二百五十九、日本航空の乗務員、客室乗務員と銀座をデモ(日本航空は再倒産の可能性が高い)

平成二十四年
四月十九日(木)「中小銀座デモ」
昨夜は「中小銀座デモ」に参加した。新橋の交通ビルで夜6時半から8時まで集会。その後は中央通り、新橋駅前、数寄屋橋、鍛冶橋までデモ行進をした。日本航空被解雇者の乗務員、客室乗務員も多数参加した。乗務員は操縦士の制服を着用してゐた。私の組合は出発点は日本航空の直前、途中で客室乗務員でシュピレヒコールをがんばる人が私より前に行き、通行人の酔つ払ひ一名がよその組合にからむ事件がありその後は日本航空の直後になつた。
日本航空は一昨年倒産した。そして165名の指名解雇者を出した。それでゐて今年は新卒採用を再開した。こんなことを許したら偽装倒産解雇が続出する。倒産は経営陣の責任だ。今後は倒産されてもよい労働運動を構築すべきだ。今回の解雇騒動を第2の国鉄不当解雇事件にして勝利しようではないか。

四月二十日(金)「日本航空に再倒産の可能性が高い理由(その1)」
銀座デモとは関係なく、1か月前に日本航空に乗つた。客室乗務員の動作から再倒産の可能性が高いと感じた。接客担当者は笑顔を作らなくても視線や動作から笑顔を連想させなくてはいけない。ところが客室乗務員に無理な笑顔が目立つ。目標が厳しくなつたのだらうか。食事後に飲み物をつぎに来た。私がカツプを渡し客室乗務員が注いだ後に別の乗客もカツプを渡した。そちらにも入れた後に私のカツプを別の乗客に渡した。ここで私が挙手して物言ひをつけた。大相撲ではないから本当は挙手しなかつたが。
食事中にコツプに何か入れたかも知れないし咳をして新型インフルエンザが入つたかも知れない。他人のカツプを渡してはいけない。大連発だから1人は日本人、もう一人は中国人かも知れない。だとすれば二人の連携が悪いか、乗務員間の会話を英語でするのが原因とも考へられる。日本語の得意な乗務員を機内に一人は入れてチーム内の会話は日本語ですべきだ。さうしないと今回のようなことは起こり得る。しかし私は二人とも日本人だと思ふ。

四月二十一日(土)「日本航空に再倒産の可能性が高い理由(その2)」
機内誌に再生日本航空の意気込みが書かれてゐた。部門ごとに目標を目指すが、局所最適化にならないようにも注意する、と。しかし部門ごとの目標を設定すると目標以外は手を抜き部門内でさへ局所最適化してしまふ。客室乗務員のちぐはぐな行動はそれが原因ではないのか。
機内誌で一番見るのは世界地図である。ところが地名が英語で書かれてゐる。日本航空の乗客はほとんど日本人である。たまに日本びいきの外国人が利用するかも知れない。だから機内誌も記事の135ページは日本語で、英語と中国語は併せて約30ページである。地図の地名は日本語で入れるべきだ。
先頭のページには代表取締役の挨拶が写真入りで載つてゐる。
本日はJALグループの翼をお選びくださいまして誠にありがとうございます。
このたび代表取締役社長に就任いたしました植木義春でございます。
私は、入社より約35年間にわたりパイロットとして乗務してまいりましたが、2年前に操縦桿を置き、執行役員として、JAL再生に向け経営の一翼を担ってまいりました。

これだと、35年間パイロットをしてきた、執行役員もやつたといふ自慢が目立ち、上から国民を見降ろす印象を受ける。次の文が続くとしてもである。
これまで、皆様には多大なるご迷惑・ご心配をお掛けしたにもかかわらず、JALグループの事業継続と再生への取り組みに対し、ご理解とご支援を賜りましたことに、心より御礼を申し上げます。
日本航空の再生への取り組みは決して悪くはない。機内食は和食の特長が出て外国人にも評価されることは疑ひない。このあとあいさつの最後で
「世界のお客様から一番に選んでいただける、愛されるエアライングループ」を目指して、お客様とのコミュニケーションを大切にし、全社員一丸となって努力を重ねてまいります。
とあるが、これはよくない。百兎を追ふと一兎も得られない。
「日本のお客様から一番に選んでいただき、外国のお客様からも利用して日本びいきになつたといはれる日本航空グループ」を目指してほしい。操縦士は管制官とのやり取りに英語を使ふため、欧米からの視線になりやすい。その克服が操縦士に限らず日本航空全体に重要である。

四月二十二日(日)「三大指名解雇争議の一つに」
沖電気、国鉄に続き、日本航空は日本三大指名解雇争議と将来呼ばれることだろう。沖電気では70名のうち35名が職場復帰、12億3千万円の解決金で和解した。これ以降、日本から大量指名解雇は姿を消した。沖電気争議の功績である。
ほぼ同時に起きた国鉄解雇事件は当時から労組分裂を狙つたその汚いやり方に批判が集中した。4年ほど前に国鉄民営分割が欺瞞なことを改めて裏付けることを加藤寛が講演会で言つた。北海道の或る駅では一日に列車が1本か2本来るだけだ。それなのに駅員がゐる、と。日本中を探せばさういふ駅はあつただらう。しかし職員の比率から見れば全体の0.01%以下である。そのことだけを取り上げて民営分割が必要だつたと加藤寛が言つたから、やはり民営分割は欺瞞だつたのか、と改めて思つた。
沖電気と国鉄の争議団の努力で、日本から大量指名解雇が姿を消した。ところが今回、日本航空で指名解雇が強行された。これを許せば日本は再び解雇天国になる。

四月二十三日(月)「偏向マスコミ」
今回の解雇事件にほとんどの国民は関心がない。長期休職者、成績不良者を解雇したといふ記事を大手マスコミが流したからだ。休職者の扱ひは倒産とは関係がない。倒産しようとしまいと対策を立てなくてはいけない。成績不良者は上司の責任である。
二十年前に沖電気を解雇され復職した35人の1人と会つたことがある。この人は設計の仕事だつたがせつかく復職したのに仕事を与へられなかつた。これでは成績不良になつてしまふ。
三十年前に東芝アンペツクス闘争といふのもあつた。会社が解散したのに対して、労働組合は新横浜にあつた工場を占拠して自主生産を行ひ、工業製品のほかにソフトウエアの受託開発も行つた。労組の書記長が「大手もうちに発注してくれる」と苦笑してゐた。仕事がありそして人の使ひ方を適正にすれば、誰もが優秀な成績で働く。そのために役員や管理職がゐる。

四月二十四日(火)「一部の人を犠牲にしてはいけない」
一部の人を犠牲にして残つた人がいい思ひをすることは許されない。希望退職を募り、人数に達しないときは全員の給料を下げてでも雇用を維持すべきだ。これが日本の国情に合つてゐる。
今後の労働闘争としては、まづ残つた人達の良心に訴へる。暫く反応を見て自分たちだけいい思ひをする人達への非難に切り替へる。これで労働意欲は低下しよう。
今回の副題「日本航空は再倒産の可能性が高い」は今回の闘争とは関係がない。先月の搭乗でさう感じた。今後、格安航空会社が出てくることも考慮の上である。日本航空は食事のときに酒類を出す必要はない。私は昼間は酒を飲まない。これでは格安航空会社に負けてしまふ。

四月二十五日(水)「中小も日本航空争議を応援」
今月は八日の日曜日にも集会に参加した。大田区のリネンサプライ工場で黒字なのに事業所閉鎖の問題が起きた。ここには全国一般東部労組の支部がある。何回か労使交渉をしたが、会社側は最初は都市計画の道路拡張のため、次は建物の耐震性のためと理由を二転三転させる。要は結論ありきである。
一日からストライキに入つた。集会では、同じ大田区の日本航空の争議とともに闘はうといふ挨拶があつた。皆で工場内をデモ行進した。作業が止まつたためリネンが滞留してゐた。

四月二十六日(木)「中小製造業の街」
プラザ合意のときまで大田区は中小製造業の街だつた。しかしプラザ合意の後は廃業が相次いだ。否、今でも廃業が続いてゐる。大手は景気のよいときは協力会社として身内の扱ひをして、景気が悪くなると使ひ捨てにする。下請けを使ふことで大手は製造コストを下げ日本を円高に導いた。そしてその後は下請けを切り捨てることで円高が今でも続いてゐる。
日本航空倒産の真の原因は円高である。下請けと、現地での販売を目的としない海外生産を禁止すべきだ。これで円高を解消できる。日本航空と中小企業が繁栄できる。(完)


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