三百一、東條英機の轍を踏んではいけない
平成二十四年
八月二十一日(火)「困つた地方議員」
尖閣列島に泳いで上陸した地方議員がゐる。困つた連中である。かれらの思考は東条英機と変はらない。放置すると国を滅ぼす。東条英機には(1)開戦責任、(2)敗戦責任、(3)戦争犯罪責任がある。
極東軍事裁判ではこのうちの(1)のみを裁いた。(3)も裁いたふりをしたが、英仏蘭が植民地を解放したのは戦後すぐではなかつたし、人類史上最悪の犯罪である二つの原爆は未だに裁いてゐない。つまり(1)のみを裁いた。
東条英機の敗戦責任は闇に葬られた。そのため今回の地方議員のように東条英機の敗戦行為と同じことをする連中が現れた。
八月二十二日(水)「意味の無い尖閣諸島上陸」
尖閣諸島に上陸して問題が解決するなら上陸したほうがよい。しかし上陸した連中も解決するとは思つてはゐないはずである。解決策を持たないまま騒ぎだけを起こす。あとのことは知らない。日華事変のときの拡大派とそつくりである。
見渡せば今の民主党はこのような連中ばかりである。菅直人改造内閣で前原が外相になつてからは北方四島、竹島、尖閣諸島とすべて悪化した。帝政ロシア時代も含めて人類史上初めて北方四島にロシアの元首が上陸するといふ事態も引き起こした。枝野は中国に進出した企業は自己責任だと発言した。
野田に首相の座が転がり込んでからも同じである。これも人類史上初めて韓国の大統領が竹島に上陸した。
そして今回の尖閣諸島騒ぎである。今回の伏線は野田にある。地方議員は外交には責任を持たない。そんな連中が外交問題を起こしてどうする。東京都の尖閣諸島購入は国内問題だし猪瀬副知事のいふことはまだ筋が通つてゐる。今回の上陸騒ぎはまつたく筋が通らない。
八月二十三日(木)「松下政経塾は劣悪人間排出機関だ」
領土問題は前原が外相になつてから悪化した。前原は声高に叫べば相手国はおとなしく引き下がると思つたようだが、普通は相手国も声高になる。そんなことも判らないのか。松下政経塾は劣悪人間排出機関である。
野田は先月、衆議院本会議で「尖閣諸島を含むわが国の領土領海で周辺国による不法行為が発生した場合は、必要に応じて自衛隊を用いることを含め、政府全体で毅然として対応する」と答弁したが、日本は北方領土と竹島を領土領海としてゐる。周辺国の軍隊、民間人、政府関係者の滞在は不法行為である。野田は自衛隊を用いるのか。
憲法第九条には「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあるが、これに違反する。
前原も野田も先のことを考へない。前原は言ふだけ番長とマスコミに書かれ、野田はシロアリ発言があるのに増税を強行した。シロアリ発言がある以上、増税法は絶対に再廃止させなければ民主主義が廃れると国民が考へるとは思はないのか。
八月二十五日(土)「二つの解決法」
竹島と尖閣諸島を解決するには二つの方法がある。一つ目は韓国と中国に日本の領土だと主張する人達と、日本に竹島は韓国、尖閣列島は中国と主張する人達を作ることだ。それぞれが自国の領土だと主張するだけでは解決しない。
二つ目はどちらも島自体の争ひではない。それに付属する海域の漁業、海底資源の争ひである。そもそも今のルールは西洋が主導して決めた。自分たちには問題がないように決めてもアジアでは問題が起きる。漁業にあつては古来、両国の漁民がどのように操業してゐたかに従ふべきだ。海底資源にあつては棚上げすべきだ。資源は高騰することはあつても値下がりはしない。保管するのが一番よい。有り得ないが万一値下がりしてもそれは両国の争ひをなくすため天が与へたと考へるべきだ。
九月四日(火)「アメリカは日本に助力しない」
前原が外相のときは尖閣諸島上陸者を逮捕したために日中関係が極めて緊張した。あのときアメリカは何も言はず、日本が上陸者を中国に返還した途端、尖閣諸島は日米安保条約の範囲に含まれると言ひ出した。つまりアメリカは緊張したときは何もしない。平時にはリツプサービスをする。日米安保条約の欺瞞については、過去にビルトツテン氏が日本が攻撃を受けてもアメリカは日本政府を激励するだけだと指摘した。
アメリカは他国の領土問題には介入しない。例へばイスラエルとパレスチナの問題でも介入はしない。ましてや欺瞞の日米安保条約では米軍が攻撃されない限り参戦するはずがない。それでは日本はどうしたらよいか。
九月五日(水)「アジアの輿論」
ASEAN+日中韓でアジアの輿論を作るべきだ。日本が元気だつたプラザ合意の前までは、日本人の生活はそれほど戦前と変はつた訳ではなかつた。西洋式トイレはどつちを向いて座ればよいかなどと話題になるくらいだつた。企業も株式会社といふ制度は採用しても、社内はボトムアツプで運営された。
西洋のものをそのまま取り入れてはいけないといふ生活の知恵だが、プラザ合意で変になつた。国際輿論も同じである。アメリカや欧州を含めずアジアのことはアジアで解決すべきだ。しかし多数派工作をしてはいけない。(完)
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