二千六百四十六(朗詠のうた)旅と鉄道
乙巳(西洋発狂人歴2025)年
二月五日(水)
今回の近江旅行は、宿が大津と近江八幡に決まったあと、連続切符を購入した。一枚目は東京都区内-米原-(北陸線)-近江塩津-(湖西線)-大津-(東海道線)-米原、二枚目は米原-東京都区内。逆回りだと、米原と近江八幡が一往復半になってしまふからだ。
ジパング割り引きなので、話せる指定席券売機で購入した。対応した職員は(1)途中下車駅を訊いてきた、(2)連続切符に丸を付けたのに、最初知らない様子だった。
このうち(1)について途中下車は、大津と近江八幡だと答へたあと、なぜそんなことを訊くのか、現地の都合で別の駅で途中下車することもある、と追加した。これは正しく、予定になかった山科と近江今津でも途中下車した。
さて、購入した切符だが、問題が出て来た。北陸線と湖西線のどちらも、北側は運転本数が一時間に一本だ。土曜日は、午前中仕事をしてから出発する。本数が少ないので、湖西線乗車時に暗くなる。旅行の目的に、湖西線から琵琶湖と山並みを楽しむことがある。
そのため、みどりの窓口のある駅で連続切符の、一枚目を逆回りに変更し、東京都区内-米原-(東海道線)-大津-(湖西線)-近江塩津-(北陸線)-米原、二枚目を米原-近江八幡、ジパング割引二回目で片道切符の近江八幡-米原-東京都区内に変更した。わざわざみどりの窓口のある駅まで行ったのは、話せる指定席券売機では間違へるだらうと予想した。
ここで一つ思ひ付いたことがある。話せる指定席券売機は、こちらのジェスチャーや表情が分からない。係員のジェスチャーも分からない。これらを写せば、みどりの窓口と変はらなくなる。実際はもう一つ必要だが、それは後で述べたい。
さて、小生が云った内容と逆を云ふので、さうではなく、と再度説明した。係員は時刻表を取り出して、指で経路を示すが、それは元々の切符と同じなので逆を指で示して、やっと解決した。先ほど、もう一つ必要と云ったのは、時刻表などを示す機能である。係員とその手元、購入者とその手元が写れば、みどりの窓口と同等になる。
さて、ジパング切符を購入の際に、写真を貼ってないジパング倶楽部手帳とマイナンバーカードを出した。問題は無いにも関はらず写真が無いと云ふので、マイナンバーカードを同時に出したと指摘した。すると写真を貼れない事情がある場合は、写真の貼ってある公的証明書でもよいと云ふので、ジパング倶楽部手帳にはさう書いてあるが、手帳といっしょの送り状には、もう少し自由度の高い書き方だったことを指摘して、落着した。
このあと発券をして、カードで支払ひも済んだ後で、三割引きを忘れたと云ふことで、発行し直して、カードの支払ひを済ませて、間違へて引き落とした分を取り消して、最後に旧券を取り消した。おかげでこの日だけで、五枚のカード引き落とし/取り消しの伝票が溜まった。とは云へViewカードなので、JR東グループ内で完結する。
ここで、一回目の話せる指定席券売機と、二回目のみどりの窓口について、問題点を指摘したい。一回目の、途中下車駅を訊かれたことは問題ない。一周するので途中下車駅を訊いて、べつの提案をしてくれるのかも知れないし、購入者の間違ひを見つけてくれるかも知れない。問題なのは、連続切符を最初、理解してゐない様子だった。
二回目のみどりの窓口は、三割引きを忘れたことに問題はない。間違ひは誰にでもある。まづ問題なのは、左回りの切符を右回りに変へるのに、変更後の切符を左回りと勘違ひした。それでは変更前と変はらないが、時刻表の路線図を前に指で追ったので、無事解決した。これも、それほど問題ではない。問題なのは、ジパング倶楽部に写真を貼らなくても公的証明書で代用できる件を、購入者側に質問したことだ。昨年から出来ることになったのだから、そんなことを訊いてはいけない。
以上問題点を指摘したが、一番問題なのはJR各社だ。往復切符と連続切符は廃止されることになった。そのため若い係員に、連続切符を教育しなかったのではないか。話せる指定席券売機のときは、若い男性だった。
二つ目は、ジパング倶楽部手帳が送られたときの送付状と、ジパング倶楽部手帳に書かれた内容を比べると、後者は公的証明書提示で済ますことを、あまり歓迎してゐないのだらう。これはジパング倶楽部事務局をJR各社で運営することが原因だ。JR東は公的証明書に問題ない立場だが、歓迎しない会社もあるのだらう。係員の話から、JR東海と見た。
以上は切符購入までだが、旅行中にも問題が発生した。一枚目の切符は、米原から先で途中下車しようとすると、自動改札機でエラーになる。有人改札口に云ふと、どの駅でも途中下車印を押した。或る駅で、自動改札を通れない理由を訊いたら、京都で降りて戻る場合がある、とのことだった。
この説明は変で、米原で新幹線在来線間の自動改札を通したから、京都経由ではないことは明らかだ。これは、東京から米原を経由し一周して、再び米原までの切符だからだらう。そして本当の原因は、JR東が発券しJR東で乗車し、JR東海の新幹線改札を経由して、JR西で途中下車するからだ。各社共通だと、そこまで情報を書き込めない。
京都で降りて戻る場合がある、と説明した係員は許容範囲だ。その一方で、JR各社にまたがることで不便なのは欠陥だ。
不便と云へば、クレジットカードで購入した切符は、購入した会社でしか変更ができない。国鉄分割時は、切符購入は現金がほとんど(おそらく全て)だった。今はクレジットカードが普通なのだから、国鉄分割時の条件を保ってゐます、は通用しない。JR各社で変更、払ひ戻しが出来るやうにすべきだ。
草枕旅は道連れジパングの手帳を友に ささなみの志賀を巡りて老ひてまだ知ること多く得るもの多し
反歌
滋賀の旅琵琶湖疎水に水の郷寺の麓とさすらひの歌(終)
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