、熊沢誠氏から菓子折り解決といふ話があつた。労組に駆け込む。解決すると菓子折りを持つてきて脱退する。熊沢誠氏が関係する関西の労組は専従が地区労や平和センターを兼任し事務所も共同なので財政が逼迫してゐない。独立系の組合は地区労や平和センターから支援がないから自力で収入を得ないと破綻する。だから解決金が取れたときは一定をカンパしてもらふ。かつては「収支が苦しいので」とお願ひし、払ふほうも「労使対決のために」と納得してゐたが、総評と社会党が解体ののちは事情が異なつてきた。

10月24日(水)「総労働対総資本」
経費を掛けないために専従は最低限に抑へ、その分の労力は自分の争議を解決した組合員が手伝ふ。これが理想である。我々の組合も元はこのような形態だつた。全労協全国一般加盟単組の下部組織として結成し、専従は単組の兼任だつた。マスコミに騒がれ有頂天になつたこともあり単組から独立しその後、連合に加盟した(一昨年分裂し我々は連合を自然脱退の形となつた)。
連合時代は組合員が手伝ふことはなかつた。だから総資本対総労働の対決が必要だと考へた。しかし昭和五十年代後半からこの言葉はむなしく響く。

10月25日(木)「おばさんの威力」
自分の争議を解決した組合員が新しい組合員を手伝ふ。これが理想である。しかし熊沢氏の講演でも、さうしてくれるのはおばさんだけだといふ話があつた。その話を聞いて連想する事は宗教団体である。とにかく婦人部が強い。今回の「労働組合のノウハウを宗教団体に、宗教団体のノウハウを労働組合に」はまさに熊沢氏の講演から生まれたのであつた。

10月27日(土)「宗教団体がそれぞれ労組を持つ」
労組側に解決する方法はある。労使対決を復活させることだ。しかし総資本対総労働を言ふ人は今や少なくなつた。だとすれば宗教団体が労組をそれぞれ持つべきだ。ただし労働組合法で宗教による差別は禁止されてゐるから、信徒以外も受け入れるべきだ。これは法律で禁止されたから受け入れるといふのではなく、人間として当然のことである。もつともよその宗教団体の労組では肩身が狭いから加入する人は少ないが、信徒ではなくてもその団体に好意を持つ人はゐるものである。
宗教団体なら自分の争議が解決しても他の組合員のために活動しようといふ人がほとんどのはずだ。そもそも西洋はキリスト教が根底にある。さういふ人達が多いからこそ、企業別組合や政党に圧力を掛けて消費税増税を行ふといふ連合のような利己主義に堕落せず、クローズドシヤツプやワークシエアリングを獲得してきた。

10月28日(日)「労組は堕落する」
労組は堕落する。そのことを一番体験したのは友誼組合の起こした5年前の事件である。男女関係のもつれから週刊誌に報道され、単産が分裂寸前になり大変な騒ぎになつた。そしてその2年後によりによつてその友誼組合とうちの組合が事務所を統合し財政も実質統合するような案が出たため、つひにうちの組合は分裂した。
総資本対総労働といふ大目的を失へば労組は堕落する。

10月28日(日)その二「宗教団体も堕落する」
私が中途採用で富士通の関係会社に就職したとき、同期でOさんが入つた。Oさんは或る国立高専を卒業後に日電ソフトに就職し、今回富士通の子会社に転職した。私より1歳年上でコンピユータに詳しく私もいろいろ教へてもらつた。いいやつだが二つ欠点があつた。
一つ目は怪しげな売春宿に行くことである。一人でそつと行くならまだ目をつぶるが、行くことをあちこちで公言し若い技術者にも勧める。困つたものだと苦々しく思つた。二つ目はときどき行方不明になることである。会社を長期に無断欠勤しアパートにも帰らない。1回目は半月ほどしてひよつこり会社に現れ、このときはお咎めなしで済んだ。2回目は新宿の歌舞伎町で姿を見たといふ人がゐて会社の関係者が歌舞伎町まで行つて見つけた。このときは会社が半導体から電算に移つたこともあり停職処分になつた。
その後数ヶ月はまじめに勤めてゐたがそのうち退職した。その後かなり肥満になつたとうわさを聞いた。そして急死した。そのとき私はアメリカ長期出張中だつたので葬儀には行けなかつた。

それから何年もして、Oさんと同じ高専の出身者が中途で私の勤務する会社に入つた。Oさんのことを知つてゐるか尋ねると「知つてゐるどころではないですよ。高専を卒業していつしよに日電ソフトに入社し、武蔵溝ノ口の寮もいつしよだつた。Oさんは創価学会でよく座談会に誘われた」と驚いてゐた。私もOさんが創価学会だと聞いて驚いた。まさか売春宿に入り浸りの創価学会員がゐるとは夢にも思はなかつたからである。

10月29日(月)「もう一人の創価学会員」
私の勤務した富士通の子会社は電算部門に移つた後もソフトだけではなくハード技術者がゐた。電算に移つた後に中途で入つた或るハード技術者が数日連続の無断欠勤を繰り返す。数人で彼のアパートに押しかけて(といふと創価学会の折伏みたいだが)激励の後に近くのスナツクで酒を飲むことをよくやつた。彼は一人暮らしなのにアパートに仏壇があり聖教新聞が置いてあつた。小声で「創価学会なの?」「よく判りましたね」「会社に来るやうにしたら?」「こまい(細かいの意味だらう)仕事は合はない」と他のメンバーに聞こへないよう話したことを憶へてゐる。彼もまもなく退職してしまつた。Oさんと彼を批判することはしない。私だつてまもなく退職した。
退職理由は異なる。Oさんは歌舞伎町、ハード技術者は職種不適合、私は総評が解散になる直前で全民労連会長の樫山の出身の電機労連の藁科委員長の出身組合の富士通労組でいろいろ発言して労働争議になつた。このとき私は正信会(当時は反創価学会の最左派)に所属してゐたが、決して創価学会員に敵意を懐くことはなかつた。その理由は近代資本主義の犠牲者を救済する一翼を担ふからであつた。
この当時は簡単に転職ができるよい時代であつた。国民は転職権を持たなくてはいけない。そのために失業は政府の責任でなくすべきだ。

11月3日(土)「堕落しないためには」
労組も宗教団体も堕落する。労組は総資本対総労働の姿勢を保つことで防ぎ、宗教団体は戒律で防ぐ。ところが日本の仏教は戒律さへ守らない(日蓮系が無戒なのは布教に努力すればそれが戒律になるからだから、布教に努力すればよい。しかし既得権を持つと公明党みたいに駄目である)。
ユニオンシヨツプと墓檀家はよくない。どちらも堕落の典型である。企業別組合と僧侶妻帯もよくない。前者は利権、後者は世襲が絡む。(完)


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