二千九百六十四(うた)短編物語「江戸議会開設」
乙巳(西洋地球破壊人歴2025)年
十月二十七日(月)
第一章 意見書ではなく、議会を
黒船が浦賀に現れて、幕府は大混乱になった。良い考へが浮かばす、すべての大名、旗本に意見書を提出させる方針がほぼ決まった。しかし各大名は、威信を掛けて立派なものを作るだらう。それでは役に立たない。
更に問題点は、一回限りで終はる。何回も求めたら、幕府には大脳が無いのかと軽蔑するやうになる。ここは西洋に倣ひ、議会といふものを作らう。原案は、江戸在勤の直臣だった。しかしこれでは、半分しか招集できない。次の案は、陪臣(家来の家来)でもよいことになった。これで、すべての藩が参加できる。旗本は直臣だが除外された。大名のガス抜きの意味もあった。
そのうち、各藩とも優秀な人材を出席させるやうになった。更に進み、農魚民や町人を出席させる藩も現れ、次第に他の藩にも浸透した。

第二章 五大老から十大老へ
議会で決めても、実行するのは親藩譜代の小藩だ。外様大名の不満が高まった。そこで、豊臣時代に倣ひ五大老を選出した。土佐、薩摩、福井、宇和島までは異論なく選出された。残りの一人が決まらない。一ツ橋はどうかと提案があり、これも異論なく決まった。
ところが、一ツ橋はかつて将軍候補になった男だ。無理もない。傲慢になってしまった。五大老会議を開いても、一大老と四人の雑用掛になってしまふ。まもなく、最初の五大老は辞職した。その後は、順次五大老が選出され、機能を始めた。そのうち陪臣でもよいことになった。大老事務取扱を名乗ったが、役割は変はらなかった。
西洋には大臣と云ふものがあり、職務を分担するらしい。そこで、十大老に増やし、職務を分担した。
会議にて広く意見を求めるは良き事にても 年が過ぎ堕落も起きる怠る勿れ

反歌  どのやうな制度によるも堕落者がモリカケ桜カルト裏金

第三章 長州
長州は、内乱が続いた。議会には家老が出て来るものの、毎回別の人間が出席し、前任者は切腹したと云ふ。そして出席者は、過激な発言を繰り返す。皆が辟易した。
議会は長州征伐を可決し、直ちに各藩から軍隊を送った。長州は、議会直轄地域になった。幕府直轄ではなく、初の試みで議会直轄になった。

第四章 西洋列強の荒波
西洋列強の荒波は、世界のほとんどを植民地にした。残るは、清国、シャム、日本など僅かだ。外交は、大変な綱渡りを余儀なくされた。しかし、長州あたりの過激発言者がゐないため、第一次世界大戦、第二次世界大戦を無事乗り切ることができた。
西洋の列強により世界中ほぼ植民地 大恐慌輸入禁止で大戦争に

反歌  西洋の列強により秋津洲荒波まみれその後は如何に
戦後は長州あたりの、カルト呼び込み男も出ず、お友だち依怙贔屓男も出ず、公正な政治が続いたらしい。(終)

メニューへ戻る うた(一千五百三)へ うた(一千五百五)へ